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「オンライン面会」を初体験

私の母は特別養護老人ホームに入居しており、要介護度は「5」。

コロナにより現在は面会は全面的に中止されています。「第3波」が来る前は、地域の感染者が少ない状況だったので地域住民にかぎり、面会が可能となっていましたがいまはそれもムリ。

なのでもう3か月近く面会ができずにいます。母が施設に(最初は老人保健施設)入ってからもう5年以上になりますがこれほど長期間のあいだカオを見なかったのは初めて。

ちょくちょく特養には電話をさせてもらって様子をきき、そのたびに「とくにお変わりありません」という返事をもらっていたものの、やはり心配にはなってくる。

現在は「これ以上悪くなりようがない」くらいに認知機能が低下しているのでその意味ではそうでもないですが、坂道を転げるように認知機能がどんどん低下していった時期は、3日空いただけなのに「こないだできていたことがもうできなくなっている」ということがしょっちゅうあったので、「久しぶりにみたら見違えるようにヒドくなっていた」なんてことになったら嫌だなあ、という心配をしてしまうのです。子どもだったら大きくなったのを見るのが楽しみですけどね、認知症の老人はそうはいかない。

「オンライン面会」を勧められていたが・・・

そういうわけなので特養の職員さんにも「面会したいけどまだダメですよねえ~」と何度か話をしていたのです。

そのたびに言われたのが「オンライン面会なら可能です」という言葉。

コロナ禍において業績を急激に伸ばしている米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズが提供するビデオ会議サービス「Zoom」をつかってのオンライン面会ならば、20分程度顔をあわせることが可能とのこと。

2020年8~10月期のズームの売上高は7億7719万ドルだったそうですが、純利益はなんと1億9844万ドルだって。すごい利益率だな。あまりに儲けすぎでは・・・と感じるけど、IT企業としてはそれほど高くもないのか。それに、いまの世の中で最も求められるサービスを提供し、そのトップにいるわけだからボッタクリ経営であっても許されるわけか。

それはともかく、リモートでの在宅ワークをしているビジネスマンならいざ知らず、私のようなニート同然の、友達もいない人間がそんなものをやったことがあるはずもない。

齢五十ともなるとあたらしいことを覚えるのが億劫になってくる。しかし、そうやってあたらしいことをやるのを避けていると、アタマはどんどん固くなって遠くない将来には私も自民党の重鎮のおじいちゃんたちみたいな因循固陋な老人になっちゃうんだろうな・・・と思うとそれも嫌なので、ここはこの際Zoomを覚えてみよう。

Zoom公式サイトからアプリを入手。そのへんの細かいことは私ごときが解説しても意味ないので割愛しますが、けっこうカンタン。自分のパソコンのカメラやマイクがフツーに使えるの知らなかった。

特養に連絡し、オンライン面会の予約をします。面会用URLと「ミーティングID」とパスコードを送ってもらい、面会時間5分前くらいから接続します、とのこと。URLさえあれば参加者側はアプリをインストールしなくてもいいのね。

与えられる時間は20分ほどとのこと。短い、と感じるご家族もいるでしょうが、これは仕方がないですね。認知症のある入居者にパソコンを与えて「はい、面会の時間ですよ~。ご自由にどうぞ!」というわけにもいかないだろうから、職員さんが立ち会わなきゃならない。

それと、私の母はカメラに向かって話すなどということはできず、結局「面会」というカタチにはならない。こちらが一方的に話しかけ、ただ「どんな様子かを見る」というだけ。

これがこれまでオンライン面会に二の足を踏んでいた理由です。面と向かってもコミュニケーションが成立しないんだから、オンラインで面会したってただ単にこっちが写真を眺めているだけみたいなことにしかならない。そんな程度のことのために職員さんに手間をかけさせるのもなあ・・と。

しかし、母ももう認知機能と身体機能は落ちるところまで落ちて先がどれだけあるかわからないわけで、オンラインじゃあ意味ねえなんて言ってるともう二度と顔を見られずに終わる可能性もあるので、とりあえずオンライン面会をお願いすることにしたのです。

やってみたら・・・そんなに悪くなかった

約束の時間に面会用URLに行くと、いつもと変わらない母の姿が映りました。カメラを認識できないのでまったく目は合わないし、もちろん会話も成立しない。

こちらから一方的に話しかけるだけ。あとは傍にいる職員さんに、今はどんな様子か、食事はとれてるのか、便秘とかしてないか、以前のような原因不明の発熱はその後ないか・・・などをきいたりしただけ。

で、初めて体験したZoomの使い心地はどうかというと、音がたまに途切れたりとか、画像と音のタイムラグなどあったり、ちょっと慣れが必要だなと感じたところもありましたが、思いのほか便利で感心。何十人とかでも参加できるとか、録画できるとかいうのは知らなかった。

それに、私の母はムリだけれど、ちゃんと話のできる人であれば、わずかな時間の面会をして少し話をして帰ってくるだけならわざわざ遠くから行くこともない、っていうくらいコミュニケーションは普通にできますね。

これなら、親戚一同に連絡して「いついつにオンライン面会やるから参加して」と言ってその時間に集めれば、親族一同で母を囲んで話ができるわけか。次回は人を集めて大勢でやってみよう。孫の顔でも見ればひょっとして少しは反応してくれたりしないものか。

 

オンライン面会、そんなに悪くない、っていうかこれはけっこうイイですね。Zoomが業績を急激に伸ばしている・・・っていうのも納得。ビジネスで使うのであっても、打ち合わせや会議などならわざわざ出社する必要ない、っていうのも実感。政治家は「会食も仕事」とか寝言ぬかしてないでこれどんどん使ってオンライン会食で済ませろ。政治家の活動なんかこれで十分でしょ。考えてることは選挙に勝つということだけで、それ以外はどうせたいしたことしてねえんだし。

それはともかく、良くも悪くも変わりなく、遠い目でどこかをボケっと見つめているだけの母の姿がそこにあり、とりあえず元気そう・・・ということで安心した次第。やってよかった。

でもやっぱり、はやいところ触れ合ってコミュニケーションしたいものです。話しかけても無反応の母であっても、手や体に触れられればさすがに反応してくれるので。それができるようになるには、あと何年くらいかかるのかな。政権がもっと有能だったら少しは早く実現できるのかなあ。するとやっぱり、次の選挙ではなんとしても自民党に負けてもらわないと・・・!

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