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政治家の発言にみる、受動喫煙防止問題の根深さ

このブログでも、加熱式タバコ「アイコス」に関しての話題で、

タバコについて何度か書いていますが、

パチ屋は「IQOS」を景品として安く提供せよ

IQOS(アイコス)新製品発売~政財界は加熱タバコの普及を後押しせよ~

厚生労働省が目指していた、飲食店などの建物内を原則禁煙とする健康増進法の改正案の提出が、

自民党の抵抗によって見送られたとのこと。

一連の流れの中での政治家の発言をきいていて、いろいろ思うことがあったので、

非喫煙者としての視点で書いてみます。

大西英男議員の「働かなければいいんだよ」発言

先日話題になった、自民党の大西英男衆議院議員の

「(がん患者は)働かなければいいんだよ」発言。

本人は、わざわざタバコの煙のある職場でがん患者は働かなくてもよいのでは、という意味だった、

と釈明していましたが、どっちにしろバカ丸出し発言なのは間違いなくて、

こういう人が長いこと議員として活動できてしまうシステム自体がおかしい気がしますね。

いや、長いことやってるから「オレはエライ」と勘違いしてしまい、おかしくなるのかも。

発言自体は非公式の場で、軽口だったんでしょうが、逆に言えば本音が出たわけでしょう。

 

この発言は、一般的な喫煙者のもっている、受動喫煙に対しての考え方を端的にあらわしています。

 

つまり、「喫煙が禁じられていない場所」では、

喫煙する権利は呼吸をすることのごとく認められるのが当たり前であり、

非喫煙者は、タバコが嫌ならそこへ来るな、来るほうが悪い、という意識です。

 

大西議員をはじめ、たばこ議連の議員たちが、

受動喫煙問題についてまじめに考えていない、考えるに値しないと

考えていることは一連の発言から明らかです。

「まるで禁止薬物扱いだ。タバコは合法なのに」

とかレベルの低すぎる発言をする議員もいるようですね。

 

それはともかく、「働かなければいいんだよ」発言は、

ネット掲示板などで喫煙者が嫌煙者にむけて吐く言葉と

非常によく似ています。

 

「タバコの煙が嫌なら、タバコの煙があるところへ来るな」というわけです。

 

これは、いくら言ったところで意味のないことだと思います。

同じように、嫌煙者のほうは「嫌煙者のいるところでタバコの煙を発するな」

と思っているわけですから、お互いに勝手なことを言っているだけで、

まったく話が前に進まない。

喫煙者がマジョリティだった時代のままだと思っている

昭和40年代初頭には男性の8割が喫煙者だったそうです。

それが右肩下がりに減り続け、平成28年には男性の喫煙率は30%ほどに減少。

厚生労働省の「最新たばこ情報」

 

たしかに、私も幼いころは「大人は全員タバコを吸うもの」だと思っていました。

いま考えるとウソみたいですけど、

国鉄の駅はそこら中灰皿が設置されていたし(柱に縛り付けられていましたね)、

ホームには吸殻がいっぱい落ちていた。

とにかく駅全体が汚かったのはよく覚えています。

 

自民党のおじいちゃんたちの多くは、

喫煙率が7割8割という時代からタバコを吸っていた人たちでしょう。

「どこでも吸えるのが当たり前」という時代を知っていて、

そこから徐々に喫煙場所が狭められてきた歴史をつぶさに体験しているので、

「喫煙者が迫害されている」という意識をもっているんじゃないでしょうか。

 

もうそんな時代は終わっていて、これからさらに喫煙人口は減り、

産業としてのタバコも先細りするのは明らかなのに、

なぜかたくなに受動喫煙防止に反対するのか理解できません。

いまとなっては吸う有権者よりも吸わない有権者のほうが多いはずなのに。

 

喫煙者がマジョリティだった時代を経験した人間はこれからどんどんいなくなり、

公共の場でタバコを吸うことなど非常識だ、

と言われる時代が遠からずやってくるのは間違いないわけで、

この流れは自民党のおじいちゃんたちがどれだけ抵抗しようが防げない。

支持者がタバコ産業に従事しているなら、

「商売替えしないと生き残れませんよ」とコンサルしてあげるとか、

別の商売をするための支援をしてあげるとかするのが議員としての努めなのでは。

これまで我慢してきた嫌煙者が声をあげるようになってきたので・・

さらに大西議員は、

「私の家族は誰も文句を言わない」

みたいなことを言ってましたね。

ほかの議員が「言えないだけだよ!」と声をあげていました。

 

この発言もいろいろなことを考えさせられます。

 

昔は喫煙者がマジョリティだったので、

タバコを周りで吸われても文句を言う人は少なかったわけでしょう。

さらに、オトコはエライんだ、という意識も社会全体にありましたから、

女子どもはそのエライ大人のオトコに文句が言えなかった。

 

そういう時代を経験しているので、

嫌煙家がギャンギャン騒ぐと、「うるさい」「過剰反応」

と思ってしまうのでしょう。

 

