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大相撲は死んだ~平成29年九州場所~

もうほんとに大相撲関連の記事は書きたくないんですけど、

このあまりにもヒドイ状況を

なんとも思ってないと思われるのがイヤなので書いておきます。

前代未聞の「物言い」事件を起こした

横綱白鵬が優勝しましたが、

もはやだれが優勝したかなどどうでもよい。

「物言い」問題はもう終わりなの?

本場所の土俵上で起こった出来事という意味で、

日馬富士問題よりもよほど重大であるはずの

11日目の嘉風戦における「物言い」問題は、

協会が白鵬に「厳重注意」。

ええ~?それで終わりなの?

 

これが下っ端の力士だったら相当に重い処分がくだったでしょうね。

八百長問題のときもそうだったけれども、

興行に影響の少ない下の力士はどんどんぶった切るくせに、

そうではない力士が相手だとトコトン甘い。

 

で、白鵬は審判部に謝罪をしたそうだけれども、

審判部は「わざわざむこうから来てくれた」

「横綱も勘違いしているところがあったので、そこを教えた」

と言っていたようです。

 

なにそれ?

あの場面は、審判が総出で力づくででも白鵬を土俵にあがらせて礼をさせ、

土俵をおりない白鵬を土俵からたたき出すべき場面だった。

そして、「あんな奴は明日から出場停止」というコメントを出し、

緊急の理事会を招集し、白鵬の進退について協議する・・・

という流れになってしかるべきだった。

相撲というものをきちんと理解している人であればあるほど、

あのシーンの異常さが感じ取れたはずです。

 

それなのに、「わざわざ自分から謝りに来てくれた」とか・・バカなの?

しかも、「横綱も勘違いしていた部分があって、それも教えました」というのは、

まさか「物言いっていうのはね、審判と控え力士だけがつけられるんだよ。」

って教えたっていうことなのか。

そんなことすら、横綱が知らなかったというのか。

過去にはファンにむかって「みなさんもっと相撲を勉強してください」と言ってのけた力士が!!

関連記事→横綱審議委員会は白鵬にこそ引退勧告するべきだった

優勝インタビューは違和感だらけ。気持ち悪すぎる

そんな恥ずかしい横綱が、

臆面もなく

「場所前に水を差すようなことがあって・・全力士を代表しておわびします」

みたいな発言を。

もちろん日馬富士の事件のことですが、

オマエもその場にいたんだから当事者だろ。

よくもまあこんな他人事みたいな言い方ができるものです。

 

さらに、「膿を出し切って、日馬富士関、貴ノ岩関を再びこの土俵に立たせたい」

とも発言。

もはや自分自身が「膿」になっちゃってることに気がついていないところが

あまりにも悲しく情けないですが、

日馬富士の問題はまだ警察の捜査が継続中であり、

白鵬自身もこれから警察からいろんなことを訊かれたりするであろう段階なのに、

ファンにたいして「もう、いいじゃないですか。許してあげましょうよ」

みたいな発言をしちゃう。

どれだけ思い上がっているんでしょうか。

 

そして、意味不明の「万歳」。

なにをどう考えて「万歳」とか言っていたのか

まったく理解できない。

そして、いっしょになって万歳三唱し、

白鵬のトンチンカン発言に無邪気に拍手と歓声をおくる観客。

これだからモンゴル人力士たちや協会幹部は

ファンをなめておかしなことをいっぱいやるわけです。

ここはブーイングの嵐になるか、シーン・・・という微妙な空気に

なるのが当然だったんじゃないか。

ガチさが感じられない相撲にはカネを払う価値はない

そして、どこからどうみても注射だろ・・・

という、真剣さがまったく感じられない相撲内容が多いうえに、

ひたすら左からの張り差しばかりを狙う見苦しすぎる立ち合い

(嘉風戦なんか、思いっきり張りに行ってるのに「呼吸が合わなかった」ですからね)。

 

とにかく、彼の相撲からは一生懸命さ、

鍛え抜かれた男と男が命がけでぶつかりあう緊張感が感じられない。

「力の差が大きいからそうならない」というのは間違いなくウソ。

それならばその力の差を埋めようとして死ぬ気であがく気迫が対戦相手にあってしかるべきですが、

そうでない力士がものすごく多い(栃ノ心、碧山、琴奨菊、千代の国とか、その他たくさん)。

 

真剣勝負がみられないんだったら、

大相撲にはカネを払ってまで見る価値などないと思うんですよね。

プロレスのほうがよほど面白い。

 

プロレスは、ガチでないかわりに

ガチの格闘技ではみることのできない

華麗さやエンタテインメント性を高め、

ある意味でガチの戦いよりも激しい戦いを

みせることに価値があるわけでしょう。

 

対して相撲はどうか。

土俵入りなど、見世物としての部分ももともとあるけれど、

基本的にはエンタテインメントではなく、武道という性格のほうが強いですよね。

真剣勝負でない武道に意味があるんでしょうか。

 

「みせる」という側面においても、

プロレスのような見栄えのする技とか

おもしろいマイクパフォーマンスとか

そういったことは(少なくとも本場所では)できない。

「命がけの真剣勝負」のみが、本場所の相撲でウリにできる部分でしょう。

それ以外、相撲のどこにカネをとれる価値があるというのでしょうか。

相撲協会は、太った若者ふたりが汚い尻を丸出しのカッコウで

茶番劇を繰り広げるのをみせて、それだけでカネがとれると思っているのか。

真剣勝負(だと思っている)からこそ、ファンはカネを払うのだ、

ということを忘れてないか。

 

もちろん、エンタテインメントを提供する「巡業」には

それはそれで価値があると思います。

しかし、いまや幕内の力士の多くが、

本場所でも巡業みたいにユルユルの相撲をみせている

ような気がしてなりません。

 

いわゆる「若貴」時代の二子山部屋の力士や、

それと対戦する力士たちの相撲には、

男が勝負に命を張っているという緊張感がみなぎっていたように思います。

だからこそ私も何度もおカネを払って国技館に行き、

男としてシビれた。

 

貴乃花や貴闘力の相撲をYOU TUBEでみてみればよい。

いまの白鵬らの相撲にガチさがまったく感じられない、

というのがわかるはずです。

(貴乃花を師匠にもった貴ノ岩なら、日馬富士や白鵬に敬意など持つはずがないでしょうね。だから、生意気に思われて、あんな事件が起こったんじゃないか。)

大相撲の死を目撃した気分

いずれにしろ、サッカーみたいに審判に抗議したりしちゃう

横綱が非難もされず、優勝して称賛され、

インタビューでは軽はずみで勝手な発言ばかりして、

それでも拍手喝采を受けちゃう・・・

というのをみて、またまた心底、大相撲に幻滅した次第です。

 

今場所の一連の流れは、

まさしく大相撲がゆっくりと死んでいくのを

まざまざとみたような感じでした。

11日目の「物言い」事件が白鵬を切るいいチャンスだったのに。

白鵬をはじめとした問題力士に

きちんと対応してこなかったツケがたまり、

その白鵬たちがガン細胞のように増長し、

ついに大相撲はそのガンによって死を迎えようとしている・・と感じます。

すべては目先のことしか考えなかった協会幹部と横審の責任。

 

いまからでもそのガンを切るか。

ガンを切ればそれなりの苦しみはあるでしょうが、まだ助かる見込みはあるかもしれない。

それとも、治療の苦しみを拒否し、ほったらかしにしてガンに殺されるか。

いちど死んで生まれ変わりを目指すのもいいのでは、と思います。

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