ネットショップを営んでいたり、フリマアプリでいろんなものを売っていたりする方にとっては、「商品の配送にかかるコストをいかにして安くするか」は非常に重要な問題でありますね。
私は「Amazonマーケットプレイス」でCDを中心に音楽ソフトを販売し、在庫処分などをしたい場合はメルカリで売り飛ばす・・というスタイルで商売をしています。Amazonで売れたものを発送するときに使うのはもっぱら日本郵便の「クリックポスト」。現在の料金は185円。全国均一料金、追跡付き、土日も荷物が動く・・のに185円というのは非常に安くて助かる。Amazonマケプレの場合はまとまった数売れるのであればヤマト運輸を使ったほうが安くなる場合もありますが、私の場合は今となってはほぼ道楽みたいなものになってますからそんなに数が売れないし、そこらじゅうにあるポストに入れられるほうがなにかと便利なのです。
しかし、ポストに投函するだけで送れてしかも安い「クリックポスト」にもデメリットがある。
・プリンター、印刷する紙とインクが必要
・料金の決済にクレジットカードが必要
・宛名を入力してラベルを作成しそれを切り貼りする手間がかかる
・厚さ制限がうるさい(3cmまで)
・匿名配送は不可能
など。
しかし、フリマアプリ最大手となったメルカリは、そんなデメリットがあると利用者が気軽に出品してくれない、と考え、日本郵便やヤマト運輸と組んで上記のような手間がいらない配送手段を次々に開発しましたね。
フリマアプリ各社と日本郵便がお得で便利なサービスを次々にリリース
私はメルカリで販売したときはヤマト運輸の「らくらくメルカリ便」ではなく日本郵便の「ゆうゆうメルカリ便」を使っているのでその話をしますが、年々進化するその便利さは凄い。「ゆうパケットポスト」を使えば、「クリックポスト」と同様「差出はポストに入れるだけ」でokなうえに、
・必要なのはスマホだけ
・配送料金は売上から天引きなのでなにもしなくていい
・ラベル作成不要。二次元コードを読ませるだけ。専用箱を使えば梱包もカンタン。専用箱を使わない場合も荷物にシール貼るだけ
・厚さ制限は「ポストに入ればok」
・匿名配送可能。
という、「クリックポスト」の「いろいろ面倒くさい」というデメリットをほとんどすべて駆逐した仕様。面倒くさがりの人でもこれなら「じゃあいらない小っちゃいものはフリマアプリで処分すっかあ」という気になる可能性が上がるでしょう。
そして料金はメルカリの場合215円。「クリックポスト」よりちょっと高くなるけれど、大幅に手間が省かれるというメリットを考えれば妥当でしょう。
そして、昨年7月に「PayPayフリマ」「ヤフオク!」「ラクマ」などで使えるようになったのが「ゆうパケットポストmini」。専用封筒に入らなければだめ、ということで荷物の大きさに関しては「ゆうパケットポスト」よりも制限が厳しいものの、サービス開始当初は送料が150円(封筒代が1枚20円)という爆安料金で提供されました。
入れられるものはだいぶ限られますが、私が主に取り扱っているCDなんかはちょうど1枚入る大きさ。
登場当初メルカリはこれに非対応でしたので、フリマアプリはメルカリだけ使っていた私は無視していましたが、昨年9月についにメルカリでも使えるように。
それまで「ゆうパケットポスト」をつかって215円で送っていたものが、160円で送れる。しかも封筒など梱包材も不要!となれば使うしかない。メルカリでのサービス開始後にソッコーで郵便局へ行き、とりあえず100枚ほど買いました。
で、メルカリで売れたCDをフツーに「ゆうパケットポストmini」をつかって送りはじめました。これは快適でしたね。プチプチでつつんだCDを専用封筒に入れ、封(ご親切にシールがついている)をしてスマホで2次元コードを読み取り、控えを切り取って保管しておくだけ。あとはパチ屋に行くついでにでもポストに放り込めばOK。
しかし使い始めてすぐくらいから、ネット上では「ゆうパケットポストminiの封筒が品薄」という情報をよく目にするように。まあとりあえず100枚買ってしばらくは持つから、在庫がなくなるころには品薄も解消するだろ・・・と思っていたのです。
いつまで経っても品薄が解消しない!
