大手ファミリーレストランや居酒屋など、
飲食業界では全面禁煙にふみきる企業が増えてきているらしいです。
オリンピックがどうこう、ではなく、
喫煙人口が減っているんだから
どんどん増えている吸わない人のほうを向いて商売していこうと考えるのは
経営としては当然な判断なわけで、
飲食業の業界団体は「全面禁煙は行き過ぎ」とか言ってますけど、
ここは団体が率先して全面禁煙を推し進めるべきじゃないのか。
で、ぱちんこ業界はどうなのかというと、
ごく一部で禁煙を実施するホールもあるものの、
業界全体としてはヤニくさいダーティなイメージから
脱却するにはまだまだ途方もない時間がかかるだろうな、という印象です。
飲食店では禁煙化で来客数が増加するらしいが・・・
私も15年ほど前まで飲食業界でサラリーマンをしていましたが、
当時はいまよりも分煙が進んでおらず、
禁煙席があっても仕切りはなく、数も禁煙席のほうが少ないケースが多かったですね。
喫煙人口が多く、混雑しているときは喫煙席が埋まって禁煙席が空いていることが多かったですが、
「禁煙席ならすぐ座れます!」とグループ客におすすめしても、
グループの中にいる喫煙者に気をつかって
「吸いたい人がいるから、喫煙席があくまで待ちます」と言われることが多かった。
どうしてこういうときに喫煙者は「俺がタバコをガマンするからはやく座ろうぜ」
と気をつかうことができないのだろうか・・・と思っていたものです。
この場面で喫煙者がガマンして禁煙席へ行く、
という展開をみることは、誇張でなく1割くらいしかなかったんじゃないか。
まあ、いまはだいぶ時代がかわってきていますが、
それから20年ちかくを経ても、このような場面で
「非喫煙者が喫煙者に気をつかう」ことは多くても
「喫煙者が非喫煙者に気をつかう」ことはいまだに少ないと感じます
(食事などをする席で、仲間内の喫煙者が「吸っていいか?」とことわることは稀にあっても、非喫煙者のほうが「吸わないでいてもらっていいか?」と要請することはほとんどないでしょう。いかに日本が喫煙者にやさしい社会であるかがよくわかります。それでも喫煙派の自称有識者たちは、吸う場所がちょっと限定されるだけで「禁煙ファシズム」とか騒いじゃう)。
喫煙者の「禁煙でない場所では、喫煙する権利がなによりも優先されるのが当たり前」
という意識がなくならないかぎり、
受動喫煙問題で個人のマナーに期待するのは無駄であり、
法で縛るのもいたしかたないことだと思います。
で、約20年前当時、私がつとめる飲食企業であるとき都内の一等地(オフィス街)に
出店することになり、その店を「全面禁煙」(ちいさな喫煙ルームはつけた)にするとぶちあげた。
当時の状況、そしてファミリー客は皆無のオフィス街への出店ということから考えて、
「マジ?そんなんで大丈夫なの?」というのが大方の反応でした。が・・・・
これが大繁盛だった。
当時は全面禁煙の店が少なかったから差別化に成功しただけ・・・
なのかもしれませんが、少なくとも禁煙だから客が来ない、ということはなかった。
クレームどころか称賛の声がたくさん寄せられた。
この店はいまだ完全禁煙で存続しています。
全面禁煙にふみきった大手ファミリーレストランも、
のきなみ来客数を伸ばしているという話をききます。
嫌煙者にしてみればヤニくさい中で食事をするのは
もはや便所で食事するのと同じようなものなので、
非喫煙者が多数を占めるようになった現在にあっては
禁煙化して快適、清潔になった飲食店の来客数が増えるのは
当たり前といえば当たり前な気もします。
たいして、ぱちんこホールはどうか。
煙たいホールには行きたくない、という人は、実は多い
私は飲食店もぱちんこ店も同じだ、と考えます。
ヤニくさい、煙たい、気分が悪くなる、
だからぱちんこ店に行かない、という人は
相当な数で存在する、と思います。
ぱちんこに行っているのがバレると奥さんに怒られる、
という友人(非喫煙者)がいるのですが、
たいてい衣服についたタバコ臭でぱちんこに行ったのがバレるらしく、
禁煙や分煙ホールじゃないと打ちに行けない、と言っていました。
