7月11日、警察庁が
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」
についての意見の募集(パブリック・コメント)を出しました。
私は業界人ではないので、細かいことの解説はできませんが、
パチンコ・パチスロの稼ぎが生きる糧の一部になっている者として、
思ったことを書いていきます。
プレイヤーにもホールにも厳しい内容
以下、警察庁が発表した改正案の概要を示した「別紙」。
→「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則案」に対する意見の募集について
プレイヤーの立場から気になるところをざっくり言えば、
「(出玉性能を)現行の2/3程度の水準とする」
というところと、
「ぱちんこ遊技機への『設定』の導入」
という部分ではないでしょうか。
今回の規則改正は、ギャンブル依存症対策が主目的。
出玉性能の規制強化が依存症対策に有効かどうか、私は疑問視しているのですが、
そこについてはまた別の記事にするとして、
この2点について思うところを。
出玉性能の規制強化
パチンコの大当たりの出玉数の上限を2400個から1500個程度に引き下げるとのこと。
まあ、これは別にいいんじゃないか。海物語だってそれくらいですしね。
パチスロについても同じように引き下げるらしいです。
ここには480枚を300枚に引き下げる、とありますが、
出玉スピードも下げなければならない
(間違って連チャンして一気に大量出玉、という可能性があると困る)ので、
ジャグやハナなどのノーマル機のBIGボーナスは200枚くらいにしないと無理ではないでしょうか。
バケは50枚くらい?
そのかわり、出玉の減少、つまり投資のスピードも抑えられることになりますので、
このままで行くならば、数時間で5万円負けた、とか、数時間で10万勝った、
とかいうことはほとんどなくなりそうです。
さきほども言ったように、それが依存症対策になるかどうかは別の話ですが。
ノーマル機は、ベースがさらに上がったハネスロ、みたいなのばっかりになる、という感じでしょうか。
ぱちんこ遊技機の「設定」機能
それよりも注目したいのは、パチンコの設定機能。
「射幸性の更なる抑制とともに、営業の自由度を高めるため、ぱちんこ遊技機に対し、回胴式遊技機と同様に、大当たり抽選に係る確率の組み合わせを「設定」として、6種類まで認めることとする」
だそうです。
いやいや、いまさら「営業の自由度」とか、もう笑うしかない言い草だと思ったんですけど、
これは「認めることとする」となっているので、
つまり「設定機能を搭載してもしなくてもよい」ということでしょうか。
パチスロだってハイパーリノみたいに、設定機能のない台もあるわけだし。
そうだとすれば、メーカーはどのように対応するのか。
設定機能付きのパチンコが出たら、ホールはどのように使うのか。
設定6だと露骨に出る、という台は無理だろうし、
そうすると1日2000回程度しか回せないパチンコでは
高設定を見抜くということはほとんど不可能だと思われます。
高設定確定演出とかのっけるんですかね。
ますますパチンコは幼稚な遊びになっていきそうですね。
稼ぎたい人間から言わせてもらえば、もちろん釘調整によって出玉をコントロールしてほしい
わけですが、このへんがどうなっていくのか、現段階ではなにもわかりませんので、
今後の展開に注目したいです。
CR機初期のように、設定機能が不評でいつのまにか消えた・・ということになればいいのですが。
依存症云々以前に、業界自体が危なくなるのでは
いずれにしろ、経過措置として3年間は現行基準の機種を使い続けられると書いてありますので、
プレイヤーはそちらでしのぎながら今後の動きを見守り、対策を練る・・という
かたちになりそうです。
しかし、パチスロが4号機から5号機になったときのように、
遊技人口はさらに減ることになるでしょう。
出玉性能が低くなるので、5万も6万も突っ込む人は少なくなりますから、
自己破産するような依存症の人はたしかにほんのちょっと減るかもしれませんけど、
ほんとうはあくまで自己責任でミクロな出来事であるはずの依存症への対策よりも、
ぱちんこ業界全体の経済におよぼす影響のほうが重要だと思うんですけどね。
「こんなもの依存症対策にならない!」とかいうことを、
プレイヤーや業界人100万人くらいがパブリック・コメントに意見を寄せたら、
少しは変わったりするんですかね。お上にそんな柔軟性はないでしょうね。
細かいことはこれから決まっていくことと思いますので、
動きがあり次第、また記事にします。
関連記事:射幸性を抑えることが依存症対策になるか