本ページのリンクには広告が含まれています 音楽の話

7月26日のNHK「うたコン」をみた

前回はかなり低調な出来だったNHKの「うたコン」。

この前ふりは放映前に書いていますが、

今週はどうなんでしょうか。

テーマは「五輪直前!心に響く応援歌」。

出演予定者は、

市川由紀乃,岩崎宏美,大月みやこ,天童よしみ,林部智史,福田こうへい,細川たかし,三山ひろし,平井堅,具志堅幸司。

具志堅幸司ってだれだっけ・・・と一瞬思いましたが、ああ、体操の具志堅選手!ゲストですね。

しかし、このテーマでこの出演者のなかで、平井堅は何を歌うのかな。ちょっと不安ですね。

昭和の名曲を、それに相応しい歌手が熱唱

今回の曲目は以下の通りでした。

「柔」・・・・・・・・・・・・・福田こうへい

「出世街道」・・・・・・・・・・市川由紀乃

「人生一路」・・・・・・・・・・天童よしみ

「矢切の渡し」・・・・・・・・・細川たかし

「王将」・・・・・・・・・・・・三山ひろし

「聖母たちのララバイ」・・・・・岩崎宏美

「魔法って言っていいかな?」・・平井堅

「心かさねて」・・・・・・・・・市川由紀乃

「あいたい」・・・・・・・・・・林部智史

「紅の傘」・・・・・・・・・・・大月みやこ

ひとりを除いて、とっても良かった!

今回はなかなかいい構成だったのではないでしょうか。

前半は、過去のオリンピックで活躍した選手たちが

勇気づけられたという演歌特集。

今回は曲と歌手のミスマッチは感じさせない組み合わせで、

名曲中の名曲を、それを歌うに相応しい歌手が歌い、

かなり良かったですね。

このように、1曲1曲をきちんと掘り下げてやってくれれば、

その曲から得る感動は倍増します。

なかでも福田こうへいは、もう別の次元にいっちゃってますね。

日の丸の赤を背に歌う「柔」は超カッコいい。

三山ひろしの「王将」も、この曲には特別な思いがあるのでしょう、

いつものコミカルなイメージとは全く違って、カッコよかった。

しかし、このあとすべてをぶち壊す男が中継で登場。

平井堅はなんで出てきたの?

この流れで、いきなり平井堅が中継で現れて、

CMで聴いたことのある気持ち悪い曲を歌ったことに、

ものすごい違和感を覚えたのは私だけではないはず。

まあ、「気持ち悪い」は私の主観なので怒られるかもしれないですが、

ここまで「テンションのあがる、やる気を奮い立たせる名曲」が並んできて、

その流れのあとにやる曲がこれですか?!

自分の声域を考えないで作曲してるから、気持ち悪い裏声を使わなければならないし、

とにかく歌詞が気持ち悪い。申し訳ないですが私には無理です。

普通に地声で歌ったほうがいい気がするんですけど。

林部智史の「あいたい」は、悪くないけれども

林部智史もなんとなく平井と似たような感じなので、

どう考えても平井堅の中継は余計でした。

その林部の「あいたい」は、なんとなく韓流ドラマの主題歌っぽいけど、

なかなか感動的な曲です。前にもこの番組で歌いましたね→6月7日のNHK「うたコン」をみた

林部の歌唱もなかなか良い。


amazon.co.jp あいたい

 

でも、

「泣ける曲」とカンタンに言うけれども、

もっとこう、なんというか、人生や恋愛の、思うようにいかない理不尽さ、哀しさ虚しさ。

それでも生きなきゃいけない、人を愛さずにいられない

(どうせいつかは死ぬし、別れの時が必ず来るのに!)、という苦しみ。

その苦しみ哀しみを歌い、心をわしづかみにされ揺さぶられるような、

そういう曲じゃないと、心が汚れたオッサンは泣けないんですよ。

そういう苦しみ哀しみを表現するのに最適なスタイルは、

やっぱり演歌になるわけです。

だから、ケツが青いうちは演歌に感動できない。

人生は苦しみと哀しみがほとんど、その合間にほんのちょっとだけ喜びがある、

そういうことは、年齢を重ねないと理解できないから。

そういう哀愁を表現させたら、↓この人は超一流。

大月みやこは過小評価されている

「おんな」の哀愁、情念を歌わせたらたぶん右に出るものは

いないと思う大月みやこ。

もう70歳なんですね。

大月と比べたら市川由紀乃はまだまだ「カラオケのうまいおねえさん」

にしか思えなくなりますね。

この「紅の傘」は彼女の曲としては明るい感じの曲ですが、

けっこう売れているみたいですね。


amazon.co.jp 紅の傘

私が彼女の曲をはじめて聴いたのは、

ドラマの主題歌になっていた「白い海峡」。

まだケツの青い学生だったんですが、

なんとなくみていたテレビから流れてきた

大仰で超劇的なイントロを聴いた瞬間、

あまりのカッコよさに倒れました。

ドラマ自体はまったく覚えてないんですが、

海の映像とエンドロールとともに流れるこの曲だけは強烈に印象に残りました。

最近は、若いころの張りと伸びのある声は出なくなってきたような感じですが、

それを衰えと感じさせない、それどころか、年齢を重ねたことで

違った魅力がうまれている気がしますね。

まあとにかく、もし「白い海峡」を聴いてない方がいたら、

聴かずに死ぬのはあまりにももったいないですよ!

「女の駅」も最高です。


amazon.co.jp 大月みやこ ベストセレクション2016

いつもの軽薄さは感じられず、大人でも鑑賞に堪える回でした

平井堅はどう考えても余計、というかNHKのこの枠に出る実力はまだない、

と思いましたけど、今回は(それなりに)1曲1曲を大事にした構成で、

良かったと感じます。

来週はお休みですね。再来週も休みかな?次回も期待して観ようと思います。

-音楽の話
-, , , , , ,