最近のパチンコは右打ち中の「技術介入」の効果が少ない台ばかりになりましたね。
右打ち中の技術介入とはすなわち、アタッカーや電チューの開閉タイミングに合わせて玉を発射して無駄玉を減らす「止め打ち」や、ハンドルをひねるようにして打ち出すことでアタッカーへのオーバー入賞(10カウントなら9個入れたところからひねって11個入賞させる)を狙う「ひねり打ち」などのことですね。
「ひねり打ち」に関しては私はもともとそれほど上手ではないしなにしろ目立つのであまりやりたくない。なので今出ている台のどれが「ひねり打ち」の効果がある台でどれが効果がないのか、ちょっとわかりませんが、「止め打ち」のほうはもう業界全体でそれを封じようとしている感がありますね。メーカーは電チューの返しが1個の台をつくり止め打ちしても玉が増えないようにし、一部のクソホールはあいかわらず「止め打ち禁止」とか寝言をぬかしているらしい。
私も何度か止め打ちで注意をされたことがあり、いま通っているホールでも数年前「CRヴァン・ヘルシングⅡ」を打っていたときに「変則打ちはお断りしています」と言われた。まあこの台は電チューの返しが2個でロング開放のときには3個とかいっぺんに入る仕様で、まともな釘調整の台でまじめに止め打ちすると電サポ中にモリモリ増えてしまったので、店も私のような毎日来る人間がシコシコ止め打ちするのは放置できないと思ったんでしょうね。
そのときは店員さんとちょっとした問答になって、つまるところ「(止め打ちという行為自体は基本的に黙認しているが)それで増やしてもらっては困る」という認識を示されたのです。ホールコンピュータに異常として察知されてしまうくらい増えてはダメ、ということらしい。
いやいやいや玉を増やすのを目指して打つのがパチンコなんじゃないのか?とさらにツッコむのも無駄、あまり食いさがって出禁にされたら困る、と思ってそれで引き下がり、それ以後は「増えないように、減らないように」という意識で手抜きして止め打ちするようにしていました。もったいなかったけど仕方がない。
そのへんについては以前に書きましたが、→パチンコ:技術介入を禁止するようなホールは淘汰されてほしい 、最近の台は電チューの返しが1個なのが主流になり、もはやどうあがいても止め打ちで増やすことはできない台ばかりに。「減らないように」止め打ちする意味はあるから私も止め打ちは相変わらずやっていますが、増えないからなのか注意されることはなくなったし、他人が注意されているところを見ることもなくなりましたね。いまだに注意したりしてるホールもあるようですが、じぶんたちの業界は沈みゆく斜陽産業であるという認識はないんですかね。そういう危機感があれば「止め打ちすんな」とか口が裂けても言えないと思うんだけど。「軍団」だのに来られるのが嫌ならそれはその都度対応すればいいだけなのに。
ともかく、技術介入で増やすことができない台ばかりになったっていうのは業界的には「よかったよかった」っていうことなのかもしれない。しかしそれって、はたして長い目でみてイイことなんだろうか。
「数字が高速で動くだけでつまらない」のではなく、ただハンドル握りながらそれを眺めているだけだからつまらないのでは?
近頃のデジパチは右打ち中および大当たり中の消化を高速化させるのが流行っているようで、すると右打ち中の液晶演出は基本的にシンプルなものになりますね。「機動戦士ガンダムユニコーン」なんかがその高速ラッシュ(と、カスタムによりさらにシンプルにできること)の爽快さで人気になり、それを継承した台が今も人気になっている。
それはそれでべつに悪いことではないし私も嫌いじゃない。余計な煽りが減る、ていうかカスタムすれば「煽りが発生すればすなわちほぼ当たり」となるユニコーンみたいなのは大歓迎。
しかしそういう「数字が動くだけ、告知待ち」というのが退屈、という人も多いようですね。デジパチがマンガ液晶で煽るのが基本というゲーム性になってからパチンコを始めたという人たちはそうなるのかもしれません。もともとデジパチは「数字が回るだけ」というものだった、という認識のオールド層はそうはならないでしょうが、そういうオールド層はいまのデジパチについていけなくなってみんなパチンコをやめてしまったか、もしくは海物語しか打たなくなってしまった。
本質的にはパチンコは「数字が動くだけ」でもじゅうぶんに楽しめるはずのものなのですが、いまはそれは受け入れられないでしょう。それはなんでかというと、現代のパチンコが「ハンドルをにぎってマンガ液晶を眺めるだけ」のものになっていて、「銀玉の動きをなんとかコントロールして出玉を増やそうと努力する」という本来的なパチンコの楽しみ方ができなくなってきているからでしょう。
