私のなじみのホール。広告規制の緩和にともない、「推し」台というフダをさしてみたり、総付け景品を配ってみたり、「最高出玉」数をランキング表示してみたり、いろいろなことをやっています。このへんは地域によって「そんなことは前からやってる」とか、もっとすごいことやってるとか、差があるんでしょうが、きくところでは私の地域はそのへんが厳しかったという話で、最近になっていろいろやり始めたという印象です。
昨年つぶれた我が家にいちばん近かったホールでは、決まった時間に小っちゃいアメ玉みたいなのを「良かったらどうぞ」と言って配って、「いつもありがとうございます」とか「○○日(もちろん公言はしてない特定日)は頑張りますからぜひご来店ください」とかいうアピールを口頭でしていましたが、それも近隣のライバルのホールに警察だか組合だかに「告げ口」されてやめざるを得なくなった、とかいう話をしていました。私が「たまにはちょっと違ったフダさしたりすればいいじゃない。設定示唆がいけないっていうんならそうじゃないフダならいいんでしょ? 「キン肉マン」にある日突然テリーマンとかウォーズマンとかのフダがささってたら『これはなんだろう?ひょっとして?』とか思ってみんなとりあえず打つでしょ」とか言うと、「いやそれで出ちゃったりしたらチクられるし、出なければお客様からの評判を落とします」という返答をされ、いまのパチ屋の経営は難しいんだな、と。それにしても同業の店のやってることを警察や組合にチクるなんて、同業同士で足引っ張りあってバカみたいだなあ、とあきれましたね。どこでもそうなんだろうか。
まあ昭和・平成時代のパチ屋のようになんでもかんでも自由にやっていいというわけではないのは理解するけれど、「もっといろいろ考えて面白いことやればいいのになあ~」と思うようなホールもあるのも事実で、そういうホールから先につぶれる、という印象をもっています。
広告規制以前のホールは自由で、行くのが楽しかったが・・・
2011年の広告規制以前のパチ屋はあさイチから高設定札を差したり、前もって「○○に設定6入れます」とか、そういった「射幸性を煽る」宣伝がやり放題で、我々プレイヤーはもちろん楽しかったし、お店側もいろいろ考えて営業ができて面白かったんじゃないか、と思いますね。
私が体験して面白くて楽しみでよく参加したホールイベントを回想してみますと、
・夜7時くらいに対象機種をいきなり発表、対象機種に座ってた人を対象に、お客が設定ボタンを自由に押して設定変更することができる(もちろん設定表示は隠して、さきに店員さんがランダムにボタンを押してから)。設定1以外なら勝負になる「アステカ」や「大花火」、リセット自体が美味しい「獣王」などは時間前に埋まっていた。なにしろ1/6で設定6、ていうか1/2で設定456が打てるんですからね、そりゃあみんな期待するでしょう。しかも等価交換店でした。
・お客にスタンプカードを配布、ビッグボーナスを引いたらスタンプを押してくれて、1か月間で規定数貯まったら指定台の設定6を打てる。たしか400個くらいで「コングダム」とか「ジャックポット」とかのノーマル機で、700個とか800個貯めれば「獣王」「アステカ」など圧倒的出玉性能の台が打てる、というものでした。当時サラリーマンだった私は「1か月でそんなに貯められるヒマ人がいるか!」と思ってましたが、それがいるんだから世の中は広い。
・サイコロを振って「6」が出たら時間限定で設定6が打てる。2時間とかでしたからあんまりアツくありませんでした。私が「デルソル2」を打ってクソも引けず負けた一方で、ほかの人が「バトルナイト」かなにかを打って1,500枚くらい出してた記憶が。過疎店が予告なしでいきなりやっていたから参加する人は少なかった。
・メダル50枚ピッタリを片手で正確に掴めたら高設定をプレゼント。これは長らく通っていた新宿の「グリンピース タワー店」でやってました。練習すればできるようになるんじゃないかと思って、出玉があるときは常に練習しながら打っていました。そのおかげか常に前後3枚くらいでつかめるくらいにはなりましたがさすがにピッタリは難しい。店員さんの前でやる本番では一度も成功せず。
・来店ポイントに応じての抽選に当選で高設定プレゼント。これもグリンピース。10回来店で設定4、20回で設定5、設定6は何回だったか忘れましたが、私はこれで1回だけ設定5が当選して、4号機「MSガンダム」を打ち、5,000枚くらい持って帰りました。
・期間中(3日間)に全機種に設定6を投入。これもグリンピース。投入台は夜に必ずフダで発表していたので、最終日の、とくに台数の少ない台は超激アツ。私はこれで隣が6だったってのを体験。
・サッカー日本代表が得点した点数のぶんだけ翌日の○○に設定6投入。これもグリンピース。サッカーなど1ミリも興味のない私でもこのときばかりはテレビ見て「ゴールしろ!10点くらいとれ!」と応援しました。まあ10点とったとしてもそのぶん入場抽選が厳しくなるからそうそううまくいかないんですけどね。
