本ページのリンクには広告が含まれています 認知症の進行をふりかえってみる

認知症は医者に診せるまでが大変

前回の記事で、母はひょっとして・・と感じ始めたころの

ことを書きました。

このときちょうど70歳くらい。

この時点では、私も父も「大丈夫かな?いやまさかお母さんが・・・

この年ならこれくらいの物忘れはふつうにあるだろ?」

と思っていました、というか、そう考えるようにしていました。

医者に診せることに決める

どうしても認めたくなかった。それは母本人もおなじだったようです。

だんだん、ついさっきやったことを忘れるようになる母。

その姿をみて、私も父も不安が募り、このまま不安な気持ちで

いるよりは、専門医にみせてはっきりさせたほうが良い、

という話になりました。

医者に行くことを強硬に拒否する

そういうわけで、母に「最近物忘れが激しいからさ、

ちょっとお医者さんにみてもらおうよ」と、

医者に行くことを勧めました。

今考えるとこんな言い方をしたら行くわけがない

(なにしろ本人は「私はおかしくない」と思ってるんですから)

のですが、そのときはそんなことはわからなかったのです。

とにかく「そんな心配はない」「ちょっと度忘れしただけなのにしつこい」

「お父さんだって度忘れするじゃないか!」

と、絶対に診断を受けない、と言い張る日々がしばらく続きました。

思考能力はふつうにあるので逆にやっかい

こういうときは「健康診断」とかいって病院へ連れて行き、

「脳の検査もセットになってるから」といって診察を

受けさせるとよい、とかいう話をどこかでみて、

その手でやってみようとしたこともありましたが、

とにかく察しがいい。物忘れはあるものの、考える能力は

普通にあったので、「健康診断など必要ない!」

「そんなウソをついてまで私をぼけ扱いしたいのか」

となり、やっぱりなんとか説得するしかないなと。

なにしろその年まで病気らしい病気は一切したことがなく、

出産のとき以外は病院のベッドに寝たことがないんじゃないか、

というくらい健康な人だったので。

第三者の力を借りる

それでも、かかりつけ医がいて、高血圧の薬だけもらっていたので、

このかかりつけ医に説得を手伝ってもらおうということに。

この先生がどんな言葉を使ったのかは私はきいてない

(父が付き添った)のですが、いつも父が世話になっている先生に

いろいろ教えてもらって、少しは気持ちが変わったようでした。

それから、遠方に住んでいて普段は会うことのない息子

(私の兄)に説得をさせました。

遠くからわざわざ来た息子に診断をすすめられ、

ようやく母も決意を固めたのでした。

母の気持ち、プライドを傷つけないようにという配慮が欠けていた

これは認知症が軽度だったころだけでなく、

最近までずっとそうだったんですが、

本人のプライドを傷つけるようなことを

たくさん言っていました。

いまはものすごく反省しています・・・

「ボケちまったらたいへんだから医者行こうよ!」とか言ったり、

「何べん同じこと言うんだよ!」とか、

「そんなこともわからなくなっちゃったの?」とか。

失敗をなじったりとか。

診断を受けに行く時も、

本人のプライドを傷つけないようにする配慮がなく、

「認知症になったらおれたちがたいへんなんだよ。

だから医者に行け」という気持ちで、医者に行けと

言っていたのです。

本人が一番不安で心配なはずなのに、

その気持ちを考えることがなかった。

それを考えるといたたまれない気持ちになります。

それはともかく、第三者の力を借りて、

なんとか診断を受ける決心をしてくれました。

地元の脳神経外科医院では詳細な検査はできないらしいので、

30キロほど離れた大学の附属病院の精神科にいくことに。

続きはまたの記事にて。

認知症の母を初めて医者に診せたころの話

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