高齢ドライバーの交通事故について思うこと

      2019/09/18

ここのところ、高齢のドライバーが起こした、

重大な結果になってしまった交通事故のニュースが目立ちますね。

 

小学生の集団登校の列に突っ込むとか、

それはもうほんとうに悲惨な事故が多くて、やりきれない気持ちになりますが、

私は、ニュースキャスターが、「また!高齢者の運転する車が・・・」

という言い方をすると、なにか釈然としないものがあります。

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高齢者の事故をことさらに報道してないか

高齢ドライバーの事故が多い多い、と、

毎日毎日報道しているし、

高齢者の事故率が高い、という統計が紹介されているのをみかけたりするんですけど、

そもそも高齢者の事故率が高いなどというのは、

高齢者は身体機能や認知機能が衰えるんだから当たり前のことで、

たしかに重大な事故が起きてはいるが、事故率が高いということ自体は、

いまさらギャアギャア言うことではないはず。

 

だいたい、そこらじゅう高齢ドライバーだらけになってきているんだから、

重大事故が起きたときに、ドライバーをみてみたら高齢だった・・・

というのはよくあることのはずで、それを

「また!また!高齢者が・・・」と騒ぎ立てるのはおかしくないか。

普通に、淡々と、「ドライバーは87歳の男性」といえばいいものを、

いちいち「またです」というのはやめてほしい。

 

こういう報道にはたくさんの疑問があります。

まず、なぜこういう偏向報道が問題かというと、

「高齢者の運転は危ない」という偏見を生み出し、

運転しなければ生きていけない、地方の高齢者の生存を脅かすことになるからです。

これが「また女性ドライバーの事故です!」だったらどうか

こういう報道が、偏見と差別を助長するんだと思います。

「また高齢者の事故」ではなく、

「また女性が事故を起こした」

「また中国人が事故を起こした」

「また中卒の人が事故を起こした」

という報道がされたとしたらどうか。

 

偏向した報道だ、と誰もが思うでしょう。

 

「女性が」「中国人が」というのと同じくらい、

「高齢者」といってもいろいろあるわけで、

65歳でも90歳でも、認知症でもそうでなくても、

飲酒運転でなくてもそうでなくても、

無謀な運転をしてもしていなくても、

高速道路の事故でも狭い路地の事故でも、

全部一緒くたにして「高齢者の運転はあぶない」という刷り込みをしようとしている。

 

上の例で考えても、

「半分は男性の事故だろ」

「国籍と事故は関係ないだろ」

「学歴と関係ないだろ」

となるわけでしょう。

年齢と事故は関係あるのは間違いないが、それにしたって

65歳と90歳では事情が異なるはずなのに、全部「高齢者」でくくってしまう。

 

65歳以上、と勝手にくくっているが、

65歳ははたして高齢者か。

アメリカ大統領になるトランプ氏は70歳。

「運転させたら危ない」というくらい、判断力や認知機能が衰えているかもしれない人が、

超大国の大統領をやろうとしている。吉田茂は首相になったとき67歳だった。

福田首相親子は親子ともに71歳で首相に。

政治と運転は違う、というだろうけれども、

「65歳以上」という乱暴な線引きで、「高齢者」とひとくくりにしていいのか、

ということが疑問に思えるのです。

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若者の無謀運転のほうが危険

だいたい、報道を注意してみていると、

高齢者の事故で多いのは、

高速道路での逆走、アクセルとブレーキの踏み間違いなど、

不注意、判断ミス、認知症などが原因の事故が多く、その結果他人を巻き添えにして

重大事故・・・というのが多い。

 

「80代の男ふたりが無謀なカーチェイスをして事故、5人死亡!」

とか、

「90代の女性が飲酒運転で死亡事故」

とか、きいたことがない。

 

無謀な運転で人を殺すのは、若者、せいぜい中年、が多いんじゃないか。

こういう統計があるかどうかは知らないけれども、

おそらくは、高齢者は単独事故が多いでしょう。

そして、加害事故は若者のほうが多いのではないか。

 

