認知症の母:水頭症の手術後

      2017/08/30

以前の記事 認知症の母:「正常圧水頭症」と診断される にて、

認知症である私の母が「正常圧水頭症」の手術をすることになった旨を書きました。

「正常圧水頭症」によって出る認知症っぽい症状は、

手術により改善することが多く、「治る認知症」のひとつであるわけなんですが、

私の母の場合は手術後どうなったか、を書いておきます。

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手術は無事に終了

まもなく80という年齢なので全身麻酔の手術は大丈夫かな、

と家族としては心配していました(執刀医は問題ないと言っていました)が、

手術は2時間ほどで無事に終了。

 

今回の手術はシャント手術といって、

頭蓋骨に穴をあけて頭蓋骨と脳の間の膜をひらき、

カテーテル(体液の排出などに用いる医療用の管)

を側脳室(脳内に左右一対ある空間)に挿入、

さらに耳の後ろ、首、胸の皮膚の下にカテーテルを入れ、脳室のカテーテルと接続し、

腹膜(内臓を覆っている膜)を切開して腹腔にカテーテルの端を挿入します。

これで脳室内にたまってしまう髄液がカテーテルを通って腹腔に排出されるようになる、という手術。

 

後日包帯がとれたときに触ってみると、

一部髪が剃られた頭の皮膚の下はボッコリ盛り上がっていて、

挿入した装置のカタチがわかり、そこから耳の後ろや首まで指でたどると

管が通っていることもわかります。

 

手術後は、脳室の圧(脳から排出する髄液の量)をコントロールするバルブを、

様子を見ながら調整するのと、リハビリのために2週間ほど入院。

 

で、母に出ていた、水頭症が原因かもしれないという症状(歩行障害、言語障害)は、

「改善するときはすぐに改善する」と手術前には言われていましたが・・・

入院中はあまり改善がみられず

入院中は、はっきりいってあまり変化は見られませんでした。

多少は期待していたものの、もともとアルツハイマーで脳の萎縮もあるし、

そうそううまくいかないだろうと思っていたので、

まあしょうがないな、と思いました。

執刀した先生は、「思ったような改善が見られなくて残念」と、

う~ん、なんでだろ、みたいな言い方をされていました。

 

で、抜糸も済み、治療はすべて終了、となったところで、

「リハビリのためにしばらく入院してもいい」って言われたんですけど、

はやく普通の生活に戻してあげたいと思い、すぐに退院することに。

特養の職員さんに迎えに来てもらい、特養へ戻りました。

 

それから2~3日して、様子を見に行ってみると・・・

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特養に戻ったら劇的に改善

なんと、手術前にはほとんど発語がなく、死んだ魚みたいな目をしていたのに、

(それと比べたら)ベラベラというレベルでしゃべるようになっていました。

介護職員さんに、「うるさい」とか言ったり。

私が歩かせようとすると「いやだよ」と言ったり。

「ごはん美味しいですか?」と訊くと「なにが?」と言ったり。

ほんのちょっとだけれど意味が通じる言葉が出るようになりました。

私に向かって、ではないけれど、私の名前をぼそっとつぶやいたりもしました。

 

さらに、手術前はベッド上では寝返りをちょっと打つくらいしか動かなかったのに、

自分で起き上がるという出来事も起き、身体機能も改善。

これには私も特養の職員さんも驚きました。

 

これを後日の通院で執刀医に話したところ、「え~っ!ほんと!?」とびっくりした様子でしたが、

なぜ、入院中は変化がなく、特養に戻ったとたんに改善したのか。

これはもう、環境の違いが影響したとしか思えません。

お年寄りの「入院」の危険性

なにかケガをしたり、大きな病気で入院したことを機に、

一気に認知症が始まったりひどくなったりする、というのはよくあることのようです。

 

私の亡父も骨折して入院したときには、ヒドイせん妄

(頭が混乱し、興奮して暴れたり大声を出したりすることもある意識障害)

が起こり、急きょ病室を多床室から個室に移したことがあります。

普通の生活に戻ればせん妄はおさまることも多いのですが、

そのまま認知症へ移行するケースも多々あるらしいのです。

 

せん妄が起こる原因は、環境の変化や手術によるストレスや薬の影響などで、

そういった意味では入院すること自体が非常に危険なことであると言えます。

母の場合、せん妄は出なかったものの、

やはり病院の環境は良くなかったようです。

身体拘束は当たり前に行われる

まあ、当然と言えば当然なのです。

なにしろ万が一勝手に歩いて転倒、とかいうことになったら

たいへんなので、病院は身体拘束してもいいか、という許可を家族に求めてきます。

実質的には許可を求めるのではなく、身体拘束するという通告ですね。

しょうがないので拘束を認めることになり、

そうするとベッドの四方は柵で囲まれ、腹にはベルトを装着されてベッドに固定されます。

リハビリや食事やおむつ交換のとき以外はその状態で過ごすわけです。

 

さきほどせん妄の話をしましたが、これで精神的にやられないほうがおかしい。

 

別に身体拘束を行う病院を批判したいのではありません。

点滴のチューブをひっぱっちゃったり、患部をかきむしったり、

歩き回って転んだりすれば治療どころではないわけで、

やむをえない場合というのは多いでしょう。

 

しかし今回の私の母の場合は、入院中は自発的な動きがほとんどない状態で、

はたして身体拘束する必要があったのか疑問でした。

なんか、「認知症があるなら、何が起こるかわかんないからとりあえず拘束」

みたいな感じになってるんじゃないか、という疑いも湧きおこります。

 

そういうこともあって、「はやく退院させて」と言ったわけです。

 

特養にもどってみれば病院と違って、

食事をするときにはほかの入居者といっしょに会話(成立してないけど)

したり、部屋では音楽を聴いたりテレビを見たり(内容はわかってないけど)、

ふつうの生活にかなり近くなるわけで、

やはり認知症というのは環境、ストレスが最大の要因なのだな、と痛感した次第です。

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