平成三十年大相撲三月場所の感想

      2018/03/26

大相撲三月場所が終わりました。

あまり盛り上がらなかった印象です。

思ったことを書いておきます。

鶴竜の必殺技「叩き込み」が冴えわたった!

幕内最高優勝は一人横綱だった鶴竜。

しかし・・・

モンゴル人横綱はなにかというと「綱の責任」とかぬかすんですけど、

鶴竜の相撲っぷりは(いまにはじまったことではないけれど)

「楽して勝ちたい」という意図がスケスケに透けて見えて、

「負けない横綱」ではあっても

「強い横綱」にはまったく見えない。

これはなぜかというと、やっぱり

「叩き込み」に代表されるような、

「引き技」を多用するからなんでしょう。

 

もちろん、引き技自体は別に悪いことではないし

立派なテクニックでしょう。

しかし鶴竜の場合、

力で相手を圧倒しようとする→できない→しょうがないから引く

という感じにしか見えないので、

見ているほうは「なんだよ・・結局それかよ・・・」となる。

 

何度か言っていることですけど、

観客は、鍛え抜かれた男と男の命を張った真剣勝負だ(と思っている)からこそ、

高いカネを払って観に来ているわけです。

横綱がラクして勝ちに行くとか、客をなめてるの?と言われてもしょうがない。

序の口の服部桜とやってることは同じじゃないのか。

服部桜と違うのは、ただ「相撲がうまい」ということだけ。

命懸けの気迫が伝わらない、カネを払って観る価値がない、

という意味では同じようなものでは。

 

白鵬もそうだけど、結局のところ

「横綱とはこうあるべき」

「力士とはこうあるべき」

「オレはこうあるべき(こうでありたい)」

というものが自分のなかできちんとできていないんでしょう。

だから「なんだかんだ言っても、とにかく勝ちゃあいいんだろ?」となり、

見ごたえのない相撲ばかりになるのでは。

 

私が「男の中の男」と敬服している西岩親方(元関脇若の里)は、

著書『たたき上げ』のなかで、

ケガで苦しい時に「生涯一度だけの立ち合い変化」をして負けた日の夜、

付け人を連れて寿司屋に行ったところ、居合わせたファンから

「私は若の里関の大ファンなんです。立ち合いは常に真っ向勝負で絶対に変化しないところが大好きなんです」

と言われ(そのファンはその日の取り組みを見てなかったらしい)て

自分を恥じ、「もう二度と立ち合いで変わらない」と誓った・・・と述べています。

「もし、その人が家に帰ってダイジェストで私の相撲を見たら、どんなにがっかりしたことでしょう。そう思うと罪悪感でいっぱいです。」とも。

 

amazon.co.jp たたき上げ 若の里自伝

↑文章はあまりうまくないけれど、相撲ファンのみならず、すべての男が読むべき本。

 

 

まあ、星の貸し借りや売り買いをして出世したような力士からみれば、

信念を曲げる器用さがなかったから若の里は大関になれなかった

・・・と言えるんでしょうが、

鶴竜や白鵬の相撲をみているとこういう

「オレはこうありたい、こうあるべき」という信念が感じ取れないんですよね。

信念よりも勝ち負け、カネと地位が優先してるようにしか見えない。

 

最近は一般の日本人でも「勝ちにこだわってなにがいけないの?」

ということを言う人が多いみたいですけど、

そういう人は、勝ち負けよりも大事にしたいものがある、

という人間の感覚がなかなか理解できないんでしょうね。

 

そういう人が官僚や政治家や経営者になっちゃうと

汚職や冤罪や企業の不祥事が起こり、

そういう人がパチンコ・パチスロをやると

朝の並びで不正をしたり会員カードを5枚も6枚もつくって不正したりするわけです。

これは全部、「勝ちゃあいいんだ」と思っているから起こることです。

 

鶴竜の優勝は立派な成績ではあるけれど、

いつも「引いてはダメ」と自分で言っているくせに

引き技ばっかりで勝ちを重ねて優勝したことについては

(つまり、「引かない」という信念を貫けなかった、ということ)

「横綱として、これではいかん」と反省してほしいし、

メディアやファンも手放しで褒めてはいけない。

ファンは(少なくとも私は)、

「負けない横綱」ではなく、「強い横綱」が観たいのです。

この違いが、外国人横綱にはわかってもらえませんかね。

 

ついでに言うなら、鶴竜は千秋楽、

高安に負けてなんで笑ってんの?

負けて花道をヘラヘラしながら下がるとか、

それじゃあ負けてふてくされてタオルを放り投げてた白鵬よりもヒドイ。

正代戦では勝って土俵の上で笑ってたし。

 

鶴竜は、「優勝して横綱の責任を果たした」とか思わないでほしい。

内容はとても褒められたものじゃないと感じます。

貴公俊の暴行事件

新十両の貴公俊が付け人に対して暴行をはたらいたということで途中休場。

これはとっても残念な事件でした。

 

私は、相撲協会にタテついている貴乃花親方への対抗措置というかたちで、

貴乃花親方に関するスキャンダルが

なにかしら出てくるんではないかと思っていたのですが、

こういう事件が起こるとは予想してませんでした。

あるとすれば、大昔に貴乃花親方から暴力を受けた、という人を

探し出してくるとか、

「実は貴乃花部屋でもこんなヒドイことが起こっていた!」

みたいなことを探し出しきて報道させることによって

貴乃花親方を貶めようとする・・

というかたちだと思っていました。

 

どちらにしろ、この事件を知った時には

このタイミングでこんなことが起こる、

というのはなにか陰謀の匂いがする・・と思いました。

しかし貴公俊も親方も暴行があったことについては認めましたね。

 

まあ、相手は付け人、支度部屋の衆人環視のなかでやっちゃったということから、

ついカッとなって衝動的にやったんだろうということは

容易に察することができるわけで、

密室でリンチ、計画的にやった可能性もある日馬富士事件に比べたら

悪質性は全然低い(もちろん肯定はしないし、たいへんなことをした、と反省してもらわなければ困るけれど)ですよね。

付け人には謝罪し、1場所謹慎して反省すれば済む話では。

貴乃花親方に対して「加害者が自分の弟子だと被害届出さないのか」

などと批判するアホな論調もあるようですが

これはそういう話ではないのでは。

付け人が「刑事告発する」と言うんならしょうがないけれど。

 

しかしこのタイミングでそんなことをほんとうにしたんだとすればバカそのもの。

まあ、たかだか二十歳そこそこの若者が

月給100万ももらえる「関取」という立場になって

舞い上がっちゃったんでしょう。

そういう意味では、教育が行き届かなかった親方にも責任がある。

 

報道によると貴乃花親方は

日馬富士事件に関しての相撲協会の対応を問題視して

内閣府に提出した告発状を取り下げたそうです。

これは貴公俊を守るために協会と取引したんですかね。

告発は取り下げるから、弟子には寛大な処分を、と。

こうなると、やっぱりほんとうはなにか陰謀が渦巻いていたのではないか、

という気にもなってきますね。

 

なんにしろ、土俵があまり盛り上がらなかったのは残念でした。

来場所は復調してきた遠藤の活躍や、

大関とりの可能性も出てきた栃ノ心など、

見どころがあるといえばあるのかな。

白鵬と稀勢の里は戻ってくるんでしょうが、

おそらくもう以前のような活躍は

期待できない気がしますね。

力を発揮できなくなった横綱ということで、

若い力士は金星を狙って目の色を変えてくるでしょうし。

ふたりともこのへんが潮時・・・ということになる可能性は大きいでしょうね。

 

また、気が向いたら大相撲の記事を書きます。

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