・イベントではありませんでしたが、夜になってメールが来て「じつはドコソコに設定6の台番をそのものズバリ書いておいたんですが、誰も気が付いてくれませんでした」ってのをやってたホールがありました。それが「トイレのタオルペーパーの中の1枚」とかで、そんなの気づくわけないだろ!っていうのばっかり。面白いといえば面白いけど、そんなことやると次からあらゆるところをめちゃめちゃにひっくり返して探す奴とか出てきそうで、これはやめたほうがいいのでは、っていう企画でしたね。
・あさイチからいちばん早くビッグボーナス〇回引いた人の台を設定6に打ち換え。これはけっこういろんな店がやってましたね。オオハナビかなにかで、「BIG7回、REG7回になったら設定6」ってのも体験しました。もちろん達成できたことはありませんでした。
こういうのは面白かったけれど、勝ちたくて打つのならやっぱり「50%設定456」とか、「アステカ設定1なし」とか、出玉率の低い台の全台6とかが、難易度が低くて良かったですねえ。
そうそう、通っていたグリンピースでは、初期5号機の大傑作、初代「新世紀エヴァンゲリオン」で全台に「ラミエル(第5使途。つまり設定5)」とか「ガギエル(第6使途)」とかいうフダをさしたり、パネルがシンジとアスカとレイがあったので、各パネルに設定6投入、とかやってました。各パネルに6とかいうときは、隣の台のベルも数えてまで(設定6はベル確率が別格)設定看破しようと頑張ったりしました。じっさい「あっちのほうがベルが多かった」と移動したらそれが6だった、というのもありました。よくそんな面倒くさいことをしてたなあ、と我ながら感心しますが、若かったというのもあるし、なによりも大好きな台でしたから。
↑思い出したら懐かしくて打ちたくなりました!初代「新世紀エヴァンゲリオン」。いつか記事にしたいしたいと思ってなかなかできない。写真はビックリしてひっくり返っちゃう、小役ナビ矛盾の一確! これでナビがチェリーだったとしても、右リールでチェリーハズレになったりするから、ほんとこの台は完璧に面白かった。これを打ち込んでいたのももう十数年前か。もうすぐバーコードになりそうな私の頭頂部も、このときはまだ真っ黒でした。
そういったイベントがあっちこっちの店でたくさんやっていたからパチ屋へ行くのが楽しかったし、だからこそ90年代~00年代前半のパチンコ・パチスロは空前のブームをむかえることができたんでしょう。
しかし上記のようなイベントは現在では絶対にできないのはご承知のとおり。昔を懐かしんでいても始まらない。いま現在、いろいろな縛りのなかで頭をひねっている(ようには見えないお店もあるが)ホールがおこなっているイベントについて、思うことを書いてみましょう。
なじみのホールが初めて(?)「演者来店イベント」を実施
なんでそんなこと書こうと思ったかというと、私のなじみのホールが、おそらく初めて「演者」を呼んでイベントを実施したから。
二十数年前、まだサラリーマンだったときに私が通っていた某所のホールでは芸能人の来店イベントをたまにやっていて、三井ゆりさん(レースクイーンとかキャンギャルとかやってた人。野口五郎の奥さん)だったかが打った台を開放する抽選に当たったことがあります。そんなにものすごく回るようにはなってなかったと記憶。いつもよりは客が多かったようでしたが、客寄せの効果としてはイマイチだったんじゃないの、という感じでしたね。
それ以来「来店イベント」なるものには遭遇したことがなかった。カワイイ女の子がセクシーな衣装とかで来るのかと思ってたら、告知ポスターに写っていたのは見たことない、失礼ながらイケメンでもないフツーのオジサン(オニイサン、かな? どっちにしろこういう言い方は今はしてはいけないらしい。自民党のポスターを「オジサンの詰め合わせ」とか言って怒られてた人がいましたね。自民党の場合はオジサンというより「詐欺師の詰め合わせ」が正しい)で、正直「これで集客の効果があるのだろうか・・・」と。
どうやらネットのぱちんこ動画とかぱちんこ番組とかに出ている人らしい。私としては高橋尚子とか和田アキ子とか中村玉緒とかダンプ松本とか、ある分野で功成り名を遂げたぱちんこ好きな著名人が来てなにかやってくれるというのなら期待しちゃうけれども、ぱちんこ打つだけのフツーの人が来たところで・・・というのが率直な感想。
まあ知らないのは私が動画とかを全く見ないからであって、ぱちんこ動画とかを見ている人にとっては有名で「その人を見たい!」と多くの人が考えるような人なのかな。そう思って、当日はなにが起こるのか注目することにしました。
当日昼頃に行ったら二人(?)の「演者」さんがパチンコ打ってるのが見えました。三脚をたてて撮影してて、そばに二人くらいスタッフ(?ファンかな?)が立ってましたが、三脚も含めそれがはっきり言ってだいぶ邪魔くさい。隣では一般客が打ってましたけど、私なら「ウザい」と思ってヤメるか店員さんに文句言うところ。どこかに隔離して打たせればいいのに。いつも店内アナウンスで「通路での立ち見観戦はほかのお客様のご迷惑となります」って言ってるくせに。その打ってる姿しか私は見ませんでしたが、ほかになにかやったのかな。まさかただ打って撮影しただけ?
