本ページのリンクには広告が含まれています 大相撲

大相撲:横綱にも降格を認めよ

昨年末から不祥事続きの大相撲。

初場所が終わり、だれも予想していなかった

平幕栃ノ心の幕内最高優勝で終わりました。

上位陣が、「どうしても勝ちたいときは変化する」

「ちょっと苦しいとすぐに引き技に頼る」ヘタレ横綱と、

実力充分だけれどガチゆえに成績の波が激しい豪栄道&高安

という構成では、関脇以下の力士の優勝もあるだろうな・・・とは

私も思ってはいましたが、栃ノ心は意外でしたね。

私的には栃ノ心は、対モンゴル人横綱戦では勝つつもりがない力士・・・という印象しかなくて、

まったく評価してませんでしたから。

 

今回はその初場所の感想、

それと今場所ではまったく存在感のなかった「横綱」という地位について書いてみます。

栃ノ心のインタビューは朴訥として力士らしくて好感

栃ノ心の優勝インタビュー。

「うれしいです」ばっかりで、しかも日本語もそんなにうまくなかったですが、

朴訥としたその話しぶりは、

人柄がにじみ出る感じで好感がもてましたね。

四日目の高安戦はほんとは負けてたんじゃないの、という気もしましたが、

15日間いずれも真正面から行って力の入った相撲をみせてくれました。

 

さっき、「モンゴル横綱に勝つ気がない」と言ったのは、

いつも同じかたち、同じパターンで負けてるのにそれを変えないからで

(対稀勢の里では変化とかするのに!)、

コイツ勝つ気ないだろ・・・と思っていたのです。

対白鵬は25戦全敗らしいですよ。まじめにやる気があれば、少しは考えるはずです。

いつもいつも同じかたちで25連敗では、どうせ星を売ってるんだろ・・・と思われても仕方がない。

 

しかし今場所はいつもと全然違い、

みごたえのある相撲が多くなりました。

ケガが良くなったから?

この強さが本物なら来場所も期待ですが、

どうなりますかね。

御嶽海は将来間違いなく大関or横綱になる。だからこそ・・・

関脇の御嶽海は8勝7敗。

この人は将来は必ずさらに上にあがっていくと思うのですが、

どうも余計なことばっかり言うなあ、と。

 

なにが気に入らないかというと、

13日目に御嶽海が鶴竜を破って、

鶴竜が3敗になり栃ノ心の優勝が濃厚になった日に、

報道によれば彼はこんな話をしたそうです。

優勝がかかる栃ノ心とは同じ出羽海一門。部屋も近所で稽古をつけてもらった間柄だけに「(栃ノ心の)優勝がかかっているので、少しでも手助けになればと頑張りました」と、好アシストを振り返った。

御嶽海が栃ノ心を好アシスト、鶴竜撃破「手助けに」

 

まあ、記者から訊かれたから言っただけなのかもしれませんが、

私はこれをきいて

「なんでこんな余計なことをしゃべるんだろう」

と思いました。

「好アシスト」とか、記者もおかしいんじゃないの、と。

 

御嶽海と栃ノ心は、

同じ一門とはいえ部屋は違うので、

ふつうに対戦する間柄なわけです。

栃ノ心が同じ部屋の兄弟弟子である

(優勝決定戦以外は本場所で対戦することはない)ならともかく、

本場所でふだん対戦する相手のことを、

「世話になってるから、助けになればと思いました」

とか言っちゃったら、

「じゃあなに?仮に自分が勝っても負けても大差ない状況で、世話になっている、優勝がかかっている先輩とかと対戦したりしたら、力をぬいちゃうわけ?」

と疑われてもしょうがないと思うのですよ。

 

仮に3場所後くらいに栃ノ心が大関とりになり、

御嶽海が8勝6敗で勝ち越しがとりあえず決まっていて、

栃ノ心があとひとつ勝てば大関確実、という状況で対戦するとする。

そこで御嶽海がコロンって負けたら、

「栃ノ心は同じ一門だから、気をつかって転んでやったんじゃねえの」

と疑われるかもしれない。

 

御嶽海がそんなことを考える力士だとは思わないですが、

そういうふうに疑われるのが問題だから、

貴乃花親方は「ほかの部屋の力士と交流するな」

と言い、余計なことはいっさい言わない。言わせないわけで、

それが勝負師のあるべき姿でしょう。

 

御嶽海は将来間違いなく看板力士になるでしょう。

だからこそ今から、余計なことをしゃべらないように

親方はちゃんと指導するべきでは。

横綱になってからでは言うこときかせられなくなるのは、

モンゴル人横綱で経験済みなんだから。

横綱も「降格」アリにしろ

白鵬と稀勢の里が休場。

今回は白鵬については省きますが、

稀勢の里については「進退」が話題に上っていますね。

 

横綱の成績不振をみていつも思うことは、

「横綱が勝てなくなったら引退しかない」

っていう制度が、

相撲をつまらなくしているんじゃないか、

ということなんですよね。

 

北の湖や貴乃花や朝青龍や白鵬は若くして横綱になりましたね。

仮に彼らが横綱になりたてほやほや、二十歳そこそこの時に

完治するのに1年以上かかるケガを負ったとして、

若いんだから1年きちんと治療すればまた再起できるのに、

しばらく休みが続いたり痛くて負けがこんだりしたらもう引退しなきゃいけないのですか?

まだまだ若くて、ケガさえ治せばあと10年くらい相撲がとれるのに!

大関どまりだったら下から再起できたのに!

 

照ノ富士の十両陥落が決定的になりましたが、

彼はケガさえしてなければいまごろ横綱だったかもしれない。

もし、ケガをしたのが横綱になってからだったらもう引退しなきゃいけなかったわけですか?

まだ26歳で、あんなに才能があるのに!

 

横綱になってケガでもして負けがこんだら引退しなくちゃならない。

これがなによりも恐ろしいと考える横綱が考えることは決まってるでしょう。

ケガをするような危ない相撲にならないように、

前もって対戦相手と話をつけておくことです。

 

話をつけていなくても、横綱をケガさせたら大変、という意識があれば、

対戦相手だって力が抜けちゃうことだってあるかもしれない。

大関だった朝青龍が横綱の貴乃花(足をケガしている)と対戦したとき、

負けた朝青龍が「横綱の足を狙えばよかった」と言ったのは、

横綱が足を傷めてるのを知っていて、

気をつかっちゃったから負けたのを後悔したわけでしょう。

 

白鵬の相撲をみていればいかにケガをすることを恐れているかがよくわかります。

だから彼の相撲は(対戦相手にもよるが)みていてエキサイティングじゃない。

 

「横綱」は地位ではなく、

江戸の昔のように、「横綱を張る資格がある」という名誉称号

に戻せばいいんじゃないでしょうか。

勝てなくなったり不祥事を起こしたりしたら、その資格をはく奪すればよい。

 

そういうふうにすれば、晩節を汚してまで勝ちにこだわる白鵬のような横綱は

出てこなくなるんじゃないか。

ケガをして勝てなくなっても横綱免許を返上して再起を狙える、となれば、

星を買ってまで横綱の地位を守ろうという考えは出にくくなるんじゃないか・・・

と思うんですけど。

 

いずれにしろ、白鵬はこのへんが潮時じゃないでしょうか。

稀勢の里も、勝てない原因はケガだけじゃないだろ、という感じなので、

もしそうならほんとうに身の振り方を考えなくてはならないかも。

 

国技館でおカネを払っても観たい、と誰もが思うような

エキサイティングな大相撲が復活すればいいな・・・と願いつつ、

このへんにしておきます。

-大相撲
-, , , , , ,