「喫煙者ばかりが肩身の狭い思いをなぜしなければならないのか」

という意見も目にしますね。

これはこういう歴史があるからやむをえない意見だろうと思うんですけど、

それを言うなら、いままでは非喫煙者が肩身の狭い思いをずっとしてきたわけでしょう。

大西議員のように、それに気がつかなかっただけ。

 

私のように毎日パチンコ店に出入りしていると、

タバコを吸っている人たちが肩身の狭い思いをしているという実感はまったくないです。

みんな当然のように吸っている。当たり前です。禁煙じゃないから。

 

私のような人間の場合、隣でタバコを吸われると、それまで快適に打っていたのが、

いきなり拷問タイムにかわるわけです

(まあ、貧乏ゆすりされるよりは千倍マシですけどね)。

しかし、ガマンしなければならない。なぜなら、禁煙の場所じゃないから。

そこで少しでもイヤなそぶりをすれば、「タバコが嫌ならパチンコ屋に来るなよ」となるのです。

こういう「肩身の狭い思い」を理解している喫煙者がどれだけいるか。

 

大西議員のような人や、「嫌煙者はパチ屋に来るな」という人は、

「喫煙しながらパチンコする権利」は守られるべきで、

「副流煙を吸わずにパチンコする権利」などは存在しない、

と思っているのでしょう。

 

私はどちらの権利も守られるべきだと思っています。

しかし、嫌煙運動を批判する喫煙者は自分の「吸う権利」だけに関心があって、

「タバコの煙を吸わされない権利」に目が向かない。

自分の「吸う権利」が尊重されている裏で、

別の権利が侵害されているということに気が付かない、

もしくはそういうことを突き詰めて考えたことがない。

 

このあたりの意識を変えられれば、健康増進法は必要ないはずですが、

タバコ会社などが啓蒙する「タバコのマナー」は、

「決められた場所で」とか、「吸殻をちゃんと捨てる」とか、

「ウ〇コはトイレでしましょう」と言っているのと同じような、

当たり前すぎることしか言わないので、

意識改革につながらず、法律で縛らなければならなくなってしまう。

喫煙と肺がん「そんな関係あんの?」

麻生財務大臣は2月に、「(喫煙者が減っていることに触れ)肺がんの患者数は増えている。

たばこってそんな関係あんの、っていろんな人に訊くんです」と述べたそうです。

 

タバコが健康に害がある、というのはどう考えても明らか

(害がないのなら子どもが吸ったっていっこうにかまわないはず)で、

タバコを初めて吸った時の気持ち悪さを思い出してみれば、

これが体にいいはずがない、と本能でわかるのではないでしょうか。

 

喫煙者と肺がん患者の数が反比例しているのも、

タバコと肺がんが関係ない、という証拠にはならないでしょう。

タバコを吸ったからといってすぐ病気になるのではなく、

何十年も積み重なったものが病気になってあらわれるんでしょうから、

さきほど言った、みんなが吸っていた昭和時代の人たちがいま肺がんになっているから

肺がん患者が増えているのでしょう。

だから、肺がんとタバコに関係あるとすれば、あと数十年すれば肺がん患者はどんどん減るはずで、

いまの統計だけをみて判断はできないと思います。

健康への害などどうでもいい

麻生大臣のように、

タバコの害について科学的に証明されてない、という人もよくいますね。

しかし、個人的には、「害があろうがなかろうがどうでもいいし、関係ない」と考えています。

 

喫煙者はみんな実はわかっているはずです。

タバコが体に悪いということは。

みんなそれを承知で吸っているわけで、

その人たちに「健康への害」を説いてもまったく意味がない。

副流煙の害を言えば、「証明されてない」とか言い張っちゃうので、

別の観点から考えてもらわなければダメでしょう。

 

体に悪いけど社会に必要、人間に必要というものはいっぱいありますしね。

体に悪い(と言われている)ものってたいてい美味しいし。

酒だって量を間違えれば毒。

ギャンブルなんて精神的には毒そのものかもしれない。

 

タバコも毒であるのは間違いないけれども、必要な人にとっては、

生きるのに必要不可欠なものなのでしょう。

 

それに、健康との因果関係を明らかにするのはそんなに簡単ではないので、

受動喫煙を問題にするときに、「健康への害」を持ち出しても

あまり意味がないと思うんですよね。

 

私は、健康が害されるのもまあ心配ですけど、

とにかく「臭くて汚いから、そばで吸わないで」という気持ちです。

はっきり言えば迷惑なのです。体にいいとか悪いとか関係ない。

 

麻生大臣のようなことを言う人は、

タバコの煙が嫌だという人は喫煙者の健康を気遣って「吸わないで」と言っているわけではない、

ということが理解できないのかもしれません。

体に悪いのを承知で(絶対に承知しているはず)吸っているんだから、

吸うあなたの健康など知ったことではなく、

ただ迷惑だから私のそばで吸わないで、というだけの話なのです。

 

