JRA (日本中央競馬会) の「ギャンブル依存症対策」は本気なのかポーズなのか。

   

3月6日の読売新聞に、

JRA(日本中央競馬会)が、あらたなギャンブル依存症対策を

今秋から実施することを目指している、という記事がありました。

YOMIURI ONLINE  競馬場、依存症なら入れません・・・患者の写真配布

「家族がJRAに申請すれば患者本人の意思に関係なく、競馬場や場外馬券場への入場を禁止できる措置を取る」

んだそうです。

ふ~ん・・・詳しいことは全然わからないんですけど、

いろいろと違和感を感じます。

絶対に勝てない、ということをきちんと啓発すれば、依存症患者は減る

ちなみに私自身は競馬をやりません。

サラリーマン時代に競馬狂の先輩がいて、

その先輩に頼まれて場外馬券場に馬券を買いに行かされたことが何度かあり、

そのついでにちょこっと買ったことがあるくらい。

名前で選んだ「ゴッドスピード」という馬から流して買ったら

当たっちゃって、それが万馬券だった・・という思い出があります

(調べたところ、1996年の府中3歳ステークス)。

競馬場には1回しか行ったことないです(大昔、川崎競馬場に行きました)。

中央競馬の競馬場は未体験です。

 

それはともかく、なぜ競馬をやらないかというと、

単純に「勝ち目がない」からです。

そのあたりについてはこの記事では細かく書きませんが、

どう考えても勝てない(中には勝っている人もいるんでしょうが、それはパチンコ・パチスロで勝っている人よりもさらに少ないでしょう。パチンコ・パチスロなら30人にひとりくらいは「勝つべくして勝っている」人はいると思いますが、公営ギャンブルではおそらく1000人にひとりくらいじゃないか)

し、勝ち方がまったく見えてこないし、

そもそも還元率約75%という世界では

常人のレベルをはるかに超越した圧倒的な情報量と情報分析能力、判断力と勝負勘を

もっていなければ絶対に勝ち続けることはできないでしょう。

 

その難易度はパチンコ・パチスロと比較にならない。

「間違ってたまたま勝つ」確率も圧倒的に低い。

だから、競馬で依存症になる人なんてそうそういるもんじゃないだろ、

という気がするんですが、実際にはいるんでしょう。

それはやはり、「絶対に勝てない」ということをわかってないからなんだと思うんですよね。

 

私だって、競馬の還元率が95%くらいで

他人よりほんのちょっと努力したり知識をもったりすれば

100%以上にすることが可能であるなら、

ひょっとすると一生懸命馬券を買っていたかもしれません。

でも、勝てないのがわかっているから買わない。

 

GⅠレースのたびに人気タレントを使ってテレビでCMを流し

いかにも「競馬はロマン」みたいなことをアピールし、

「ただの、絶対に勝てないギャンブルにすぎない」

ということを覆い隠すから、

依存症患者がうまれてしまうのでは。

 

依存症患者を減らしたいなら、

そこを啓発する活動をすることが必要じゃないかと思うんですが、

胴元が「馬券買ってください。まあ、絶対に期待値はマイナスなんですけどね。」

と宣伝するわけにもいかない・・・

が、依存症対策をやってます!とアピールもしなくてはならない。

そこで打ち出してきたのが今回の「依存症対策」。

マジにしろポーズにしろ意味がないし、なんか気持ち悪い

新聞記事によると、

家族から提供された患者の顔写真情報を競馬場や場外馬券場に配り、職員が見つけた場合は声をかけて入場させない。

んだそうです。

まるで犯罪者扱い。

職員のいる場所に、指名手配犯のポスターみたいに写真をならべて

職員におぼえさせ、犯人を捜すかのようなことをさせるんでしょうか。

それを想像すると気持ち悪いですね。

(さびれた地方競馬なら常連ばかりで顔をみれば「ああ、あの人ね」とわかったりするんでしょうか。)

ぱちんこ店でも問題人物を出禁にすることがありますが、

それは違法行為をしたりハウスルールを守らない人とかなわけで、

ただ家族が「アイツは依存症なんだ!」と訴えたというだけで

この犯罪者並みの扱いはどうなんでしょうか。

 

