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勝っているうちにやめる、という考え方

久しぶりですがパチンコ・パチスロ初心者の方向けの記事を。

前に書いたパチンコ・パチスロ:「ヤメ時」はいつか  と関連する内容となります。

 

先日ホールにて、ある常連客からこう訊かれました。

「いつも出してる感じに見えるんだけど、やっぱり『勝っているうちにヤメる』の?」

 

パチスロに関しては天井狙い→終わったらヤメ、ということを繰り返しているので、「勝っているうちにヤメ」というふうに見えたのかもしれません。

今回はこの「勝っているうちにヤメる」という考え方について書いてみます。

誰もが一度は考える?常勝理論

「あのときにやめてれば3万勝ちだったのに、飲まれて負けた」

「欲をかいて粘ったら負けた」

とかいうのは、パチンコ・パチスロを打つ人なら必ず考えたことがあると思います。

 

私も勝てなかったころは、大連チャンのあとにのまれたりすると、「勝っている時点でやめてれば・・」と考えていました。

昔、私の友人がこんなことを言っていたのをおぼえています。

 

「千円でもいいからプラスになった瞬間にやめるんだよ。それを毎日繰り返していれば、カネがたまるぜ!千円だろうが勝ちは勝ちだからな!」

 

この、「プラスになったらやめる」、つまり「勝ち逃げ」戦略は、一見常勝理論にみえますが、ほんとうは絶対に負ける危険な考え方です。

どのへんが危険か、書いていきます。

プラスになる瞬間がない日だってある

この考え方は突っ込みどころが多すぎてなにから言えばいいか迷いますが、こういう思考に陥る気持ちはよくわかります。私も昔はそうでしたから。

 

まず、「プラスになった瞬間にやめる」と言うが、どれだけ頑張ってもひたすらマイナス域の日だってあるわけです。こういうときはどうするのか。

ギャンブルはなんでもそうだと思うんですけど、負ける人は往々にして自分に都合のいいほうに考える、予想する傾向にあります。

勝つためには、常に最悪の展開を予想して先を考えなければなりません。

「千円でも勝ちは勝ち」かどうかよく考えてみよう

さらに、これもよくある考え方ですね。

「たとえ千円でも勝ちは勝ち」。

ほんとうにそうか、よく考えてみましょう。

 

最大の問題は、収支を1日単位で考えていることです。これはいつもこのブログで言っていることで、パチンコ・パチスロで勝てない人に共通する誤謬です。

 

「千円だろうが勝ちは勝ち。飲まれないうちにヤメる」と考えていると、勝つときは金額が小さく、負けるときは大負けする、という状態に必ずなります。

さきほども言ったように、いつまで頑張ってもプラス域にならないという展開は必ずありますから、負けるときは大負けになりがち。

そして、勝つときは、「ちょっとでもプラスになったらヤメ」てしまうので、ちょこっとしか勝てない。

 

いわゆる「勝率」はあがるんですけど、(常に高設定や甘釘台をつかんでいない限り)トータルでは絶対に負ける戦略です。

パチンコ・パチスロの勝ち方を指南しているブログとかで、「勝率」とか「何勝何敗」とか言っている人もいるみたいですが、そこを問題にしている時点ですでに間違っています。

 

極端な話、「1勝10敗」でも、1勝が15万勝ちで10敗が全部でマイナス10万ならトータル5万プラスでokなのです(マイナス10万、が高設定や甘釘を打ち続けたものであるなら)。

「10勝1敗」であっても、10勝がトータルでプラス2万円とかで1敗がマイナス5万円では話にならない。

「千円でも勝ちは勝ち」と思って「勝率」を追い求めると必ずこうなります。

(関連記事→パチンコ・パチスロ:「連敗」とか「連勝」とかいうとらえ方を捨てよう!

 

なので、勝ちをなるべく大きく、負けを極限まで小さくする、のを目指さなくてはなりません。

そのためにはどう考えて打つべきか。

いい台をつかんだなら最大限の勝ちを、そうでなければ負けを最小限に

「小さく勝って大きく負ける」ではなく、勝つときは大きく勝ち、負けるときは小さく負ける、のが正解。

 

そのためには、いま打っている台が、打ち続けるとさらに勝てる台(いわゆる、「期待値がプラス」)なのかそれとも打ち続けるとさらに負ける台(いわゆる、「期待値がマイナス」)なのか、を見極める必要があります。

 

打ち続ければさらに勝てる台であるなら、「ちょっとプラスになったから飲まれないうちにヤメる」ではなく、時間が許す限り粘って粘って頑張って、なるべく多く勝つことを目指さなくてはならない。

明日になったらそういういい台をつかめる保証はないので、どうせ明日も打つのなら、いい台をつかんだ今日、できるだけ打っておくことです。

逆に、打ち続ければさらに負ける台、であるなら「プラスになった瞬間にヤメる」のは正しい、というか、プラスもマイナスも関係なく、とにかくなるべく早くヤメることです。そうして負けを最小限に食い止める。

 

このような考えのもとで立ち回っていると、もちろん波はあるけれども(たとえいい台でも粘ったら大負けしたということもある)、長期的な視点で考えれば勝ち金額が負け金額を上回り、トータルでプラス、ということになるはずです。

ならない場合は、試行回数が足らないか、台の良しあしの判断が間違っているか、どちらかです。

 

言うまでもなく、粘るべき「いい台」とは、パチスロなら高設定台、もしくは天井に近い台であり、パチンコなら甘釘台、確変潜伏台などです。

 

