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FIFAワールドカップ 日本代表の「時間稼ぎパス回し」は・・・

ロシアで行われているFIFAワールドカップ。

日本代表はグループリーグを1勝1敗1分けで通過。

ほかの3チームは全部格上、というなかで

予想外(?)の健闘・・・というところでしょうか。

私自身はサッカーについてはまったく興味はないのですが、

グループリーグ3試合目のポーランド戦、

物議をかもした「時間稼ぎのパス回し」は、

サッカーに限らず勝負ごと全般に通ずる

様々な問題をはらんでいて興味深い。

擁護する声が多いらしい

詳細はみなさまご存じだと思うので省略しますが、

その試合には負けているにもかかわらず、

「相手にこれ以上得点されたりイエローカードもらっちゃったりしなければ、決勝トーナメントに進出できる」

という状況が試合終了間際に出来してしまった

(同時刻に実施されていたコロンビア対セネガル戦でセネガルが得点しなければ、という条件付き)

ので、とにかくヘタなことをしないように味方同士のパス回しで時間をつぶし、

勝利もしくは引き分けでの自力でのトーナメント進出を放棄して

「他力」に頼った・・・ということが賛否を呼んでいる、ということみたい。

 

結果、なにごともなく日本の負けで試合は終わり、

セネガルは得点できなかったため

日本は決勝トーナメントへ進出。

「フェアプレーポイント」といって、同じ勝ち点、得失点差のセネガルよりも

もらったイエローカードやレッドカードの数が少なかったから、だそうです。

 

しかし会場では日本に対するブーイングの嵐に。

W杯 日本の時間稼ぎ戦術 海外メディアから批判の声

 

で、日本国民はどう思っているのかというと、

どっちかというと

「勝負だからしょうがない」とか

「欧米では普通」

とかいって擁護する声が多いらしいです。

ブーイング浴びた日本の「パス回し」アンケートで7割以上が擁護

 

そりゃあ擁護するだろ。

決勝トーナメントへの進出、という当面の目的は達成できたんだから。

こんなアンケートはやるだけ意味ないでしょう。

 

しかしこれが逆の結果、

つまりセネガルが得点しちゃったりして

決勝トーナメント進出がならなかったなら、

「他力に頼るんじゃねえよ」

「ありえない選択」

とかいって猛烈な批判が浴びせられたでしょうし、

アンケートの結果は擁護の声はほとんど皆無になったにちがいない。

ポーランド戦には無残に負けているのにもかかわらず、

決勝トーナメントに進んだといってバカ騒ぎして川に飛び込む若者たちの単細胞さ丸出しの

様子をみていると、

そうなることが容易に想像できます。

 

それに、仮に日本と利害が相反するチームが同じことをやったなら、

日本のサポーターは

「ふざけるな」

「正々堂々とやれよ」

「そこまでして勝ち進みたいの」

とか言うに決まっている。

 

それを考えるとなんか猛烈に嫌気がさしてくるんですよね。

結局、応援する側は「なんだろうが勝てばいいんだよ」

と思っているわけだ。

なによりも結果が求められているということを

西野監督も代表選手たちも知っているから、

あの戦術をとった、ということでしょう。

 

私は監督や選手を非難するつもりはまったくありません

(監督も選手も基本的には「嫌だったけど前に進むためにはやむを得なかった」みたいなことを言っているし)が、

サポーターやマスコミがこれを

「欧米では普通のこと」

「素晴らしい判断」

「これが批判されるのは、日本のサッカーが遅れているから」

とか高く評価する声をきくと、なんかウンザリしてしまいます。

そっちの単細胞さのほうが問題だと思う。

 

素晴らしくはないし、だいいち試合には負けたのに。

弱かったけれどただ運がよかっただけじゃん、という声が上がってこないのが不思議。

私は、勝てなかったことも含め批判されるのが当然であって(監督も批判覚悟だったはず)、

褒めるのは間違っている、と思うのですが、

サッカーの世界というのはそうではないらしい。

サッカーは「フェアプレー」のイメージが全然持てない

私がサッカーに興味がもてないのは、

「フェアプレー」などという言葉からは最も縁遠いスポーツであるように感じるから。

偏見であろうことは重々承知です。

 

いちばん気に入らないのは

「わざと倒れる。痛がる。演技する」

のが当たり前の世界であること。

まあ、接触してほんとうに倒れちゃうことももちろんあるだろうし、

ほんとうに痛いことも多いでしょうが、

みているほうにはそうは見えないことが多々ありますね。

あれって学生とかでも同じなの?

