本ページのリンクには広告が含まれています 認知症を予防するために 雑談

三浦雄一郎という巨人に学ぶ

プロスキーヤー、また登山家として著名な三浦雄一郎氏がいま、

南米大陸最高峰のアコンカグア(6959メートル)の

登頂にチャレンジしています。

 

三浦氏は86歳で、私の亡父と生まれ年は同じ。

私の亡父は、80代にさしかかったころには家の前のちょっとした坂道ですらも

ヒイヒイ言いながら登っていたくらいで、すごい勢いで体力が衰えていました。

かたや三浦氏は、86歳という年齢でアコンカグア登頂にチャレンジしている。

この差はいったいどこから生まれるのか。

その理由を知ることは、私がもっとも恐れる認知症を遠ざけ、

人生の後半をゆたかに送るためには非常に重要なことでしょう。

どうすればこんなに凄い老人(という言い方は失礼か)になれるのか

同じ年齢の高齢者でも、ある人はアクティブに生涯現役という勢いで活動しているのに

ある人はすでに寝たきり、ということはよくありますね。

もちろん人間には個人差や置かれた環境の差というものがあるわけで、

同じ年齢でも差が出るのは当たり前なのですが、

誰でもできうれば三浦氏のようにいくつになっても元気に活動する老後を過ごしたいはず。

元気でゆたかな老後を過ごしたいのならば、それを実践することができている人から学ぶ、

という努力をすべきでしょう。

 

で、三浦雄一郎氏の著作をちょっと読んでみました。

ものすごくたくさんの著作が出ていてどれにしょうか迷いましたが、

スキーや登山の話よりもやはり

「なぜ高齢になっても健康と体力を維持できているのか」

ということに興味をそそられるので、

とりあえずそっち系の題名の本を1冊チョイス。

amazon.co.jp 65歳から始める健康法

私はまだ65歳までに十数年ありますけどね、

運動不足でメタボ、自堕落な生活を送っていて「このままではいかん」と

考えているような人なら、30代や40代であっても

読んでおいたほうがいい内容でした!

圧倒的な努力をしないと年齢にあらがうことはできない

54歳で冒険家から(一時)事実上引退、

60代のころにはゴルフや旅行三昧の悠々自適、

飲み放題食べ放題の生活を送り、

その結果体重90キロ、高血圧高血糖高脂血症の

「生活習慣病の百貨店」になっちゃった・・・

という著者が、

「九十九歳でモンブランに登る」といって努力している父の姿に刺激され、

「心と体のメタボからの脱出」をして生きる目標を取り戻すために

どんなことをしたか・・・

という切り口から、みずからの体験をまじえて

「人生の後半生を輝かせるため」にすべきことを書かれています。

 

足に5キロのアンクルウェイトをつけ、さらに背中に20キロのウェイトを背負って歩く・・とか、

いちいちやっていることが凄いな、という感じ。

これは、普通に運動するだけでは「現状維持」しかできず、

老化に立ち向かい、高齢になってから富士山だのエベレストだのに登るなどということをするには

多少はキツイ「攻めの健康法」を実践しなければムリ・・・

ということでやっていることだそうですが、

まずは自分のできること、無理のない範囲からはじめよう、とも書いておられます。

 

こういった凄まじい努力のおかげで

年齢にあらがってさまざまな偉業を達成することができているんであって、

健康でゆたかな老後をむかえるためには

それ相応のことをやるかやらないか、

それが問題なんだな・・・ということがよくわかります。

 

スポーツや囲碁や将棋や音楽などの場合は

一流になるためには努力プラス才能が必要だけれど、

「身体を鍛える」ということには才能は必要なく、

できている人とできていない人の差は

やるかやらないか、強い意志を持って続けられるか、

ということだけ。

 

強靭な意志をもって圧倒的な努力を続け、

80半ばになっても挑戦を続けている・・・

というのはほんとうに尊敬に値することであり、

まさに男の中の男というべきでしょう。

 

私は、軽々しく

「なにが起こっても前向きに」とか、

「あきらめなければ夢はかなう」とか、

「夢の力を信じればどこまでも伸びていける」とか

いう人のことは信用できないし嫌いなんですけどね、

三浦氏のようにそれを実際に体現しちゃっている人が言うならば

ものすごい説得力をもち、「たしかにそうなのかも・・・」という気にもなってきます。

「年だからダメ」と言っていると本当にダメになる

日々のトレーニング方法や(生活のなかで気軽にできることが紹介されています)

や食習慣や心構えなどが平易な言葉で書かれていて、

1時間くらいで読めちゃう内容ながらも

非常に参考になりました

(階段の上り下りだけでもいい運動になるが上りよりも下りが重要で、時間がなかったりしんどい時には上りはエレベーターを使ってもいいが下りは階段を使おう、というのは目からウロコでした。ふつうは体力をつけようと思ったら上りのほうをがんばらなくちゃと考えますよね)。

 

で、読了してみて、

冒頭に書いた

「なぜ私の亡父は80代でヨボヨボだったのに、三浦雄一郎氏はこんなにアクティヴでいられるのか」

がわかってきた気がします。

 

私の亡父がいけなかったのは、

三浦氏が「自分を甘やかす言葉」として

口に出してはいけないと説く、

「もう年だからダメだ」という言葉を

しょっちゅう言っていたこと。

 

「年だから」というあきらめをもって

挑戦することをやめてしまうとほんとうにダメになる・・・

というのは真理でしょうね。

なにかをするときに、体力的にキツイ、気力がないといって人にやってもらうようになると、

とたんにそれができなくなる、というのは、

亡父と生活していてものすごく感じました。

生きる目標をみつける

三浦氏は、「あなた自身のエベレストを探そう」

ということで、生きる目標を明確にもつことを

奨めておられます。

いくつになろうが目標を明確に持って挑戦することをやめない・・・

というのが、元気でゆたかな老後をおくる秘訣なんでしょう。

 

しかし・・・40代の私も、

とくに明確な目標をもつことなく自堕落に生きているなあ・・・

とちょっと反省させられました。

ただただ毎日の糧を得ることだけに汲々としている。

というか、これまでの人生をふりかえってみても

なにか目標をたててそれに向かって努力する、

ということがあまりなかった気がします。

それをきちんとおこなって生きた人は人生の成功者となり、

私のようにボケっと生きてきた人間は、私のようにダメ人間となる。

ダメ人間なのはいまさらしょうがないから(←こういうあきらめがそもそもダメなのに!)、

せめて高齢になってから人に介護してもらわなくて済むように、

日々の生活を見直さなきゃあ・・・。

 

ともかく、老化に打ち勝っている人は

やはり凡人の及びもつかないような努力を

しているんだな、と知った次第。

三浦雄一郎氏が見事アコンカグアを征服し

無事に帰ってくることを祈りつつ、

今回はこのへんにしておきます。

 

追記:三浦氏の体調から登頂は難しいと医師が判断、それにしたがって登頂を断念、とのニュースが。残念でしたがそこまで行ったというだけで凄いこと。称賛されるべきですね。

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