本ページのリンクには広告が含まれています 認知症の進行をふりかえってみる

認知症の母:座位が保てなくなる

現在、特別養護老人ホームにいる母のところへは週に1回、面会に行っています。

コロナ以前は週に2、3回程度行っていましたが、いまはこういう状況であり、週に1回くらいならいいですよ、というふうになっているので、行きたくても行けないのです。

その週に1回というのも、私の地域ではいまのところコロナ感染者が出てない(わずかに出たこともあるがほとんどが感染経路が判明している)から施設も許可してくれてるわけです。

それ以外にも制約はいっぱいあって、「15分程度で」「指定の場所でアクリル板越しに」「一度に面会できるのは2人まで」「コロナ患者が多く出ている都道府県(今は東京や神奈川など)在住の方はダメ」など。もちろん体調が悪い人はダメ、体温を計り手洗いとうがいを徹底して・・ということになっています。

さきほど「もっと頻繁に行きたくても週に1回と制限され、行きたくても行けない」と言いましたが、行ったところでアクリル板越しにしか会えないし、そのうえ私の母はもう話すことができない。私が一方的に話しかけて、母がこっちを見てくれたらそれでまあいいや・・・という感じになっています。なので実のところそんなに切実に面会に行きたいとも思ってないんですよね。しかし元気でいるかどうかは確認したい。

今回は「この時期母はこんな感じだった」という私の忘備録的な記事です。とくにお役に立つような内容はありませんが、認知症のご家族をお持ちの方におかれましては、認知症の末期にはこうなる・・というひとつの例としてとらえていただければいいかもしれません。

車椅子の上で姿勢を保てない

以前からそういう傾向があったのですが、車椅子に座っているとき、体をまっすぐに保つことができないんです。左側にどんどん傾いちゃう。傾いちゃうというか、その傾いた姿勢がもう固定化されちゃった感じに。

これは脳の問題なのか神経の問題なのか体の問題なのかわかりませんが、最近はもうそのままひっくり返って車椅子から落ちるんじゃないか、というくらいに。

先日電話がかかってきて、「転倒の危険もあるので、車椅子をリクライニング・ティルト機能つきのものにしたのですがどうでしょうか」と訊かれました。

 

恥ずかしながら私はリクライニングとかティルトとか言われてもそれについて全然知らなかったので、「今度行ったときに詳しいお話を聞かせてください」ということに。というのは、どんな車椅子なのか知らないので、ひょっとして身体への拘束がキツくて本人が苦しそうになったりしないのかな、とか心配したから。

それに、特殊な車椅子ということで、リースで新たに借りることになるので(現在のふつうの車椅子は施設が用意してくれたもの)、そうすると私の負担で費用が発生する。在宅介護でないと介護用品のリースに介護保険は使えないので、どうやら月に7,000円とか8,000円なんていう金額になるらしい。

すると、おいそれと「ハイわかりました」と返事するわけにもいかず、「今度行ったときに詳しいお話を聞かせていただきたい」ということにしました。

 

次の面会に行くと、母がその車椅子に乗っていました。とりあえず施設にその車椅子が1個あったそうで、それを試用させてくれるとのこと。

それが、「リクライニング・ティルト機構」の車椅子でした。「リクライニング」は背もたれの角度の調整機能、「ティルト」は座面と背の角度はそのままに車椅子全体を後方に傾けることができる機能。

リクライニング式は座っていれば自力で食事摂取など日常の生活動作ができるものの、病気などの何かしらの理由によって適宜横になる必要がある方が対象となり、ティルト式は、自力で体制を整えることが不可能だったり身体の拘縮が強い方が対象となります。

(引用元→安心介護 介護の基礎知識 リクライニング車椅子(リクライニング式・ティルト式)とは?

だそうなのです。

最初は、なんでティルト機構によって姿勢の保持ができるようになるのかちょっとわからなかったのですが、つまり重みが背中や腰の後方に分散するため姿勢の保持がしやすくなる、ということらしい。

とりあえず見た目上は本人が窮屈な思いをするようなことはなさそうで、多少重たいけれども職員さんの手間が増えるということもないらしい。するとデメリットは「お金がかかる」ということだけになるわけか?

いまは施設にあったものをお借りしていますが、専門家に本人に合ったものを用意してもらってそれをリースで・・というのが本来の流れだそうなので、近いうちにリースを利用することになりそうです。出費は増えるけれどもそれはもう仕方がない。

この冬が越えられるか心配

姿勢が固定化され、座位が保てないのと同時に、手足の可動域もだいぶ少なくなってきて(こういうのを「拘縮」というらしい)、見ていると、ついに母もここまで来てしまったか・・という悲しい気持ちにいつもなってきます。

このブログを始めたころには歩き回りすぎて危険、なんとかしておとなしく座っていてもらいたい、とか考えていたのに。そのころは勝手に動き回る母に対しイライラしていましたが、いつか今みたいに動けなくなる・・とわかっていれば、勝手に動き回れる元気と身体機能がありゃあそれは幸せなことじゃないか、イライラどころか喜ぶべきことだ・・と考えることができたのに。

これから寒くなり乾燥もしてくるので、いつかのように原因不明の発熱などが起こらないかちょっと心配。コロナが終わるまでなんとか元気でいてもらい、以前のようにふつうに接することができるようになってほしいと思っています。

-認知症の進行をふりかえってみる
-, , , , ,