ホールで知り合った、以前は喫煙者で1年ほど前に吸うのをやめたという若者は、
最近はタバコの煙がキツクて、
隣の人のタバコの煙がカオに直撃するようなホールには
行かなくなった、と言っていました。
私自身もそういうことは考えます。
まあ、私の場合はぱちんこで勝たなくては喰っていけないので、
やれタバコがどうのこうのなどと言っている余裕はないですが、
それでもたとえば出玉期待度が同じくらいのホールが2件あれば
確実に「タバコ臭くないほうのホール」にまずは足を運ぶし、
出玉期待度が同じくらいの台のうちどれかを選ばなくてはならない、
となったら確実に「隣に喫煙者がいないほうの台」を選びます。
それに、タバコの煙や液晶のビカビカが気にならなければ、
好きな台を1パチや5スロで遊びで打とうという気にもなるけれど、
いまはそういう状況はほぼありえない。
全面禁煙のホールが近所にあれば、
遊びで打ちに行こう、という気にもなるかもしれません。
などと言うと必ず、
「パチ屋は喫煙可の場所なんだからタバコが嫌なら来なきゃあいいじゃないか」
という人が出てくるんですけど、
さっきも言ったようにこういう
「喫煙可とされている場所では喫煙する権利はなによりも優先されるべき。そのためには非喫煙者がガマンするのが当たり前」
という思考が、喫煙を法でしばらなくてはならない原因になっていると思います。
行きたくないけれど仕方なくタバコの煙が充満する場所に行く、
という場合だってゴマンとあるわけです。友達や配偶者や同僚や上司に誘われたり、そこで働いていたり。
私のようにひとりぼっち、なんのしがらみもない人間ならば
「クセえところには行かない」と断れますが、
そうはいかない人だって多いでしょう。
それはともかく、たしか禁煙化すれば短期的には喫煙客から不興をかうだろうし、
喫煙客が喫煙できるホールを選んでしまい
客数の減少が起こるでしょう。これは確実。
しかし長期的にはおそらく客足は戻り、
少なくとも「禁煙にしたから客が減った」ということにはならないでしょう。
喫煙派のぱちんこファンが禁煙になったからってぱちんこをやめるか、
というのは大いに疑問です。
私はその影響は一時的、限定的だと思っていますが、
これについてはまた別の記事にしてみます。
禁煙に取り組んでいるぱちんこホールも増えてきてるらしい
しかし現状では、目先の売上を追いかけなくてはやっていけないような
中小ホールにとっては全面禁煙にふみきることは勇気がいることでしょう。
やはりここは全日遊連などの業界団体が
全面禁煙を推し進める姿勢を見せてほしい
(健全化を叫ぶのならまず第一にやるべきことだと思いますけどね)。
で、最近知りましたが
禁煙を実施しているホールをさがせるサイトがあるのですね
このサイトで「全席禁煙」のホールを検索すると(この記事を作成時点で)全国で76店舗がヒット。
「一部禁煙」で検索すると164店舗がみつかりました。
このサイトに登録してないホールもあるでしょうから実態はよくわかりませんが、
私としては「意外といっぱいあるんだな。でも、まだまだ少ない」という印象です。
この「全席禁煙」のホールの売上がどうなっているのか興味をそそられますね。
はたしてほかのホールに客をとられて閑古鳥なのか、
清潔で臭くない、と喜ぶお客さんでいっぱいになっているのか。
残念ながら私の活動する地域には一件もなし。
こういう取組みをするホールが評価され業績をのばしてくれればいいな、と思います。
ともあれ、ぱちんこ業界は生き残りのために「健全化」を目指すのであれば、
取り組むべきは依存症問題だけではないでしょう。
開店前の並びで、灰皿もないのにタバコをバカバカ吸って吸殻をポイポイ捨てるような客ばっかり、
店に入ればもうもうと煙が充満する中でボタンをバシバシブッたたく客ばっかり、
そんなダーティなイメージがあるからまともな人がぱちんこ店にこないわけであって、
ホール企業や従業員の社会的評価も上がっていかないのでは。
そういう意味では喫煙の問題は最も重要、かつ早急に取り組むべきことであると思います。
今後の展開に期待したいです。