「アクセルとブレーキの踏み間違い事故」について思うこと

   

昨今は高齢者の運転による事故の報道にふれることが多いですね。

このブログではそれについて思うことを何度か書いています。

高齢ドライバーの交通事故について思うこと

高齢ドライバーの交通事故報道の偏向に惑わされないで!

続・高齢ドライバーの交通事故について思うこと

 

私は運転のプロでもないし道路行政について詳しいわけでもないし自動車のメカニズムに詳しいわけでもない。

でもなぜこの問題についていろいろ書いてるかというと、

端的に「他人事じゃない」と思うからです。

私が住む地域は自動車がなければ生活が非常に困難であり、

20年もすれば私も「高齢ドライバー」と言われる日がやってきて、

運転が困難な状態になったらどうしよう・・と悩むことになるのは確実。

 

今回はとくに「アクセルとブレーキの踏み間違い事故」について思うことを書いてみます。

高齢者が起こしやすい事故であることは間違いないようだが・・・

私がまず気になるのは、やはり報道のされ方、問題の取り扱われ方。

 

こちらの資料によると→イタルダ・インフォメーション 交通事故分析レポート

平成24年~28年のあいだの、

75歳以上のドライバーが起こした全事故に占める踏み間違いが原因とされる事故の割合(踏み間違い事故÷全事故)は3%ちょいだったそうです。

たいして、24歳以下は1.5%くらい?25~54歳は少なくて1%を切る・・

という感じらしい。

 

ふつうに考えて、高齢者のほうが起こしやすい事故であろうことはわかるし、

統計上も高齢者のほうが踏み間違いによる事故割合が多い・・・ということになっていて、

高齢者の踏み間違い事故を問題視すること自体は間違いではないでしょう。

 

しかし・・・このデータをみて

「若くてもふつうに起こす事故じゃねえか」と思う人も少なくないのでは。

 

20年以上前、サラリーマンをしていて店舗勤務していたころ、

私が勤めるお店の駐車場でアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故が起こったことがありました。

お店のカベに激突され、けっこうな被害が出たのですが幸いけが人はいなかった。

運転していたのは30代くらいの女性でした。

私は下っ端社員でしたのでなにが原因で事故になったのか詳しいことは訊けませんでしたが、

つまり若かろうが年寄だろうが男だろうが女だろうが日本人だろうが中国人だろうが踏み間違いは起こすし、

実際に起こっている。

しかしテレビや新聞が鬼の首をとったかのように報道するのは

高齢者が踏み間違ったときだけです。

 

平成30年のトータルでの交通事故死者数は3,532人というデータがあり、

すると1日に10人くらいが交通事故で亡くなっていることになりますが

(昭和時代よりは大幅に減ったとはいえ凄い数字)、

報道されるのは高齢者が起こした事故ばかり。

 

すべての事故を報道することはできないし、

多くのマスコミ企業は広告収入で成り立っているので、

すべての報道には

ニュースとしての価値が高く注目度が高く読者や視聴者が喜びそうな件を選び、スポンサーに都合の悪いニュースはなるべく小さく、もしくは黙殺する・・・という

バイアスがかかっているのが当たり前・・・

なのですが、そこを理解して日々のニュースにふれている人は非常に少ないと感じます。

30歳が踏み間違い!よりは、70歳が踏み間違い!のほうが耳目を集めやすいのは

いまの状況では間違いないわけで、営利企業であればそういった方向性になるのは当然でしょう。

 

そこを考えると、

「また高齢者の事故が!」といって

高齢者の事故ばかりを大々的に報道する姿勢に虫酸が走るのです。

結局はカネのために高齢者を叩いてるだけじゃないのか。

誰でも踏み間違える可能性がある、ということをもっと啓蒙してほしい

報道の在り方については何度も書いているのでこのへんにしておきすが、

いまの状況では、

「踏み間違い?そんなのはジジババだから間違えるんだろ。自分にはありえねえよ」

と考える人が多くなるのではないか、と危惧するのです。

 

前にも書きましたが、

私の兄(50代なかば)に、

「パニックになったり慌てたりすれば若くても踏み間違いは起こるらしいぜ」

と話をしたら、

「間違うわけねえだろ。」と真顔で一蹴されたことがありました。

「若くても踏み間違える」のは明らかであるのに、

こういう想像力欠如人間にはそれを自分のこととして考えることができない。

そして、自分が高齢になったときには「俺は大丈夫」と思って運転し、事故を起こすでしょう。想像力が欠如してるから、他人の失敗に学ぶことができない。

 

ともかく、高齢者が踏み間違いをする確率は若者よりも高い、というのは間違いないけれども、

「高齢だから間違える」のではない。

そこをきちんと啓蒙しないと、私の兄のように「高齢だから間違える」と思い込み、

自分の身に置き換えて考えることができない人間ばかりになる気がします。

そもそもクルマのほうに問題がある、という議論が出てこないのはなぜか

これも前に書きましたが、

自動運転車の普及で交通事故は減るか?

