4月1日より改正健康増進法が全面施行に。
それに伴いすべてのぱちんこホールは屋内全面禁煙(囲われた喫煙場所の設置は可)に。
喫煙派のパチンカーにとってはもちろん迷惑な話、喫煙客をつなぎとめてできるだけブッコ抜くことしか考えてなかったぱちんこホール経営者にとってももちろん災難。
そして私のようなタバコを嫌悪するパチンカーにとっては福音。
といっても本音をいえば「20年遅い」という話なんですけどね、隣にどんな人間が座るかを気にしなくていい(タバコ以外の部分でマナーを知らない人はかわらずに存在するのであまり変わらない気もするけど)というのは、ニオイだのなんだのという問題以前に遊技の快適度が爆上がりになりますね。
ホールの姿勢が滲みでて興味深い
私が巡回するホールたちのすべては、結局3月31日まで禁煙化に取り組むことはありませんでした。
それどころか4月1日になるまで客に対して事前になんのアナウンスもしないホールもあったり。逆に数か月前から「喫煙所」を屋外につくり、店内の掲示物で「4月1日から~~」とお知らせをしていたホールもありました。このあたりに経営者の姿勢というか、意識の高さ低さが表れている気がしました。
まあ何度も書いているように、客商売としてほんとうに意識を高く持っていれば、法に先駆けて法の求めるところよりも高いレベルでの禁煙化に取り組むんだろうと思うんですけど、そういったホールは私の地域には残念ながらなかった。
4月からの喫煙客への対応にもホールによって差が出ていましたね。
カネやスペースに余裕があるかどうかで違うんでしょうが、私の巡回ホールの対応は・・・
①既存のスペースを使って(これまで何に使っていたか不明。倉庫とか?)店内に密室の喫煙室をあらたに設置。
②屋外の駐輪場だったところ(軒下)に囲いと灰皿を設置し、「喫煙所」とした。
③屋外駐車場の1台分をつぶして灰皿を設置しただけ。
④店舗の玄関を出たところに灰皿を設置しただけ。
といった感じになっていました。
①と②は頑張ったなあと思いますが、③と④はいかにもお粗末という気がしますね。雨の時には濡れながら、もしくは傘をさして吸わなければならない。
3月31日までは非喫煙客にガマンを強いてきて、そして4月1日からは喫煙客にこのヒドイ仕打ち。いずれにしろ客を尊重しようという姿勢がまったく感じられない。
「これからも、吸うお客様も吸わないお客様も快適に」?
そういえば、あるホールはカンバンに「これからも、吸うお客様も吸わないお客様も快適に楽しめる環境を目指して参ります」みたいなことを書いていました。
こういう心にもないことをお客に対して発信するのはやめたほうがいいでしょう。
「これからも」って、これまでに吸わない客の快適のためになにかをしましたか?分煙ボードだのエアカーテンだので対策したつもりになっちゃうのは、結局は経営者が喫煙者だからなんでしょうね。
分煙ボードやエアカーテンなどの対策では結局のところ「喫わない人はこれで我慢してくださいね」というだけのこと。しかも副流煙対策としては大して役に立たない。
吸わない客は理不尽な我慢を要求されるのに、吸う客は1ミリも我慢する必要がない。これがいままでのぱちんこ店です。
これからは吸う客のほうが我慢しなければならないわけですが、これはそれが本来あるべき姿ということであって、理不尽でもなんでもない。吸わない人はなにもしないで普通に呼吸するだけなのに、それを妨げられるんだから。自分がキモチ良くなりたい方の人が気をつかうのは当たり前でしょう。
用を足すときはトイレで、というのと同じように、吸うなら喫煙所で、ということだと考えれば、当たり前の姿じゃないでしょうか。いままでがおかしかっただけ。
ただ、他人の迷惑を考えて副流煙をなくそうとして加熱式タバコに切り替えてくれてた人に対しては、ちょっと気の毒というか、「加熱式タバコはべつにいいんじゃない?」とは思っています。あの程度のニオイは非喫煙者の側も我慢するべきかも、と思うし。
ともかく、「喫うお客も喫わないお客も快適に」を本気で目指すのであれば、どう頑張っても分煙もしくは禁煙しかありえないはずなのです。
それをやろうともしなかったホール企業が、法で決まったからって仕方なく禁煙化し、「これからも快適な空間を・・」などと言っているのをみるとものすごい嫌悪感をおぼえます。安倍首相の国会答弁よりも白々しい。もちろん現場の店員さんは頑張っているのはわかっていますが、経営者は客のことなどカネを運ぶカモとしか思ってないんであろうことがバレてしまう。
他店との差別化のチャンスだったのに
現時点で禁煙から数日が経っていますが、いまだにヤニくさいホールも多いですね。