12月初旬くらいになって専用封筒の在庫もそろそろ少なくなってきたので、郵便局へ行ったついでに「ゆうパケットポストminiの封筒ください」と窓口で頼んだら、「ゆうパケットポストみ」くらいまで口に出したくらいの時点で局員さんのカオに「またか」という色が垣間見え、「申し訳ありません。売り切れてます。入荷の見込みは立ってません」という返答が。
そうなのか。この時点で「品薄」という情報に触れてからだいぶ経っていたのでそろそろ大丈夫だろうと思ったんだけどな。じゃあもうちょっと待ってみるか・・・とさらに2週間くらいしてから(もし「また来たの?」ってカオされたら気分が悪いので)別の郵便局へ行って「ゆうパケットポストmini・・・」と訊くと、やはり同じ返答。
ええ~なんで。こんなもん機械で大量に刷って袋の形にするだけじゃないのか。まさか刑務所の刑務作業で手作業で袋型に貼り付けているわけでもあるまい。いっぱいつくればいいじゃないか。
と文句を言ったところで仕方がないので言いたい気持ちをグッと抑え、年明けにもう1回、またまた別の郵便局へ。するとやはり同じ返答。
マジか。これはやっぱり、フリマアプリ業界トップのメルカリが対応したことで利用者が急激に増えたのが原因なのか。しかしそれが原因だというのならメルカリと日本郵便はユーザーから非難されても仕方がないでしょう。需要が増加することは誰でも想像できることですからね。150円(サービス開始当初)という送料の圧倒的安さによって他フリマアプリに客が流れることを警戒したメルカリがゴリ押しで参入したからなのかな?そのへんの内情は知りませんが、始めるならそれなりの準備はしとけという話。次から次へと素晴らしいサービスを開発するメルカリにしては珍しい失態なのでは。
・・・などと考えていましたが、もう何か月も品薄が解消しないのは、どうやら供給不足だけが原因ではないらしい。
フリマアプリには定価以上の価格で大量に出品されている
メルカリ等フリマアプリで「ゆうパケットポストmini」を検索すると、やっぱり。ものすごい量の出品がヒットする。
しかも売られている金額は定価の1枚20円を大幅に上回っている。儲けようとしてやってるんだから当たり前だけど、1枚あたり100円とかで売ってる人間もいますね。
誰が買うんだよそんな金額で!それを使えば送料が安いとはいえ、「ゆうパケットポスト」と比較して50円くらいでしょ?自前で封筒を用意するコストを考えても、100円で専用封筒買うくらいなら「ゆうパケットポスト」で送ったほうがいいだろ・・・とふつうは思うところですが、それが「SOLD」になってたりするから驚いちゃう。
これはあれか。つい数年前の「マスク」と同じ現象が起きているわけか。供給される→「転売屋」が買い占める→店頭ではいつも品薄→買えるのは「転売屋」からだけ→仕方がないから(いやそんなことはないんだけど)転売屋から買う→転売屋はますます買い占めに精を出す→品薄が解消しない・・・という流れか。
まあ小売りというものはすべてが「転売」と言えなくもないし、私が音楽ソフトでやってることも「転売」には違いないから、「転売」そのものを否定するつもりはありませんが、マスクのときと同様、こういう誰も幸せにしない転売は糾弾されてしかるべきでしょう。メルカリをみてるとこういうことをしてる奴が「気持ちの良いお取引を心がけます」とかぬかしてて、吐き気がするほどの嫌悪感をおぼえる。マジで死ねばいいのに。郵便局にあさイチで毎日行ったり、局員に「取り置きしてくれ!」とか頼んだり、入荷したら全部買い占めたりしているんだろうなあ。私ならそんなみっともないことするくらいなら送料が数十円高かろうが甘んじて受け入れますけどね。
いずれにしろ、転売屋が買い占めることによってそれを必要とする人の手にモノが渡らないという現状はまだまだ続きそう。郵便局でみんなが定価で買えるようになれば転売屋も撤退するでしょうけどね、みているかぎり、郵便局やメルカリに「早くなんとかしよう」という気持ちが感じられない。
郵便局は購入枚数に上限を設けろ
私が行った郵便局できいてみると、どうやらちょくちょくは入荷しているらしい。フリマには次から次へ出品されてるんだからそりゃあそうでしょう。で、「もしあったら、ひとり何枚買っていいの?」と訊くと、「とくに枚数制限はしてません」と言う。
いやいやいや、バカなのかな。郵便局のサイトには
お知らせ
「ゆうパケットポストmini封筒」について、現在、郵便局のみで販売しておりますが、全国的に品薄の状態となっております。
順次追加で納入予定ですが、大変ご好評をいただいているため、今後も品薄状態が続く可能性がございます。予めご了承ください。
ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。
なお、転売目的での「ゆうパケットポストmini封筒」のご購入は固くお断りいたします。
と書いているじゃないか。てことは転売されていてそれが品薄が解消しないことにつながってるという認識はあるわけでしょ。ならばなぜ購入制限をしないのか。ひとり3枚までとかにすりゃあいいじゃないか。そうすりゃあ転売屋がいかにヒマでも面倒くさくなって転売やめるでしょ。
品薄を解消したいという気持ちはほんとうはないんじゃないかな、という気しかしない。送料安くしすぎて儲けが出ない? なら値上げすりゃあいいじゃないか。まさか郵便局員みずからが転売してないだろうな!
