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認知症の母:便秘で苦しむ

先日、特別養護老人ホームにいる認知症の母に会いに行ったら、

母のベッドで介護職員さんが2人、なにやらやっている。

私に気づくと「すみません、ちょっとお待ちください」

と言うので部屋の外で待っていたのですが、

あとできくと「便秘がひどいので・・・」とのことで、

つまり座薬を入れていたのです。

今回は高齢者の便秘についての話。

キッタない話も含みますのでお食事中の閲覧はご遠慮ください!

ふたりがかりで座薬を入れられる

便秘がどれだけ続いているか訊きませんでしたが、

職員さんがふたりで母に座薬を入れ、

母が若干抵抗している姿を横目で見ていると、

表現しがたい哀しみ、虚しさをおぼえました。

 

私の亡父も晩年にはひどい便秘に苦しみました。

トイレで何十分もウンウン唸って結局出ない・・ということが多く、

唸るどころか叫び声をあげているくらいふんばっていたので、

トイレで倒れるんじゃないかと心配して

「浣腸してやる」と言うと、「嫌だ」と拒否していました。

 

亡父は、寝たきりになったときに「オムツをつけさせてくれ」と私が頼んでも

「嫌だ」と言っていました。

 

この頃の私は歩けない父と認知症の母のダブル介護状態で全然余裕がなく、

オムツをつけさせられたり浣腸されたりするということ、

しかもそれを息子にやられるというのは非常に屈辱的なことである、

というのを、まったく理解していなかったし慮ってやることもありませんでした。

「嫌だっつったって、しょうがないだろ!」と大声を出したりしたことを

たぶん一生後悔し続けると思います。

 

母も(普段は一応トイレに連れて行ってもらって用を足しているようですが)

座薬を入れられ、オムツをつけさせられるのは、

意思表示はできないけれど嫌だ嫌だと思っているんだろうな・・

と考えると苦しくなりますが、

高齢者の便秘はとっても怖いらしいのでしょうがないのかな、とも思います。

高齢者や認知症患者は便秘になりやすい

・高齢になって運動不足や寝たきりになったり、食事の量が減ったりすると腸のはたらきが悪くなり便秘に

・認知症によって自律神経の機能が低下、腸のはたらきが悪くなり便秘に

・認知症薬の副作用で便秘に

・オムツを常用することにより便意を感じなくなる

 

などといった原因で、高齢者、とくに認知症になると便秘になりがちになるようです。

そして、薬を使うことが多くなってくると、腸の感覚が鈍って便意を感じなくなり、

さらに便秘がちになる、という悪循環になるそうです。

予防策を実践できない!

で、便秘を予防するには・・・

 

・食事を規則正しく、食物繊維や水分を多くとる

・適度な運動

・いつも決まった時間に排便

・オムツは使わない

・下剤は使わない

 

・・・といったことがよく言われます。

 

でも、年齢が高くなりさらに認知症にもなると、

この対策を実践するのが難しくなります。

 

私の母の場合、

規則正しく食事をする、というのは施設で管理してくれていますが、

水分はあまりとらない(飲んでくれない)し、運動はできないし、

トイレに決まった時間に誘導してもなかなか自分でできないし、

いまさらオムツなしで過ごすのは難しい。

ということで出なければ薬、ということになってますます自分で排便するのが困難になる・・・。

 

高齢になり認知症を患うと、こういう八方ふさがりな状況というのは

よく出来するもので、長生きすればいつか必ずこうなる・・・

のはやむを得ないんでしょうが、できるかぎりそうならないように

若いうちから生活習慣に気をつかうことが大事、ということでしょうね。

認知症対策のつもりで飲んだ緑茶で便秘になりました

余談ですが、私もつい最近、恐ろしい便秘に悩んだことがありました。

 

「緑茶に認知症のリスクを下げる効能がある」

ということが最近言われていますね。

それで、私も緑茶を常飲することにしようと思って、

朝に緑茶を1杯飲み、パチンコ打ってる時の飲み物もペットボトルの緑茶

(タバコ吸わないかわりにいつも飲み物をチビチビやってるので、1日に3本くらい)にし、

夕食後も緑茶を飲む。

 

しばらくそうしていたら、一週間くらいお通じがない事態になりました。

 

基本的に緑茶は、カテキンの作用により腸内環境を整え、お通じをよくする力がある、

はずなのですが、飲みすぎるとカフェインの利尿作用によって

腸内の水分が奪われ、逆に便秘になる・・・そうで、

私の場合は飲みすぎだったのかもしれません。

 

どれだけふんばっても出ない!

出口まで来ているのはわかってるのに・・出ない!

私はこれまでの人生で便秘で苦しんだという経験はほとんどなかったのですが、

晩年の父がトイレで叫んでいた姿を思い出し、はじめてその気持ちがわかった次第。

下剤を飲んでみても、おなかがゴロゴロはするんだけど出ない!

どうやら出口でカチンカチンになっていてふさがってるんだな・・。

こうなるともう浣腸するしかない、と思ったのですが、

これもやるのやだなあ・・・と思い、

父が浣腸を拒否した気持ちもこのときにはじめて理解できました。

 

ひとの気持ちは自分が同じ立場になってみないとわからないということですね。

たぶん私も、自分が認知症になったときにはじめて母の気持ちをほんとうに理解するのでしょう。

 

しかし腹の張りの苦痛に耐えきれず、ついに生まれてはじめての浣腸を実施。

なにしろやったことがないので1回目は薬が出ちゃって失敗。

2回目を実施して数分後にゴロゴロゴロ・・・と来て、

ついに出ました!

 

便器の中を恐る恐る覗いてみると、

そこにはカリントウよりも真っ黒でコンクリートのように硬い物体が・・・。

 

もう恐ろしく体力を消耗してしまって、その日はパチ屋に行く気も起きず一日寝て過ごしました。

父が味わっていた苦痛をはじめて知り、

出ない、出ないと騒ぐ父に向って

「そのうちに出るよ!」

「気にしすぎなんだよ!」

「浣腸すりゃあ出るよ!」

とうるさがって冷たくあしらった自分を思い返し、

後悔と自己嫌悪の渦に陥りました。

 

これ以後、緑茶は朝もしくは夜に1杯だけ、

パチ屋でのドリンクは水・・・にしたところ

便秘は起こらなくなり、やはり緑茶の飲みすぎが原因だったようでした。

便秘がこれほどつらいものとは知りませんでした。

認知症の周辺症状とも関連が

余談はともかく、

認知症の方が便秘になると、そのストレス、イライラによって

暴れたり暴言を吐いたりといった行動に出たり、

便秘によって睡眠が浅くなり夜間の不穏や徘徊につながったりするそうです。

 

母を在宅介護していたころ、夜間の不穏に悩まされたことがあったのですが、

認知症の周辺症状がいきなり始まった①~睡眠障害~

このころにはそういうことにあまり気を使っていませんでした。

まだ自分でトイレに行けていましたからチェックしていなかった。

 

ですので、在宅介護で周辺症状に悩んでいる方は、

そのあたりを見直してみるのもひとつの手かな、と思います。

 

便秘の危うさを理解し、生活習慣に気を付けることによって予防することが、

認知症の予防や改善にも有効、ということだと思うので、

意識していこうと思っています。

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