 

ブラジルのネイマール選手がコスタリカ戦でペナルティエリア内で

相手側選手と接触して大げさに倒れて

PK獲得を狙ったものの、ビデオ判定でファウルなしと判断されちゃって

「クッソ~、騙せなかったぜ・・・」みたいなカオをしていたのを見ましたが、

こういうのがものすごく気持ち悪い。

 

こういうのがサッカーの上級テクニックであって、

審判を欺くのが上手なのが年俸何十億円という一流選手の条件、

であるなら、サッカーっていったいなんなの、と思うのですよ。

 

今回の時間稼ぎパス回しを、

「批判するのは日本のサッカーが遅れている証拠」

という人は、

わざと倒れてわざと痛がるみたいな欧米選手の見苦しい行動を、

「普通のこと」

「勝つためには当たり前」

と言うのでしょう?

 

だからサッカーを見る気がしないのです。

もちろん選手は命懸けでやっているんでしょうが、

命を懸けて戦っているはずのサッカーをみていても、

その戦いぶりに清々しさや感動を覚えることはなぜかほとんどない。

 

サッカーに関わる人たちはみんな、

「きれいごとじゃあ勝てない」と思っている?

まあ実際そうなんでしょう。

卓球の水谷隼選手は、中国選手の多くが不正ラバーを使っている

にもかかわらず、自分は決してそれを使わなかったらしいですが、

サッカー的な論理からすればそれはただの

「バカ正直」ということになってしまうわけか。

 

そして、大相撲で白鵬や鶴竜が張り差しや立ち合い変化を駆使するなか、

命を削りながら真正面からぶつかっていくスタイルをつらぬく力士は

ただの「バカ正直」となるわけだ。

立ち合い変化すれば勝つ確率が上がるのに、真正面からぶつかって負けるのはバカ、ということだ。

それはそれで間違ってないけれど、なんか気持ち悪い。

「ルール上問題ない」で済ます思考は危険

大相撲の立ち合い変化や張り手などでも言われることですが、

「ルール上問題ないのでOK」ということが

こういう問題ではよく言われますね。

 

今回の「パス回し」もたしかに問題ない。

ポーランド選手は勝ちたければボールを奪いに行けばいいんだし、

ボールを持っている限り相手ゴールへ突進していかなければならない

なんていうルールもないでしょう。

 

しかし、「ルール上問題ないからOK」というのは、

政治家がスキャンダルを起こしたときに言う

「法的には問題ない」という言葉を彷彿とさせます。

この言葉をきいて「だからってそれで済まされるのか」

と憤りを覚えたことがある人はたくさんいるでしょう。

 

これと同じようなもので、

今回のことも

「ルール上は問題ないけど、これでいいのかな?」

ときちんと考えることが必要なのではないかと思うのです。

 

西野監督手はそれを考え抜いたうえで決断したのでしょう。

「自分の信条ではない」と言ってましたね。

 

しかしファンやマスコミが何も考えずに

「ルール上問題ない」

「結果がよかったんだからOK」

とか言って手放しで褒めるのは違和感を覚えます。

 

ここは、ファンは批判を展開するべきでは。

もしくは批判するにしろ擁護するにしろ、

もっと議論が湧きおこるべきじゃないでしょうか。

「結果が出たんだからいいだろ」で思考停止するべきではないのでは。

 

まあしかし、海外メディアが日本代表を批判するのをみると、

「お前らの国の選手はもっとダーティなことやってるだろ・・・」と思いますけどね。

他国になんだかんだいわれる筋合いはない。

日本が「フェアプレー」を積み重ねてきていたことは間違いないんだし。

 

サッカーのことはなにも知りませんので、

勝手なことをたくさん書きました。

いろいろなことを考えさせられる問題だと思ったので。

日本代表の健闘をお祈りしています。

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