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「毎日湯船に浸かること」が介護予防になる?

母の認知症の発症から、歩けなくなり話もできなくなるまでをつぶさに見てきた私の、

目下の関心事は「どうすれば認知症を遠ざけ健康に暮らしていけるか」

ということであり、

このブログでもそれ系の記事をたまに書いています。

 

まあ、まともに働きもせず自堕落な生活を送っている時点で

認知症になる確率は激高なんですけどね、

それでもトシをとってから他人に迷惑をかけることはなるべく少なくしたい。

 

ということで今回は、最近よく言われている

「入浴の習慣で介護予防」ということについて書いておきます。

毎日入浴(湯船に浸かる)すると要介護になるリスクが減る?

とりあえず1冊だけ本を読んでみました。

 

最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案

著者はメディアにもよく出演されている医師。

「お風呂研究20年、3万人を調査した」と本の表紙には書いてあります。

 

この本では

入浴のさまざまな健康効果、

からだの不調別の具体的な入浴方法、

温泉療法・・・

などについて書かれており、

なかなか参考になりますが、

ひとことでざっくり言うなら要は

健康維持や疲労回復のためには「シャワーだけではダメ。毎日40℃くらいのぬるいお湯に、しっかり肩まで、10~15分くらい浸かろう」

という話。

 

私はいつもお風呂の温度を42℃に設定してたんです。

これくらいがちょうどよくて気持ちイイ・・と思っていたからなんですけど、

そうやらそれでは熱すぎてリラックス効果や安眠効果は得られないらしい。

で、実際に40℃に設定して入ってみたんですけど、

ぬるくていやだなあと思いつつも、入浴後はたしかにいままでと違う気分になりましたね。

よりリラックスできる・・・ような気がする。

なによりも、お風呂に入った後、ピリピリとした肌のかゆみを感じることがいままではけっこうあったのに、

ぬるいお湯だとそれが全然ないのがよかった

(お湯が熱すぎるからかゆくなる、ということらしい)。

 

お湯が熱すぎると交感神経が優位(緊張や興奮状態になる)になってしまうため

あさイチならそれでもいいけれど夜寝る前には

ぬるいお湯に浸かったほうが、副交感神経を優位(リラックスや体の修復)に切り替えることで

安眠や疲労回復につながる・・・ということらしい。

やってみるとそれが実感できた(ような気がする)感じですね。

「毎日の入浴で『要介護リスク』が29%減少」はほんとうか

日本人の平均寿命が伸びたのは高度経済成長期の1950~1960年代であり、この時期には一般大衆の経済状況が改善し、「住宅内お風呂」の普及がすすんだ・・とし、

「毎日1回入浴」という習慣が人々の間に定着することが健康増進につながり、日本人の長寿に貢献したと考えられます。これは、私たちのチームが行った最新の研究でも明らかになりました。1万4000人弱の高齢者を調査したところ、毎日湯船で入浴をしている人は3年後に要介護になるリスクが29%も低かったのです。湯船の入浴は健康寿命を延ばすとも言えます」

と、述べておられます。

 

ここが非常に興味深いところ。

認知症予防や介護予防にかぎらず、健康に関する書籍などにはこういう

「リスクが~%減少」という言い方がよくみられますね。

こういう表現はよく注意して見なければならない・・と思うので、

どういう調査をしたうえで言っていることなのか、

それを確かめたい・・と思ったのですが、

そこについては細かいことは書いてませんでした。

 

この本で説かれている、毎日湯船に浸かることによって得られる健康効果は

「なるほどたしかにそうかも」と納得できるものでしたが、

「要介護になるリスクが減る」というのは

ほんとかなあ、という気がしてます。

 

私の亡父は、高齢者と呼ばれるトシになってからは、

「年寄は代謝が少ないから風呂に毎日入る必要などないし、べつに会社に行くわけでもないんだし、なによりガス代と水道代がもったいない」

と言って、お風呂に入る回数をなるべく少なくするようにしていました。

 

おそらく同じように考えてお風呂に毎日入らない高齢者は多いと思われます。

若い人でも、死ぬほど仕事が忙しいとかカネがないとか、さまざまな理由でシャワーで済ませる人は多いはず。

 

だから、「毎日湯船に浸かる」という人は、

高齢者にしろ若い人にしろ、経済的にも時間的にも気持ち的にも余裕のある人、

いろんな意味でゆたかな生活をおくっている人なんじゃないのかなと。

 

すると、「毎日湯船に浸かる人は要介護になるリスクが低くなる」というのは、

お風呂に毎日入るほどリスクが低くなる、のではなくて、

毎日湯船に浸かるくらい余裕があってストレスの少ない生活を送っている人ほど健康を維持できて要介護になる人が少ない、

というだけなのでは・・・・

という気もしました。

 

経済状態や就労や交友や持病や喫煙の有無や運動や身体能力など、

要介護になるリスクを変動させる要因はそれこそ無数にあるのであって、

そこをどのように処理して「リスクが29%減る」という結果を出したのか。

そのあたりを全然説明してないのはちょっと不満でした。

健康本を読んでいるとそういうのが凄く多いですね。

 

とは思ったものの、

毎日入浴することがいかに健康にいい影響を及ぼすか、

ということに関しては疑問をはさむ余地はなさそうです。

できるだけ毎日湯船に浸かったほうがいいんでしょうね。

多少の時間と多少のおカネが必要になりますが、

「健康法」という意味では非常に魅力的、カンタンに実践できるのではないでしょうか。

ただし、とくに高齢の方は、お風呂では転倒などの事故が起こりやすいので注意です。

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