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「ラッキートリガー」で客が戻ってくるという幻想

パチンコの総量規制の緩和によりラッシュ時の期待獲得出玉が(これまでの「6,400個まで」から緩和されて)「9,600個未満」まで許されるようになり、さっそく上位ラッシュ突入時の期待出玉がこれまでよりもアップした台が登場してきましたね。

いわゆる「ラッキートリガー」搭載機。私はまだ打ってませんが、きくところによれば一撃でコンプリート(いちばんへこんだところから95,000発出たら打ち止めとなる)発動まで行っちゃったなんていう事態があちこちで(?)起こっているようです。一撃性能が凄いのはまあ間違いない。

しかし注意すべきは、上位ラッシュの性能が上がっているとしても、激ショボで終わるほうの大当たりも含めたトータルでの出玉性能はいままでの台と同じであるということ。つまりスゴイ出玉性能の上位ラッシュを搭載したぶん、それに入らなかった場合はいままでよりもさらにヒドイことになる。そこを踏まえるなら、スゴいラッシュに入りさえすれば・・・などと思って無謀な勝負をすることは当然慎まなければなりません。

そのへんはここに来てくれている読者の方々の多くはおわかりになっているでしょうからここではこれ以上言いませんが、この「ラッキートリガー」、業界的には客をパチ屋に呼び戻す起爆剤となることを期待されているらしい。

 

う~ん・・・ぱちんこの客離れが深刻になって久しいけれど、それに対してぱちんこ業界がとるアクションは、いつもいつもなにか間違っているような気しかしない。

客が来ない!それは規制で出玉がショボくなったせいだ!もっとドカーンと出る台じゃないと! という実に安直な発想。前から何度も書いていることですが、「ドカーンと出る台」を打ちたいという依存症層は相変わらずパチ屋に来ているのです。来なくなったのはそういう台を好まない層。

現在のパチ屋にまだ来てくれている客の多くは連チャンのドキドキを感じた時に脳汁がにじみ出る気持ちよさに酔いたい依存症層の人。だから連チャンが凄い台は人気が出るしそうではない台は不人気になる。それで業界人は「もっと一撃性能をアップさせよう!」と考えて、いかにして規制の網をすりぬけて爆連を実現するかに血道をあげる。その結果が「ラッキートリガー」ということか。

しかし仮に「ラッキートリガー」がヒットしたとしても、それはいまパチ屋に来ている人たちがほかの機種を打つのをやめてラッキートリガー機へ移ったというだけの話になるでしょう。ぱちんこ人口が増えるということにはおそらくならない。

穏やかな波の台をまったりと楽しみたい客を呼び戻すことを考えたらどうか

パチ屋に来なくなったのはそういう依存症層ではなく、あまり金を使わずにたまにちょこっと楽しみたい、というライト層なのではないのか。

私の同年代の顔見知りの主婦などは、2000年代なかばころの「CR冬のソナタ」や「CR必殺仕事人Ⅲ」、私も死ぬほど打ち込んだ名機「CRベルサイユのばらGX」などが大好きで当時は毎日パチ屋に行っていたようでしたが、いつのまにかパチ屋へはめったに行かなくなり、行ったとしても海物語しか打たないという。

いまは子育ても終わり2000年代半ば当時よりはカネにも時間にも余裕があるはずなのに、あれほど好きだったぱちんこを打たなくなったのはなぜ?と訊くとかえってくる答えはやはり、「当たってもショボ出玉ばっかり、めったにまともに出ないから面白くない」というものでした。

さきに挙げた昔の台も、当時はそんなに穏やかな台という印象はなかったんですけどね、いまの台と比較すると出玉の安定度は段違い。冬ソナの初代は初当たり1/317・確変割合62%、通常当たり後は時短100回、仕事人Ⅲも似たようなかんじ。ベルばらは1/345.5、確変割合50%、時短100回というスペックで、初当たり確率は今の台と同程度かもっと低くなっているものの、当たればそれなりにまとまった出玉が得られて、確変なら次回大当たりまで必ず継続、通常を引いても時短100回。

前から同じことを何度も入ってるから繰り返したくないけれど、こういうレトロな確変ループタイプのいいところは、「当たってガッカリ」「当たってもムカつくだけ」というところが少ないというところ。確変ならもう1回が確定するからSTタイプのように「確変引いたのに単発なのかよ!」ってのがないし、通常当たりのほうを引いたとしてもゴミみたいな出玉で終わりってのもありませんからね。

デジパチは確変ループタイプがいちばん。

要は打っててムカつく瞬間が少ないんですよ。仕事人Ⅲなんかは当時の台としてはけっこう煽りが多いほうで私はあまり好きではありませんでしたが、海なんかは煽りが圧倒的に少ないから打っててムカつくなどということはない。確変が延々と引けないなんてことは当然たまにはありますが、50%や60%ならそれも「仕方ない」というふうにムカつく気持ちをやり過ごせる。80%とか90%とか言われるとショボ連で終わったらムカつくわけです。

そして、大当たりの50%とか60%で「確変+次回大当たり確定」という喜びを得られる、つまり「成功体験」を得やすいってのも魅力。これなら、初めてパチンコ打った人が間違って連チャンしてパチンコファンになる、ということもそれなりの確率で起こるでしょう。

 

対してラッキートリガー機。いろいろなスペックが出ているようですから一概には言えませんが、初当たりを引いたとしてもトリガー発動にたどり着ける確率はかなり低い。つまり当たってもガッカリ、というのが今の台よりもさらに多くなるということ。