いま打っている台で粘るべきかヤメるべきか。

これを判断しなければならないから、上級スロッターは血眼になって設定推測をやるのであり、プロパチンカーは血眼になって釘を読もうとするのです。

 

パチスロなら、設定推測(「判別」ではありません)により、高設定でないと判断したならすっぱりヤメる。間違ってもよいのです。どうせ100%看破することは不可能なので。より精度の高い設定推測を目指す、という意識があればよい。

パチンコなら、1000円当たりの回転数や大当たり時の出玉数などをチェックし、ボーダーラインを大幅に上回る台と判断したならとことん粘る。

ここで、「飲まれたらいやだからちょっとでもプラスになったらヤメる」とかだと、ほんとうはもっと勝てたものを自ら捨てることになります。

甘釘台であるならたとえ飲まれて負けに転じたとしても問題ではないのです。これからハマるか、すぐ当たるかは、絶対に予測できないんですから。

優秀台を(持ち玉で)打ち切る、のが正解

現在は換金ギャップのあるホール(パチンコ貸玉料金が250個で1000円なのに、交換するときは275個で1000円、など)が多くなってきていますので、その点からも「ちょっとでもプラスになったらヤメる」という勝ち逃げ戦略は危険といえます。

27.5玉交換(つまり、交換するときは275個が1,000円となる)のホールで、Aさん、Bさんの二人がパチンコ(たとえば真・北斗無双のミドル)を打っているとしましょう。

ふたりとも、ボーダーを少し上回る釘調整の台(わかりやすいように、1,000円あたり20回転とします)を打っているものとして、同じ展開になったと仮定しましょう。

 

1,000回転でふたりとも初当たりを引いた。1,000円あたり20回転の台なので、投資は50000円。

この当たりが確変で、15,000個まで伸びたとします。

 

15,000個を特殊景品に交換すると、(わが地域の場合だと200円が特殊景品の最低額なので、それで考えると)54,400円と端数のお菓子、になります。

ここでヤメれば4,400円のプラスですね。

 

Aさんは、1,000回ハマってジリジリしていたので、連チャンしてプラスになったのがうれしくて、「このあとハマって飲まれたら、せっかくプラスになったのがパアになる」と思って、まだ時間があるにもかかわらずヤメました。この日の収支はプラス4,400円。

そして、次の日にも同じ台(釘は据え置き)を打って、また1,000回ハマって、当たらなかった。つまり、2日目は50,000円負け。

 

Bさんは、「まだ時間があるし、甘釘台だから。」と思って続行。

そしてまた1,000回ハマって、12,500個飲まれて時間切れ終了。

2,500個(交換すれば9,000円とお菓子)を流し、この日の収支はマイナス41,000円。次の日は打たなかった。

 

「ちょっとでもプラスになったらヤメる」理論だと、4,400円を勝って帰ったAさんの行動が正しく、41,000円負けて帰ったBさんは「あのときにやめてりゃあ負けなかったのに馬鹿だなあ」ということになりますが、注意するべきポイントは15,000個出た後、ふたりとも同じようにまたまた1,000回ハマったというところ。

次の日(もちろん出玉がないので現金投資となる)に1,000ハマリをしたAさんと、その日の持ち玉で1,000ハマったBさんとでは、トータルでの収支がどう変わるか、という点です。

 

Aさん・・・初日 プラス4,400円 2日目 マイナス50,000円 トータル マイナス45,600円

Bさん・・・マイナス41,000円

二人とも、1,000回ハマって15,000個出て、そして1,000回ハマった。、という点は同じですね。

同じ展開、同じ出玉であったにもかかわらず、「とにかくプラス収支で帰りたいから」初日に即やめし、次の日に現金投資で1,000ハマりしたAさんと、持ち玉で粘って1,000ハマりしたBさんとでは、収支が4,600円も違ってきます。

 

たかだか4,600円くらい、と言うなかれ。

これを1年、2年積み重ねたらどうなるかを考えてみましょう。

それに、しつこいようですがやってることは寸分たがわず同じなのですよ。

それなのに、持ち玉で粘ったかどうかだけでこれだけの差が出るわけです。

1,000回の抽選を受けるために、現金50,000円を使う(Aさん)のと、持ち玉12,500個(交換したなら45400円)(Bさん)使うのと、どっちが得かは明らかです。

 

 

このように、ひとたびいい台をつかんだなら、「プラスになったからヤメる」とかではなく、収支がプラスだろうがマイナスだろうが(持ち玉があるならなおさら)とことん粘るのが正解です。

あくまでも甘釘台なら、ですよ。そうでないならこんなに粘ってはダメです。

目先の収支にこだわると負ける

そういうわけで、「勝っているうちにヤメる」のではなく、いい台なら勝っていようが負けていようがひたすら粘る、いい台でないなら勝っていようが負けていようが早くヤメる、ことです。

それを繰り返しているうちに、自然にトータルでプラス収支になっていきます。

 

これを理解して実践している人は驚くほど少ないです。

かなりのレベルの人でも、その日の収支にとらわれる人が多いですね。

荒波のパチンコだと特に、連チャンしたらすぐやめたくなると思うんですが、ヤメるかどうかの判断は、「今日の収支が~円だからこのへんで」という理由ではなく、その台が続けるべき台なのかヤメるべき台なのか、という点を考えて下すべきです。

 

ヤメ時の判断についてはまた書きたいと思います。

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