ある家の隣にいきなり工場ができて、ものすごく臭い煙を出して、

干している洗濯物が汚れる。

住人が文句を言いに行ったら、工場主は、

「いや、健康に害は多分ないから大丈夫ですよ。害があるかどうか証明できないし。」

と答えた。

もしあなたがこの住人なら、

「バカなの?ニオイが臭くて洗濯物が汚れるという直接的な被害があるから文句を言ってるんだよ!」

と思うでしょう。

さらに工場主は、「こっちは煙を出さなきゃやっていけないんだ。操業する権利があるんだ。

ここで操業してはいけないという法律はないんだ」とゴネる。

そう言われたら住人は、「こっちだって快適に生活する権利があるんだ」と言うでしょう。

 

こう考えてみると、

受動喫煙防止問題で、「健康に害があるかどうかわからない」とか言って反対するのは、

いかに無意味なことかわかると思うんです。

臭い、汚いという被害、迷惑が問題だ、という意識がない。

「健康増進」とか言うから、わけがわからない議論になるのです。

 

自分が気持ちよく吸っているタバコは、他人にとっては迷惑なものかもしれない、という意識こそが

受動喫煙問題の解決のためには必要なんじゃないでしょうか

(タバコを吸う人だって、他人の吐いた煙は嫌だって言いますよね)。

 

大西議員は、あの年齢になっても、自分のタバコに対して周囲がガマンしていることに

気が付かなかったわけです。まこと愚かの極み。

そういう人は、喫煙場所を狭められれば、「理不尽だ」と思うだけです。

誰も「吸うな」とは言ってないのに

さきに出した、誰だかわからないけれど国会議員の

「合法なのに、禁止薬物でもないのに」という発言も、

被害者意識が色濃く出ています。

「吸うな」という議論ではなく、

「副流煙を他人に吸わせないために吸う場所を限定する」という話なのに。

 

先日相撲を観に両国へ行ったとき→大相撲夏場所:両国国技館へ行ってきました

歩道に設置された喫煙場所に大勢が群がってタバコを吸ってるのをみました。

わが地域は田舎ですからあんなものはないんですけど、

ちゃんと吸うところがあるじゃないですか。

会社にも喫煙室があるでしょう。

どこでも吸えるとバカバカ吸っちゃうから、場所が限定されれば本数が減って

体にも経済的にもいい、と考えられないでしょうか。

年月とともに自然にタバコは減っていくだろう

私自身は、公共の場所は全面禁煙にするべきだと思っていますし、

あと数十年かかるでしょうが、日本もいつかはそうなるでしょう。

しかし喫煙が違法でない以上、吸う権利はもちろん認められるべきで、

これは喫煙所をもっと増やすしかないのでは。

 

喫煙スペースが設けられない狭い店はどうする、

という問題はたしかにあるでしょうが、

そこはやはり喫煙者の意識の問題でしょう。

公共の場では吸えない、という意識が浸透すれば、

店を出るまで我慢して、街頭の喫煙所もしくは家で吸おう、というのが当たり前になるかもしれない。

 

ちなみに、飲食店は分煙で、というのはダメだと思います。

非喫煙者が喫煙者と一緒に食事に行ったら、ほぼ間違いなく喫煙席に座らされ

(「喫煙席と禁煙席、どちらがよろしいですか?」と訊かれれば、まちがいなく「喫煙席で」となる。ここで喫煙者が遠慮して「吸わない人がいるから禁煙席で」と言うことにはまずならない。なりますか?そういう喫煙者がいれば、それは真にマナーを心得ている人だと思いますけど、私はいままでに一人も見たことがない)、

非喫煙者は副流煙を吸うことになります。従業員だって副流煙は吸いたくない人もいるでしょう。

 

それに、タバコが吸えない店になったらほんとうに売上が下がるか、

というのも疑問ですしね。これからどんどん喫煙人口が減っていくのに、

減っていく人たちのほうを向いて商売するのが、長い目でみてどうなのか。

実際、自主的に禁煙にした店が売上が減る、という例はあまりないらしい。

加熱タバコがすべてを解決する

いろいろ書きましたが、

とにかく、「臭い、汚い」という問題をクリアしてほしいのです。

それがクリアできれば、一日に千本でも二千本でも吸って

たくさん税金を納めればいいんじゃないかと思ってますし、

「吸う権利」と「吸わない権利」を両立するためには、

やはりアイコスをはじめとする加熱タバコの普及をお願いしたいと考えてます。

 

なぜ、加熱タバコを国をあげて普及させようという議論にならないのか。

私など、隣でパチンコ打っている人がアイコスを取り出すと

ものすごく安心します。そして、急にいい人にみえてきます。

加熱タバコの水蒸気が健康に害がないのかどうか判明していない、とかいう話もでますが、

さっきから言っているようにそんなことは(とりあえず)どうでもよいのです。

多少はニオイがしますけど、副流煙に比べたらまったく問題ではないし、

それも技術革新で改善されていくでしょう。

その技術革新のために国はカネを出すべきでは。

 

そういうわけで、受動喫煙問題は結局のところ意識の問題で、

時間をかけて解決、というか時間が過ぎれば自然に解決すると思ってます。

今後もなにか動きがあったら記事にしてみます。

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