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老人の骨折の恐ろしさ

先日、NHK大河ドラマ「真田丸」を、たまたま見ました(いつも見てない)。

小日向文世の演ずる太閤秀吉が、

そろそろヤバいかも、というところで、

おもらししたところなどを他の武将に悟られまいとして、

石田治部や真田信繁が一生懸命隠したり誤魔化したりする。

秀吉は認知症、もしくは一時的なせん妄状態で、

信繁がだれだか忘れちゃったりするんですけど、

このあたりの小日向の演技はさすがにお見事と思いました。

 

で、ものすごく気になったシーンがあったのです。

秀吉が「醍醐の花見」で、ふざけて桜の木にのぼって、

「花咲爺」をやろうとします。

石田治部と信繁が止めるんですけど、秀吉は言うことをきかない。

しかたなくハシゴを下で支えながら見守るんですけど、

秀吉はやっぱり木から落ちてしまう。

で、このあと秀吉は寝たきりになっちゃうのです。

なにがなんでも止めるべきだった

あの場面では、石田治部と信繁は秀吉をなにがなんでも止めるべきだった。

その前から認知症っぽい症状が出ているという状況で、

木に登るという無謀な行為を甘んじてみているだけというのは、

実は事故で死ぬことを期待してるのかとも思いますね。

 

老人が怪我をすることがいかに恐ろしいことか。

実は私も、父を亡くすまではまったくわかっていませんでした。

私の父も、亡くなる2年ほど前までは、庭木に登って剪定したり、

ハシゴで屋根に上って雨漏りを直したり、なんでも自分でやっていました。

いろんな病気は持っていたので、健康ではなかったけど元気ではある、という感じでした。

しかし、それも骨折を機に一変します。

木から落ちて肋骨を折る

最初は、庭木の手入れをしていて、ハシゴから落ち、胸を打って肋骨を骨折。

これは命には別状なかったんですが、このあとは死ぬまで

「胸水」がたまりまくり、苦しむことになりました。

転んで大腿骨警部骨折 これが命取りに

この肋骨骨折がだいぶ良くなって、(その後は杖が必須になってしまいましたが)

また歩いていたんですが、今度は病院で尻餅をついて大腿骨頸部骨折。

大腿骨頸部骨折とは、大腿骨の先端、ボールみたいな形をしている「骨頭」のすぐ下、

股関節の内側のあたりで折れる骨折。

ここをやってしまうと自然にはくっつかないそうで、

手術で折れた部分を取り換えるしかないとのことでした。

 

しかしここで問題があって、父は心臓にも病があり、

この手術をやるには危険だというのです。

 

で、とりあえず心臓をなんとかしてから、手術なりリハビリするなどして

治療しましょう、ということになりましたが、

その心臓をなんとかするのにも、

「骨折の影響で体が弱ってるから手術できない」

ということに。

 

いやいやいや、じゃあどうすればいいんだよ、と途方にくれたんですけど、

結局、どちらも手術せず、心臓に影響しないレベルで、リハビリで歩けるように

しましょう、ということになったんですが、

ついに歩けるようにはならず、

活動量が圧倒的に減ったので頭の回転も悪くなり、

全体的にどんどん弱ってきて、食事が呑み込めなくなり、

誤嚥性肺炎で亡くなりました。

大腿骨の骨折から8か月くらいでした。

若ければ普通に治せるものが、老人はそうはいかない

このように、老人の場合は、体力の問題とか、ほかに持病があったりとかで、

骨折しました、ハイハイ手術しましょう、というわけにはいかない。

しかも、仮に手術できたり、くっついて治ったとしても、

動けない間が長かったり、、動きが減ることにより、認知症が発症する

リスクが、侮れないレベルで発生します。

私の父も、それまでは認知症の傾向はほとんどなかったんですが、

入院中はせん妄がすごかったし、動けなくなってからは

認知症の症状が現れてきました。

骨折さえしてなければ・・・

尻餅をついて骨折をしていなければ、

心臓の治療をして、いまごろはまだ元気に生きていたかもしれません。

こういうことがあったので、「真田丸」で、秀吉が木に登るのを

無理やりにでも阻止しなかったのは、

石田治部と信繁はもう切腹ものだと思ったのです。

父が骨折して突然寝たきりになったときの困惑は、

もうたとえようがないほどでした。

私は独身なので、赤ちゃんのおむつ替えもしたことがないのに、

突然父のおむつ替えをやらなければならなくなり、

しかも母は認知症で事態の重大さを理解できないときている。

 

とりあえず今回は、以前の私のように、老人の骨折がいかに恐ろしい結果を招くか、

わかってない、想像できない方もいるだろうと思って書きました。

お年寄りの活動を制限するのは心苦しいですが、

なにがあろうとも、骨折されるよりは100倍マシです。

 

父がいきなり寝たきりになったときのことは、また別の記事で

書きたい(ほんとうは思い出したくないけど)と思います。

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