で、肝心のお客さんの入りはというと、これが意外と(ある意味では予想通りでもあったけれど)いつもより多かった。しかしそれは、「演者」さんを見たい、というのではなく(「演者」さんを興味をもって見てたような人は皆無だったと感じた)、ただ単に「いつもやらない来店イベントなら出すかもしれない」という、出玉への期待感によって店に吸い寄せられた、というのが正しい理解っぽい。ある意味で予想通り、というのはその意味。
すると、「集客」という意味においては店にとっては「成功」だったということになるのか。「演者」さんはカネになって、店は客が増えて、WINWINということか。客にとっては・・・出玉が伴っていたなら客にとってもWINだったけど、残念ながらそうでもなかったように見えましたね。
そのへんを店がどうとらえたのかはわからないし「演者」さんを呼ぶのにどれくらいのカネがかかるのか知りませんが、ネット民のさらにそのまた一部分の人だけがカオを知っているような人を呼ぶだけならそんなに巨額がかかるとも思えないし、費用対効果は確実に得られたんじゃないかと見受けられました。
しかし、出玉が伴わなければ、「演者が来たところで設定入れねえ」というふうに客に認識され、その効果も回を重ねるごとになくなっていくでしょうね。
「AI演者来店」はなかなか面白いと思ったが・・・
私自身は「演者」来店イベントには否定的です。「演者」さん自体を否定するつもりはないけれど、パチ屋が呼んで打ってもらったところで、一般客からすれば「だからどうした」という話にしかならないし、それだけでは面白くもなんともない。なによりもねえ、邪魔なんですよ邪魔。それが一番イヤ。それに、来店によって出玉を期待させるにしても、「演者が来店するから出すかもしれない」とかいうフワっとしたものではなく、客がいろいろ予想することができたりといった面白みが欲しいところです。
それで面白いと思ったのは「AI演者来店」。わが地域ではやってるところ見たことないけれど、AIでつくりだした人物に名前をつけて、それが「来店」します、という告知をしているという。その名前が、特定機種を連想させる名前になっていて、それで「アツい機種」をお客にやんわりと知らせるというものらしい。
これはネットで見て笑っちゃったんですけど、いやいやいや面白いじゃないの。こういうのどんどんやればいいじゃない。リアルの「演者」さんにただ打たせるだけの来店イベントより、客としてはそっちのほうが絶対に面白いはず・・・
と思ってたら、東京都ではさっそくそれが「NG」とされたそうですね。
WEBグリーンべると 東京都遊協、生成AIによる来店告知をNGに
こんなものお上がなにか言ってくるまで放っておけばいいのに、なぜ組合がこんなこと言うのか理解に苦しむ。やはり同業者間で「あの店はこんなことやってる!ズルい!」とかいうのがあるんだろうか。
いろいろ考えて面白いことを矢継ぎ早にやってくれるホールは応援したい
そういえば私のなじみの某ホールでは、あたらしく入荷する一般景品の名前などでおススメ機種を匂わせたりしています。その効果は(出玉が伴ってないから)いまのところビミョー・・・に見えるんですが、AI来店にしろ景品にしろ、頭をひねって、面白いことをやろうと努力しているホールは応援したいと思ってます。
そういう努力が目に見えるホールはいまだに生き残っているし、そうでないホールは先につぶれる、と感じることが多い。必ずしもそうとは限らないというところが悲しいけれど、「面白い」店は生き残るし、「面白くない」店はつぶれる。「演者」さんも同じでしょうね。パチ屋も「演者」さんも大変だ。
「演者来店」を実施した私のなじみのホールは、今後も同じことを継続していくようです。私は「いらない」としか言いようがないですが、それが店の儲けにつながり、出玉がよくなるのであれば、まあそれもアリ、と思ってます。ぱちんこホールが頑張って、面白いことをやってくれることに期待してます!