本ページのリンクには広告が含まれています 認知症・介護 認知症の進行をふりかえってみる

ゴルフの渋野日向子さんに学ぶ

女子ゴルフAIG全英女子オープンで、ついこないだプロになったばっかりの20歳、渋野日向子さんが

優勝し、たいへんな騒ぎになっていますね。

 

私はゴルフについてはまったく知らないので細かいことはわかりませんが、

たしかに試合中にお菓子モグモグしてたり笑顔でファンとハイタッチしてたり、

いままでにこんな人みたことない・・・という感じで、

その実力もキャラクターも型破りなのは間違いないらしい。

 

私の娘くらい(いないけど)の年齢の人ですが、

人生で成功するため、もしくは幸せになるために大事なことはなにか、

を彼女は示してくれているように思います。

「笑う門には福きたる」は本当

報道によると、彼女がいつも笑顔でいるのは、

もともとは感情を出さないために意識的にやっていたことらしい。

感情を表に出すと結果が出ないことを悟り、

「笑っていればなんとかなる」と考え方を転換した結果、こうなったという。

それを続けているうちに、ピンチになっても作り笑いでなくいつも笑顔でいられる鉄のメンタルを手に入れた・・・ということでしょうか。

 

これは言うのはカンタンだけれども誰でもできることではないですね。

アスリートが試合中に笑ってると「まじめにやれ」みたいに感じちゃうのが日本人の感性だと思うので、

その意味でも渋野さんは型破りなんでしょうね。

しかし実は勝つためには感情をコントロールし笑顔でプレイすることが有効・・・となれば、

勝つことに固執する人が多い日本人は

考え方を転換しなくてはならないのかも。

テニスなんかだとちょっと失敗するとすぐに不貞腐れる人が世界トップクラスでもいますが、

そんなときに「そんなんだから勝てないんだよ。笑顔でやれ笑顔で。」

といわれるような時代が来るかもしれない。

 

いずれにしろ、感情をコントロールし笑顔でいることは、

健康にも人生にもプラスの作用が大きいであろうことは間違いないでしょうね。

 

学生時代を思い返してみても、

クラスでいちばんモテる女の子は「いちばん美しい子」ではなく、

べつに美形でもないけどいつも笑顔の子・・ということが多かったと思います。

男性の場合でも、いつも笑顔でいられるということはそれだけ精神的な余裕があるということであり、

その余裕が人生の成功につながることが多いんではないかと想像できる。

 

笑っていると周囲の人にもいい影響を与え、気持ちの良い環境で生きることができ、

その結果健康でいられる、ということもあるかもしれない。

「笑う門には福来たる」は本当であり、渋野さんはそれを全世界に示してくれた、と言えるのかも。

認知症の母の異常な行動を笑い飛ばそうとしたが・・

いまは特別養護老人ホームにいる認知症の母がまだ自宅で生活し、その激しい物忘れに私が振り回されていたころ、

実は私も「なにがあっても笑い飛ばす」ことで苦しさから逃れようと考えたことがあります。

 

母が同じことを何百回も(これは誇張ではない)私に言ってきたり、

野菜を冷凍庫に入れてダメにしちゃったり、

夜中に起きて「おかあさんのところへ帰らなきゃ!」と騒いで外に出て行こうとしたり、

三角コーナーの生ゴミをお皿に盛りつけて夕食に出そうとしたり、

その程度のことなら「しょうがねえなあ。」と笑い飛ばしてみたらどうか、と考えた。

 

上に書いたようなことは文字にするだけだと「そんな程度の間違いはどうってことねえだろ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、

たとえば「同じことを何度も訊く、言う」ということだけでも、

それが何百回も繰り返され、その何百回が毎日毎日続くわけです。

私もそうでしたが多くの介護者は自分の仕事や生活もあり介護だけをしていればいい立場ではないので、

するとそれが想像を絶するストレスになってくる。これは体験しないとわからない。

しかもそれが日に日にひどくなってきて、いつまで続くかまったく見当もつかない。

多くの介護殺人や心中や虐待というのは、その出口のみえない状況で希望を見いだせなくなったときに起こるんだろうと思います。

 

で、母がヘンなことをやったら「何やってんの!」「それはダメって言ったでしょ」とか言うのではなくて、

言ったってどうせ覚えられないんだから

「またやったの?しょうがねえなあ」と笑い飛ばせばいいんじゃないかと考えた。

 

これは非常に精神力が必要な作業です。

しかしやってみると、これは介護のつらさを軽減する効果は確実にありました。

怒りっぽかった母も私が怒鳴ったりしなくなるとあまり怒らなくなったのを実感した憶えもあります。

 

これを続けられていればよかったんですけどね、

そうこうしているうちに父が倒れて歩けなくなり、母と父をダブルで介護しなくてはならない状況になって、

私のメンタルは限界に来てしまいました。

その状況ではもう、何事も笑い飛ばす、ということができなくなりました。

私はそこまでメンタルが強くできていなかった。

ひとりではもう絶対にムリなんだからいさぎよくあきらめて行政なり親類なりに助けをもとめるべきだったのです。笑えないくらい追いつめられる前に。

 

父が歩けなくなってからは母の周辺症状はものすごい勢いで悪化し、

私はストレスで体調がいつも悪く、いつもなにかにイライラするようになりました。

血圧もめちゃくちゃ上がって、このままではオレが先に死ぬかも・・・

と思ってギブアップしたのですが

介護ストレスで血圧爆上がり!・・介護者の健康について。

その時点でも「歩けなくなったけど、命があって儲けもんだよね」

と父や母に笑顔を向けることができていたら、

そこから亡くなるまでのあいだの父の余生も母の生活も

もう少し幸せなものになったんじゃないか・・と激しく後悔します。

 

と、「笑顔でいること」「感情をコントロールすること」は

介護生活においても非常に重要なことだったのに、それを貫くことができなかった・・・

のを思い出して辛い気分になりました。

私の母の入所する特養でもいつもものすごい笑顔で仕事している職員さんが数人いらっしゃって、

その人が世話をしてくれているときは母も機嫌がいいことが多い。

スポーツ界の常識が変わるかも

・・・といったことを、

渋野さんの笑顔をみながら考えました。

渋野さんの出現によって、これからは高校野球でもニコニコしてプレイするチームが増えたりするのかな。

まあスポーツって言うのは本来はそういうものですよね。楽しんでやるもの、自己実現のためにやるものであって、

カネや名誉や国家のために歯を食いしばってやるほうが間違っているのかもしれない。

オリンピックを前に、国民はそのへんを突き詰めて考えてみることが必要じゃないでしょうか。

来年のいまごろは「メダルメダルメダル」と一つ覚えのようにメダルの色と個数のことばかりが言われるんだろうな、と思うといまからウンザリ。

 

ともかく、ゴルフにはまったく興味はないけれど、

ひょっとしてスポーツ界の常識を変えちゃうかもしれない渋野さんの今後には

注目しようと思っています。

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