先日、NHK「クローズアップ現代」で
ネット通販(とりわけAmazon)の商品レビューの
「やらせ」について特集していました。
私も細々ながらAmazon.co.jpにて出品者として商売をしており、
購入者としてもヘビーユーザーであるので、
やらせレビューについては知っていたし
一目見れば「やらせ」かどうかだいたいわかる・・・
と思っていましたが、そのカラクリについてはあまりよく知らなかった。
やらせレビュー特集の番組自体にNHKのやらせが含まれてないかに注意する必要がありますが
そこはとりあえず置いておくとして、興味深い内容でしたので記事にしておきます。
買ってない人間でもレビューできるからいけないんだろ、と思っていたら・・
Amazonのカスタマーレビューって、Amazonでその商品を買ってない人でもレビューを投稿できるんですよね。
やらせレビューが氾濫するのはこのシステムのせいなんじゃないの・・・と思っていましたが、
番組のなかでやらせレビューを書いていた人(日本人)が出てきて、
Amazonで買い物する→高評価レビューを書く→商品代金と報酬をもらう→商品はフリマアプリで売却・・・
というバイトをしてるという話をしてるのをみて、
ああ、こういうカラクリで「Amazon.co.jpで購入」っていうマークがついてるやらせレビューが
いっぱいあるのね・・・と納得。
要は、出品者がレビュー業者に依頼→レビュー業者がやらせレビュアーをあつめてレビューを書かせる・・という流れらしい。
さきほどのシステムでは出品者は商品を1個あげなきゃならないので業者はそんなに儲からないのでは・・とも思いましたが、
もともと商品がまがい物や欠陥商品など粗悪なものであれば、
広告費だと思ってカネをかけてやらせレビューをたくさんつけて売り抜けたほうが儲かるのでしょう。
やらせレビューにかかわっているのは多くの場合は隣の大陸の人間らしいので、
いかにも不自然なレビューがズラズラついているものは警戒したほうがいいですね。
ていうか、出品者情報なども確認し、中国系がからんでいるのを少しでも感じられた場合は買うのをやめたほうが無難でしょうね。
Amazonは中国から撤退して正解でしたね。
私もレビューを参考にすることはあるが・・・
私がAmazonで買い物するのはほとんどが書籍やCD。
新刊や新作CDの場合はレビューはないので関係ないですが、
旧作の場合はほんのちょっとだけレビューを参考にする場合はあります。
CDなんかの場合だと「いかにも『やらせ』」っていうレビューはあまり見ないし、
音楽雑誌の提灯レビューなんかよりはよほど参考になる・・・とは思うのですが、
それでも注意しなければならないことはあります。
Amazonでは、良質なレビュー(「参考になった」と評価されたレビュー)が多いカスタマーなどを対象に
「VINEメンバー」といった称号を与えて、
に招待し、これから発売される商品などを無償で提供し、
そのかわりレビューを書いてもらう・・ということを行っているらしい。
レビュアーはタダで商品をもらおうと思って、なんとかしてVINEメンバーになろうとする。
VINEメンバーになるには、
レビューに表示される「このレビューは参考になりましたか?」のところで
「はい」をたくさん押してもらわなくてはならないので、
レビュアーは「はい」を押してもらえるレビューを目指す。
するとですね、家電や家具の場合は知りませんが、
音楽CDなどの場合はどうしても
「適当に褒める」レビューになっちゃうんですよね。
私の好きなヘヴィ・メタル系のCDでも、
「この人どこにでもレビューをあげてるなあ・・」っていう「VINEメンバー」がよくいるんですけど、
まあ~なんの参考にもならない、無難でありきたりなことしか書いてない奴ばっかり。
コイツ実は中身を聴いてないだろ・・・っていうくらい。
そうなるともう参考になるどころか害悪しかない。
悲しいけど、ネット上のものはすべからく眉に唾をつけて見るべき・・なのかも。
そういうこともあるので、
カスタマーレビューなどといったものは基本的に信用できないもの、
と考えたほうがいいんでしょうね。
今回の「クローズアップ現代」のなかでは
中国人出品者が
「日本人は自分で考える意識が低い」とエラソーに言っていましたが、
結局大事なのはそこなのかな、と。
そもそもインターネットの世界にはイカサマ、インチキがそこらじゅうに氾濫しているのだから、
ネットの中ではそのつもりで行動しなくてはならない。
CDなんかだったら失敗してもそれほど痛くないけれど、
家電だの家具だのといったものはできるだけリアル店舗で買うべきでしょうね。
しかし、商品を実際に見たり試したりして買うことができないネット通販においては
レビューが信用できないというのは致命的なことであるはずで、
そう考えればAmazonはこの問題に全力で取り組まなければならないはず・・・
なんですが、どうもそういう危機意識はAmazonからはみえてこない。
だからいつまでたっても、
「地球上でも最もお客様を大切にする企業」という宣伝文句が空々しく聞こえるんだよ・・
ということをAmazonはよく認識するべきじゃないでしょうか。