建物の古さとか空調設備の性能とかもあるんでしょうが、けっこうな差が感じられます。
これも、他店に先駆けて禁煙化を実施していれば、いまごろにはすっかりヤニのニオイがとれて、お客から「オッ、禁煙になってほんとうに快適になったね」と感じてもらえたかもしれないのに、禁煙化してもヤニくせえ~と思われてしまうようでは営業上マイナスしかないんじゃないですかね。
「どうせ禁煙にしなければならない」とわかった時点で禁煙化に動き出し、「お客様の健康のためです!」とアピールしていた場合と、ギリギリまで何もせず突然「法で決まったから」と仕方なく禁煙化したのとでは客の抱くイメージが全然違うと思うんですけどね、そういうことを考えたホール企業はなんで少なかったんだろう。
ファミレス大手「ロイヤルホスト」では数年前から禁煙化に着手していました。そしてこの4月1日から「敷地内全面禁煙」(これまで使っていた喫煙ブースも含む)。
「お知らせ」には、「お客様がよりよい環境でお食事をお楽しみいただけるよう、また従業員の健康面での労働環境の改善にもつながるよう今後も取り組んでまいります。」との文言が。
これは数年前から法に関係なく明確な意志をもって取り組んできていたからこそ説得力をもつ文言ですよね。-だから「今後も」と言われても全然白々しく聞こえない。
対して、受動喫煙被害について意見を聞くために呼んだ一般国民である参考人に「いい加減にしろ」という暴言を吐いたことで有名になった国会議員が会長を務めるファミレスチェーンもようやく全面禁煙に。一部店舗には喫煙ルームはあってそこで吸えるらしい。
↑これをみると、いかにも「法で決まったから仕方がない」という姿勢が透けて見える感じ。トップがあれだからしょうがないんでしょう。
ふたつを比べてみると会社のお客や従業員に対しての考え方、哲学の違いがみえてきますね。前者は喫煙客を失うピンチを企業イメージの向上につなげることができているようにみえます。先見の明がある会社、お客と従業員を大切にする会社・・・と。
ぱちんこホールも同じだと思うんですけどね。禁煙化してもなおヤニくさい建物で営業しているホールと、禁煙化した時点ですでにすっかりヤニのニオイもとれて快適な環境になっているホールとでは、同じ全面禁煙になっただけでも特に非喫煙客の受ける印象はだいぶ違うのでは。
法律で縛られるよりも先にやっていれば、「吸うお客様も吸わないお客様も」という言葉が説得力をもち、ぱちんこのイメージ向上につながったかもしれないのに。結局は「パチ屋がタバコ喫えなくなった」というマイナスイメージだけになっちゃった。
「このさいだからタバコやめよう」と考えてもらえるような魅力がいまのぱちんこにはない
この数日間をみるかぎり、猛烈なヘビースモーカーで「この人4月から来るのかなあ」と思っていた常連の人も、多くはいままでどおり打ちに来ているように思われます。
まあ中にはこのタイミングでぱちんこやめる・・という人もいるでしょうが、それはおそらく少数派じゃないでしょうか。
ていうか、ほんとうにぱちんこやめたとしても、それは「タバコが吸えないから」ではなく、「ぱちんこがつまらないから、(タバコも吸えなくなったことだし)このさいやめよう」ということなんじゃないか。
いまは新型コロナの件がありますから、客の減り具合がコロナのせいなのかタバコのせいなのか台がつまらないせいなのか検証するのは難しいでしょう。
しかし仮に禁煙化のせいで客が減ったとすれば、「ぱちんこ打ちたいからタバコをやめよう」ではなく、「タバコ吸いたいからぱちんこやめよう」と思われてしまうほどぱちんこそのものがつまらなくなった・・・ということが問題なんでしょうね。
タバコでキモチ良くなること以上にぱちんこが魅力的なら、吸えても吸えなくても関係ないですもんね。
多くの喫煙者が「ぱちんこ打ちたいからこのさいタバコやめよう」と考えるほどぱちんこが魅力的な遊技であり続けていればよかったのになあ。いまはどう考えてもそうではないですよね。
私も、ものすごく面白くて毎日打ち込んで究めたいと思うような奥深い台があれば、周りでタバコを吸われようが打つかもしれないけど、いまはそんなのはない。隣でタバコ吸われたら「ああ、打つのや~めた」と思っちゃう。
ぜひとも、タバコがどうとかどうでもいいから打ちたい・・という台が多く出てきて、結果ぱちんこホールが楽しい場所になってくれればいいなあ・・・と願いつつ、このへんにしておきます。
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