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「血液脳関門」を突破する、アルツハイマー病治療の最新研究が凄い

19日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に、

「ナノ医療イノベーションセンター」の片岡一則センター長が VTRで出演、

かなり凄いアルツハイマー治療・予防の研究が

すすんでいる、ということで興味深かったので書いておきます。

「ナノ医療」

「ナノ医療イノベーションセンター」という存在を私は知りませんでしたが、

そのサイトにセンター長である片岡氏が以下のようなビジョンをのせています。

人々が疾患から解放されていくことで、自律的に健康になっていく社会(スマートライフ社会)の実現を目指し、ナノ医療イノベーションセンターでは、人体内の「必要な場所で・必要な時に・必要な診断と治療」を行うウイルスサイズ(~50nm)のスマートナノマシンの創製による体内病院の構築など、これまでSFの世界でしか語られることのなかったことを現実のものとするために様々なプロジェクトが進められます。

一読するだけでは、ちょっと何言ってるかわかんない。

「スマートナノマシン」とは「薬剤などを搭載した超微細なカプセル」。

そのカプセルが体内を巡り、異常を検知すると薬剤を放出、治療をしてくれる、

というまさに「体内病院」。

もうすぐ実現、「体内病院」の衝撃! ――体内を自由に駆け巡り、検査・診断・治療までしてくれる究極のナノマシン インタビュー 医療 もうすぐ実現、「体内病院」の衝撃! ――体内を自由に駆け巡り、検査・診断・治療までしてくれる究極のナノマシン

上に貼った記事中ではこのシステムを

名作SF映画「ミクロの決死圏」にたとえています(私も子供のころに観て衝撃を受けた)が、

実現するならまさしくそんな感じですね。

amazon.co.jp ミクロの決死圏

この技術で、がん医療では実用化がかなり現実味を帯びた段階まで来ているようです。

で、アルツハイマー病についても、

この技術が画期的な役割を果たすかも、というところまで来ているらしい。

血液脳関門を突破するのが難儀だった

以前の記事→アルツハイマー病は確実に治せる」はほんとうか

で、アミロイドβ(アルツハイマーの原因物質とされているたんぱく質)

の分解を促す作用のある物質がなにか、はわかっているものの、

血液脳関門(脳をウイルスなどからガードする細胞)

を突破し、かつ脳に作用する物質、というのが少ないので

まだまだ研究はこれからという段階・・・という話を書きました。

 

脳は人間の中枢として最重要な臓器であるため、

ガードする関門がとくに強固にできている、

ということで、ここがまさにアルツハイマー克服のための「関門」だった、と。

この関門のために、脳に薬剤を届けることが困難になっていた。

 

で、今回の話だと、

その関門をあける「鍵」として

「ブドウ糖」を利用するらしい。

 

薬剤を中心に搭載したカプセル。その表面に「ブドウ糖」をくっつける。

「ブドウ糖」は脳には絶対に必要なエネルギーであるので、

当然「ブドウ糖」は血液脳関門を突破できる。

なので、おなかを減らしたりして脳が「ブドウ糖」を欲しているときに

このナノカプセルを脳の血管に流し込んでやると、

脳が「騙されて」ブドウ糖と一緒に薬剤も取り込んでしまう・・・

 

この方式で、抗体を送り込みアミロイドβを減らしちゃうとか、

遺伝子に直接作用する「核酸医薬」(通常では血液脳関門をまったく突破できない)

を送り込み、アルツハイマー病の原因物質をつくる酵素のはたらきを抑えてしまうとか、

もちろん有機物質でできた「薬」でも送り込んでしまえる、ということで、

つまり治療の選択肢がものすごく広がる、ということらしい。

 

自分で書いてても難しくてよくわからないですが、

すでにマウス実験では効き目が確認されているということで、

順調に進めば5年以内には

「臨床に入れる」

とおっしゃっていました。

 

こういう話をきくと、

「いままでの薬はいったいなんだったんだよ・・・」

という話にもなっちゃうと思うんですけど、

実用化されればこれは凄いことかも。

アルツハイマー病が発症しない段階でアミロイドβの蓄積を発見し、

そこへナノマシンをぶちこんでしまえば、

少なくともアルツハイマー型認知症は予防できる、ということですよね。

この治療が当たり前になって安価になるころには、

60歳になったらナノマシンを入れましょう、とか、

健康診断レベルでアルツハイマー予防がなされる時代が来るかもしれない。

 

できうれば私の母が存命中に実用化されてくれて、

ナノマシンを投与したら症状が改善され、

もう一度でもきちんとした会話ができたら・・・

と夢みたいなことを願いつつ、

このへんにしておきます。

 

今後の研究の進展に期待したいです。

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