フリマアプリ側は専用封筒の出品を禁止せよ
もっと問題があると思うのはフリマアプリ業者。専用封筒の転売は禁止するべきじゃないのか。
そもそも利用者を増やしたいから安く送れるサービスを始めたわけでしょ。それなのに「転売屋」が買い占めるせいでそれが行き渡らなくなっている。ということは安く送れるサービスをはじめた意味がないじゃないか。商売の邪魔されてるのと同じでは?
まあフリマアプリ側は「専用封筒が取引されればそれで手数料が入ってくるわけだから問題ない」と思っているのかもしれない。でもそれはあまりに近視眼的な見方ではないのか。経営トップはこんな事態になってることを知ってるんだろうか。知らないのならどんだけボケッとしてんだという話になるけれど、知っているのなら即刻専用封筒の出品を禁止するべきなのでは。郵便局へ行くのが大変だから、という理由で転売屋から買ってる人もおそらくいるだろうから、コンビニ等でも買えるようにしたうえで。
メルカリなんかはそういうことに敏感に迅速に対応してくれる企業だと思っていましたがそうでもないらしい。・・・というふうに、企業そのものに対してのユーザーからの評価もダダ下がりになる可能性もある。
160円で送れるんなら販売価格300円でもちょっとは儲けが出るからやってみようかな・・・という新規ユーザーを獲得するチャンスもフイにしているかもしれない。送料が安いからはじめてフリマアプリやってみようと思った人が、いざやってみたら封筒が買えなくて「ふざけてるの?」となって出品をやめてしまった、なんてことも起こっているかもしれない、となぜ考えないんだろうか。その鈍感さが不思議で仕方がない。「品薄でご迷惑をおかけしてます」では済まされないでしょう。そんなだから株価が上がらないんじゃないの?
ユーザーは郵便局以外で買ってはいけない
それから、我々フリマアプリユーザーは、間違っても転売屋から買ってはいけない。
まあ先述のとおり「ゆうパケットポストmini」は送料の安さだけでなく封筒を別途用意しなくていいとか梱包が超簡単とかいうメリットがあるので、1枚80円とかくらいなら買っても損ではない・・・と考えて買っちゃう人もいるんでしょうが、そうするとふつうに郵便局で買えた場合にあなたがあずかることができたはずの恩恵はすべて転売屋にもっていかれる、ということをちゃんと覚えておくべきです。転売屋のせいでしなくてもいい損をさせられるのです。
転売屋にカネを払うくらいなら、わずかばかりの送料負担の増加があるとしてもほかの方法で荷物を送ったほうが長い目でみれば絶対に得です。郵便局から買ってフリマアプリに出品してそれが売れる、という状態が続く限り転売屋は買い占めと出品をやめないから、品薄もなかなか解消されない。まずは郵便局以外からは買わないようにすることです。
コロナ初期のころのマスクの場合は、マスクしないでお店に入ると鬼の首を取るかのように大騒ぎして追いかけてくる奴とか、学校や施設でも信じがたいほどの情熱をもってマスクを強制したりするマスク狂信者ばかりになった(高齢者施設なんかではいまだにマスク強制してる。そのバカさ加減はまさに底ナシ)から、なにがなんでもマスクを手に入れないと生きていけない状況にもなって仕方がなかった部分もあったでしょうが、ゆうパケットポストminiの封筒は生活必需品ではないのだから、少しのあいだ我慢して転売屋を駆逐すればすぐに品薄も解消されるでしょう。
「ゆうパケットポスト」、封筒にしろシールにしろ買うときは必ず郵便局で! とにかく早く品薄が解消されることを願ってます!