右打ち中は基本打ちっぱなしでOK、多少削られるとしてもそれを自分でなんとかする余地がほとんどないとなれば、打ってる最中には液晶を眺めながら「当たれ!」と祈ることしかできない。だから飽きるし面白くないんだけどなあ。ユニコーンのように告知演出が気持ちイイとかいう魅力があれば話は別になることもあるけど、いい年こいた大人が「チャンス」とかいって煽られるだけのマンガを眺めるだけのゲームをそう長いこと飽きずに楽しめるわけがない。
するとやっぱり、通常時にしろ右打ち中にしろ、なんらかの「技術介入」は必要になってくるはずなのです。マンガを眺めているしかやることがないからつまらないんだから。
「技術介入」に集中できる台なら演出がどれだけクソだろうとそれなりに楽しめる
先日「P真・北斗無双Re:319Ver」で久しぶりに連チャンしたんです。
大ヒット機種「CR真・北斗無双」のシステムと演出をほとんど継承した台。私は「真・北斗無双」の演出は通常時も右打ち中もとにかく煽りがうるさいのであまり好きではないんです。通常時はアツくもないのにいちいち疑似連や保留変化が発生しすぎだし、ラッシュ中もどのキャラを選んでも結局先読みやリーチ煽りがウザい。保留変化を煽るところなんかは我慢できませんね。
しかしそれでも、ひさしぶりに打ってみるとそんなに悪くないという印象をもったのです。それはなぜかというと、右打ち中は電チューの開閉タイミングを狙って打てば玉減りをかなり削減できる、という技術介入要素がきちんと搭載されているから。しかも電チューの動きは初代と違って単純。釘調整にもよりますが、私が打つホールでは打ちっぱなしの場合と止め打ちを実施した場合とではST130回のあいだに100個くらいは差が出る。
右打ち中は止め打ちに集中するので、液晶演出なんてはっきりいってどうでもいい、というか気にならないんですよ。右打ち中にマンガ液晶を眺める以外の集中できるなにかがあれば、マンガ液晶で展開される演出がどれだけクソであろうが耐えられるし楽しめる。先述の「CRヴァン・ヘルシングⅡ」もものすごく打ち込んだわりにはどんな液晶演出だったか全然覚えてない。止め打ちに集中するから液晶演出は横目でみているだけでしたから。しかしそれがつまらなかったかというとそんなこともない。玉の打ち出しタイミングやストロークをコントロールして、なんとかして少しでも出玉を増やそう、とすることこそがパチンコのプリミティヴな楽しみであるからです。現代のパチンコはそこが逆になっているからつまらないんだよなあ。マンガ液晶を眺めて運試しすることがすなわちパチンコ、というふうになった(そうなるようにしている)からパチンコは滅びへ一直線になっている。
技術介入要素があるということこそがパチンコの「遊技」たるところのはずで、大当たり中及びラッシュ中の技術介入要素を極限までゼロに近づけた台しか出てこないという昨今の風潮は、パチンコの斜陽化をますます加速させていくだろうなあ、と感じています。
いやもちろんそういう台があってもいいんですよ。ユニコーンは(覚醒HYPER中だけは)よかったし、エヴァもフルカスタムならまあ楽しめるようになっている。そういうふうに「告知のキモチよさ」に特化するために高速消化にした、そのために打ちっぱなしでもいいようにした・・・というのならそれはそれで別にいい。でも、そういう台ばかりになってしまってはいけないと思うなあ。ものすごく難しいけど練習すればちょっとは得する、っていう技術介入要素のある台もあってくれないと。
「公平に遊技してもらうために技術介入を禁止」っていうホールもあるけれど、それはいろんな意味で矛盾しているっていうのは何度も言ってきたとおり。そもそも「遊技」であって「賭博」ではない以上、上手い人のほうが得をするのは当たり前、そして客が出玉を増やそうとしていろいろ考えるのは当たり前。どんな人も公平に、すべて運否天賦、というのではカジノと変わらなくなる。だいいちパチンコで技術介入を否定するならパチスロでも目押しを禁止にしなくては辻褄が合わない。「止め打ち禁止」とかぬかすホールのパチスロコーナーは全部がGOD系だけになっていなければおかしい。
いずれにしても、適度な技術介入要素があってこそパチンコはオトナが楽しめる「遊技」になれるというのは間違いないところで、高速消化なんかいらないから技術介入にチャレンジする楽しみと喜びがほしい、と思ってます。