私が運転していても、おじいちゃんドライバーに

高速道路で後ろから煽られたとかいうことなんてないし、

一般道路でも無謀な追い越しなどをされたりしたときに

それがおばあちゃんだったなんてことはほとんどない。

 

もちろん、高齢ドライバーの不注意でヒヤリとした経験もあるが、

それは「無謀運転」ではない。

私に言わせれば若者の無謀運転のほうがよほど問題です。

 

若者すべての運転が無謀だ、と主張しているわけではありません。

そう言ってしまうと、「高齢者の運転は危ない」と決めつけるのと同じことになってしまいます。

若者の大部分は安全運転している。高齢者の大部分も安全運転している。

安全運転への意識は総じて高齢者のほうが高いと思われる。

それなのに、高齢者の事故は鬼の首をとったかのように「また!」と報道する、

それが気に障るのです。

地方では、運転しないと生きていけない。

都会ならともかく、地方では運転しないと生きていけない状況が多いのです

(23区内などは、生活するだけなら、マイカーの必要性はほとんどないですね。

田舎で暮らしてみるとわかります。都会のマイカーからはもっと税金をとるべきです)。

 

私は都会暮らしも田舎暮らしも両方体験しましたが、

以前に住んでいた政令指定都市の市営バスの料金は、

どこから乗ってどこまで行っても、降りなければ同じ料金で、210円でした

(乗るときに料金を払っていました)。いまも同じなようです。

で、今住んでいる人口7万弱ほどの市では、市営のバスというものはなく、

民間のバスしか走っていなのです。

私の自宅から、最寄りの駅までは約10キロほど。

その料金は、610円!

 

さらに、政令指定都市のほうは、

70歳以上は月1000円で乗り放題のフリーパスを発行しています。

かたや今住んでいる市のバス会社では、市の助成を受ければ、70歳以上は

1乗車につき100円で乗れる、というもの。

どちらが安いかは一目瞭然ですよね。

都会と違って、高齢者では、コンビニに行くのでさえ、歩きでは困難な地域です。

車に乗れないなら、スーパーに行くのにもバスが必要です。それなのにこの高さ。

しかも、夜は7時台でバスが終わっちゃう。

免許をかえせ!と言うのなら・・

だいたい、地方が車がなくては生きていけない状況になったのは、

モータリゼーションの推進や大店法の廃止をし、

人口減少に手を打てなかった政治の責任で、

高齢者に「免許かえせ」というキャンペーンを張るなら、

車がなくても生きていけるように策をほどこすのが先です。

 

免許を返したらバスやタクシーはタダみたいに安い、とか、

バスの本数を増やしたり路線を充実させるとか。

その財源は、マイカーに課税するとか、

自動車偏重の社会をつくった政府のおかげで潤っている

自動車メーカーにもっと課税したりしてひねり出せばよい。

 

私が自動車メーカーの経営者なら、自社の製品で人が死んでいるなんて

耐えられないことで、高齢者に免許返納してもらって

事故が減るんなら、そのためにカネを出すのは当たり前だと考えると

思うんですけど、高齢者が免許返納したら車の売り上げは減るわけだから、

そんなこと考えないでしょうね。

認知症ドライバーはたしかに問題

いろいろ言いましたが、たしかに認知症のドライバーが

増えてきているであろうことは問題だし、

認知症があらわれてきているんなら免許を取り上げることもやむを得ないとは思います。

私の父も元気なころ免許の更新で、認知機能の検査をいろいろやらされたと

ブーブー言っていました。ドライバーは不満でしょうが、

ここは強化する方向でやるべきでしょう。

しかし、返納させたあとのフォローはきちんとやってほしい。

地域によっては、ほんとうに生存が脅かされる事態になる人もたくさんいます。

 

とにかく、あまりにも大雑把すぎる「高齢者の運転は危ない」という

差別・偏見を助長する偏向報道をやめてほしい、と切に願っています。

 

11月19日 関連記事を書きました高齢ドライバーの交通事故報道の偏向に惑わされないで!

こちらもどうぞ→続・高齢ドライバーの交通事故について思うこと

「アクセルとブレーキの踏み間違い事故」について思うこと

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それではまた。

 

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