そして万一トリガー発動となっても、大量出玉が約束されるわけではない。ラッキートリガーではないが私も「Pアイドルマスターミリオンライブ39フェス」の上位ラッシュ(94%継続)を引いて1回で終わったのが何度もあります。94%とか言われて煽りまくられて単発で終われば(たまにはあるのが当然とわかっていても)「このクソ台が!」と感情が波立つのは避けられない。

つまり、突入率を低くし連チャン性能を高めたラッキートリガー機は、初当たり引いてもムカつくことばかり、トリガーが引けても大量出玉で嬉しくなるとは限らない、それどころか(連チャン率が高いだけに)トリガーが引けたばっかりにさらにムカついて終わることもある。大量出玉を得て満足して帰ることができる可能性は限りなく低い。もちろん初めてパチンコ打った人が間違って勝ってあらたにパチンコファンになるなどということはめったに起こらない。よって客が増えることはない。おだやかに楽しめる台がないからとパチンコをやめたファンが戻ってくることもない。

こんなもんで喜ぶ人がいるといまだに思ってる時点でもう業界はダメでしょう。これが主流になりでもしたらパチンコからますます客が離れる。

いや、選択肢のひとつとしてそういう台があってもいいとは思いますけどね、業界全体が「より荒波の台を」という方向で動いていて、ライト層を呼び戻すことをまったく考えてない(ように見える)のがすごく不満。

「大海物語5withアグネス・ラム」の10ラウンド大当たりのような、引けなくても勝負になる、引ければラッキーだけど性能はそんなにたいしたことない・・・っていうくらいの上位ラッシュだったらいいのになあ。上位ラッシュが引けてからが勝負、っていうのでは「成功体験」をつめる可能性が低すぎて楽しくないでしょう。

まあいまのところパチンカーに受け入れられているようには見えないので、設定付きパチンコのように数年後には「そんなもんもあったねえ」ということにおそらくなるだろう、と予想しています。

「引ければ大量出玉確定」というトリガーなら歓迎したい

しかしなんだかんだ言ったところで私も大量出玉を夢見るパチンカーのひとり。一撃必殺トリガーを搭載してくれること自体には文句はありません。ただ、「引けたところで激ショボで終わるかもしれない」ってのが嫌。パチスロ4号機「ミリオンゴッド」のGOD揃いは「引ければ5,000枚確定、上乗せもあるかも!」っていう仕様だったからあれだけみんなが狂ったんじゃないかなあ。「5,000枚確定」ではなく「期待枚数5,000枚」だったら、引けただけでは素直に喜べないから、「ペオォォォン!」ってブラックアウトしたときの衝撃と喜びが薄れる気がする。

なので、ラッキートリガーが「引けたうえにもし継続すれば大量出玉」ではなく、「引ければすなわち大量出玉」というものであったなら私も歓迎したい。

 

すると注目したいのは、「おかわり機能がないものにかぎり最大10,500個未満」までに規制が緩和されたという、いわゆるセット物。マルホンからその新内規に対応したマシン「Pファンキードクター悪魔 12000Ver」が登場しています。

初当たりが1/69.4、6%でラッシュに突入。ラッシュは払い出し1,500個が7セットで、初当たりも含めた獲得個数は約10,500個ということに。

 

設置が少なすぎて私の地域には1台もなく、おそらく打てずに終わると思いますが、ネット上の評判をみていると、「6%でラッシュ?きつすぎる」とか、「絶対10,500個で終わりじゃあ継続のドキドキが楽しめない」などという否定的な声が多いようですね。

いやいやいや、これいいじゃないの。たしかに「12000」ではなく「7000」くらいにしとけばよかった気もするけれど、6%を引ければ「必ず」万発超えなんでしょ。激ショボ~数万発まで、引けてもどうなるかわからない不安定なラッキートリガー機よりも全然いいじゃないか。もちろん巨額投資は覚悟しなければならないとしても、甘釘をつかんで粘ったときにどっちが安定して勝てそうか、と言われればどう考えてもこっちのほう。

「継続でドキドキしたい」ってのは、まあそういう人もいるだろうしそれを否定する気もないけれど、何度も継続を煽られてそのたびにドキドキするより、「これが当たれば万発確定!」っていうリーチや演出でドキドキするほうが私は魅力を感じる。名機「天龍∞」の三段目突入時よりも心臓バクバクするラッシュなんてのは私は知らないのです。当たった時の脳汁が放出される快感。あの瞬間の喜びはショボ出玉の連チャンを繰り返すラッシュでは味わえない。当たったら素直に喜べて、そのあと安心して大当たりを消化できるほうが楽しいと思うのです。

そういえば天龍が出たころは餃子の王将などこの手の台がけっこう出ていたのに、最近はあまり出ないし話題になりませんねえ。こういうのを好む層がパチ屋から離れたことも業界の斜陽化に関係しているんだろうから、少なくてもいいから選択肢のひとつとして残さなくてはならないと思うんですけどね。もし近所のホールに設置されたら打ってみようと思ってます。

 

いずれにしろラッキートリガー機は「なぜぱちんこが斜陽になったのか」がわかってない業界の迷走の象徴のような存在に感じます。「いまパチ屋に来ている人を惹きつける」というのではなく、ぱちんこから離れてしまった人を呼び戻すことを考えてほしい。

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