私はオートマチック車が怖くて運転したくないのです。

 

アクセルとブレーキという、正反対の機能をもつものがすぐそばに隣り合って設置されていて、それを同じ右足だけで操作する。

ボケっとして足を離せば勝手に動く。

走行中もギアが勝手に変えられちゃう。

こんなもん怖くて乗れるか・・・という思いは、

免許をとってから27年くらい経っても変わりません。

 

私などは

アクセルとブレーキがすぐそばにあるとか、

みるからに間違えそう、危険だろ・・・と感じるのですが、

オートマ車がスタンダードとなった現代では

そのように感じる人はどんどん少なくなっているようです。

 

しかしマニュアル車であれば、駐車場で停車しようとしているときに急発進して激突・・とか、

そういった種類の踏み間違い事故が起こる確率は大幅に減るはずですよね。

もちろん、マニュアル車でも踏み間違える可能性はゼロではないけれども、

それが重大な事故につながる可能性はオートマ車と比べたら圧倒的に低いであろうことは、

マニュアル車を運転したことがあればだれでもわかるはず。

不自然な操作をすれば基本的にはエンジンが止まっちゃうし。

マニュアル車であれば踏み間違い事故は起こりにくい。

若者であっても踏み間違い事故を起こすし、

すると、踏み間違い事故は

「クルマのほうに問題がある」というふうに考えるべきなんじゃないですかね。

 

運転するのは人間なのだから、「えっ、そんな間違いをするか?」

というような間違いを必ずするのです。

しかしいまのクルマ、とくにオートマチック車は、

「人間はミスをする」という前提でつくられてないと感じます。

 

ちょっと慌てたりして隣のペダルを踏んじゃっただけで大事故につながる。

ハイテクを駆使したクルマをつくり

「だれでも簡単に気軽に乗れます!」

「お年寄りでも楽に運転できます!」と宣伝しておきながら、

ちょっと間違えただけで人殺しになっちゃうかもしれない・・というのは、

機械としては欠陥があるってことなんじゃないのか。

単純な操作ミスであっというまに重大事故になっちゃような家電とかがあったら、

間違いなく「欠陥商品」と言われるでしょうが、クルマの場合はそうはならない。気楽だな。

 

「踏み間違い事故 原因」とかネットで検索すると、

加齢による衰えとかいう話はよく出てきても、

「そもそもオートマ車の運転システム自体が不完全で危険なものだからだろ」

という言説は少ないようですね。

 

まあ、テレビや新聞や雑誌などはこんなことを言うわけがないか。

自動車メーカーは広告によってこれらを支配しているわけで、

「踏み間違い事故?それはそんな不完全なものを売っているメーカーにも責任があるんだから、メーカーが自分でカネを使ってなんとかしろ」

という批判は出てこない。

 

こちらは自動車雑誌のサイトの記事で

非常に参考になる内容でしたが、

ベストカーweb

そこにはこのような記述がありました。以下引用しますと、

AT車の場合、アクセルとブレーキが並んで配置されており、それぞれ「踏み込む」という同じ動作で操作するペダルが並んでいるため、誰にでも踏み間違える可能性はある

そのこと自体に問題があるんじゃないの・・と思うのですが、

そこに切り込んでいく言説には出会えない。

「誰にでも踏み間違える可能性はある」ような危ないシステム自体を

なんとかするべきじゃないのか。

 

踏み間違いを防止するシステムについてはいろいろやっているようですが、

もっと長い目で考えるなら、

オートマ車自体の運転システム自体を

マニュアル車並みに「間違える可能性が低い」ものに変える必要があるのでは。

 

いまあるような、ハンドルと足1本で運転できちゃうカンタンすぎるオートマ車は、障がいなどをお持ちでそれでないと運転が難しい方のためのもの、にするべきではないか。

いまのクルマは楽ちんすぎでしょ。ふつうの人が運転するのならあんなに楽ちんにする必要はないはず。

あれならスマホみながら運転しようとか酒飲んでても大丈夫とか思っちゃうバカがたくさんいるのもわかる気がします。

お年寄りが、楽なクルマじゃないと運転できない・・・と感じるようになったなら、免許を返上する時期が来たってことだな、ということにすればいいじゃないか。

あまりにも楽に運転できちゃうから、90歳とかでも運転しようとするのでは。

 

さらには、マニュアル車であれば少なくとも踏み間違い事故は減るだろうから、

私のようにオートマ車が怖い人間や踏み間違いが不安な高齢者がマニュアル車を選択できるように

いまは絶滅寸前のマニュアル車に大幅な減税を実施してマニュアル車が売れるようにして、

メーカーがマニュアル車をたくさんつくるようにもっていくとか。

現状は、「オートマ車は事故りそうで嫌。多少めんどくさくてもマニュアル車に乗りたい」と思っても、

その選択肢が少なすぎて話にならない。

 

いずれにしろ、

踏み間違い事故は「高齢だから」というだけで起こるのではないわけで、

踏み間違い事故をまるで高齢者ならではの事故とするような世の中の流れに

空恐ろしさを感じる次第です。

踏み間違い事故報道にふれ、自分もやっちゃうかもしれない、と思ったなら、

オートマ車に恐怖を感じるという意見がもっと多くなってもいい気がしますけど、

そうなっていかないということは結局みんな「他人事」と思っているからなのでは・・・と感じます。

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