それに、ホントに依存症なのかどうかは確かめなくていいのか。

本人の言い分より家族の言い分を100%優先させる理由はどこにあるのか。

入場するだけで馬券を買わないかもしれないじゃないか。

「馬券を買わせない」ではなく、

「入場させない」っていうのはおかしいのでは。

 

それから、こんなことが実際にどれだけできるのか。実効性はどれだけあるか。

ぱちんこ店の「18歳未満入場禁止」とか「暴力団員の入場お断り」とかだって

徹底できている店はそんなに多くないのに、

入場門にわんさか人がいる中でそんなことをできるのか。そんなにヒマなのか。

私が職員なら、もし出禁になっている人を入場門でみかけても、

(ぱちんこ店の店員さんがガキやヤクザが来ても「気づかないフリ」をするのと同様に)

「あれ?あの人はひょっとして出禁の人?・・・でも忙しいし声かけて人違いだったり相手がゴネたりしたらめんどくさいから、気づかないフリするか・・・」

と考え、シカトしますね。

べつに危険な犯罪者が入ってくるわけでもないし。

 

それに、入場料をとらない場外馬券場ではほとんど不可能でしょう。

ネットでの購入には、家族からの要請があればネット購入を不可にする措置を

すでにとっているらしいですが、

場外馬券場に行けばいくらでも買えちゃう。

 

というわけで、競馬には素人の私からすると、

この依存症対策はもしマジならば「実効性はないでしょう」ということになるわけで、

どう考えてもこれは、

「依存症対策を講じなければ(講じていることにしなければ)ならない。じゃあ、とりあえずこれくらいで『やってます!』というアピールをしておけばいいんじゃね?」

というポーズなんだろうな、と。

実際、新聞記事中には

JRA幹部は「対策をアピールすることで、ギャンブル依存を抑制する効果にも期待したい」としている。

とあり、出入り禁止を徹底することではなく、

「対策しています!」というアピールの効果に期待しているようにもみえます。

そんな効果はないと思うけど。

 

しかしポーズだとしてもなんか気持ち悪い。

ていうか、ぱちんこ業界は「依存症対策」で多大な犠牲(損)を強いられているのに、

競馬はこの程度の対策でいいわけ?

本気でやるんなら・・・

だいたい、ぱちんこ業界は

射幸性を抑制することを強要され、

業界やプレイヤーは大損しているのに、

競馬では射幸性の抑制という方向性はまったく出てきませんね。

本気でやるんなら馬単とか三連単とかやめて

複勝の馬券だけ売ればいいんじゃないのか。

いまのぱちんこではどれだけ頑張っても1日に20万円を超えて勝つことは

ごく稀(これからはほぼ不可能になる)ですが、

競馬は数百万円の配当を狙うことも普通にできますよね。

いっぺんに人生のすべてをかけるような金額をベットすることもできちゃう。

どっちのほうが危険なギャンブルかは明らかでは。

 

依存症対策を本気でやるのなら、

超高配当が期待できる馬券の販売をやめ、

さらにTASPOみたいな「馬券を買う資格を証明するカード」を発行し、

それがないと競馬場でも場外馬券場でもネットでも

馬券を買えないシステムを構築するべきでは。

依存症患者の写真を職員に配って捜させるとかよりは、

そっちのほうが「本気なんだな」とわかる。

 

それをやらないのは、

やはり「公営」だからなのか。

公営ギャンブルで散財してくれるぶんには

公が儲かるんだから全然かまわない、ということでしょうか。

だから、本気で対策せず、

テキトーなポーズで済まそうとしている・・

というふうにみえます。

 

とにかく、メディアにおどる「ギャンブル依存症対策」という話題をみると、

なんかバカみたいな話ばっかりだなあ・・・としか思わないんですよね。

 

ほんとうに依存症対策はこれでいいのか?

そもそも依存症対策ってそんなに必要なのか?

そういうところからきちんと議論しなおすべきでは・・・と思います。

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