物忘れ改善医薬品は有効なのか

      2017/08/30

ここ最近、中高年の物忘れを改善するとして、

処方箋なし、一般の薬局で買える「物忘れ改善薬」が続々登場しているそうです。

 

私も40代ですが、たしかに「人の名前が出てこない」「ものをしまった場所が思い出せない」

とかいうことは若いころに比べて増えたような気はしています。

それを改善する薬、ということなのですが、これについて思うことを書いていきます。

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製薬各社が続々と発売

調べてみるといろんなのが出てて驚きました。

 

ロート製薬・・・「キオグッド顆粒」 10日分1800円(税抜)

クラシエ薬品・・「アレデル顆粒」 14日分1900円(税抜)

小林製薬・・・・「ワスノン」 33日分 3700円(税抜?HPに記載なし)

価格はいずれも希望小売価格。

 

ネーミングのセンスがいかにも製薬会社って感じですね。

とくに「アレデル」は、なかなか思い出せない「アレ」の名前や場所がデル!という、

一発で覚えられるインパクトのある名前でいいですね。

「ワスノン」は物忘れにノン!ということでなかなかカワイイ上に薬っぽさもちゃんとある名前。

「キオグッド」は記憶グッド、ということですかね。記憶のクとグッドのグがかかっててうまいですね。

 

物忘れ改善のための「サプリメント」はこれまでにも多数出ていましたが、

これらは「第3種医薬品」。

「第3種医薬品」とは、購入者が希望しない限り商品説明をしないで販売してもよい薬品、

ということで通販も認められているもの。

しかし、サプリメントと違い、その効果が医学的に実証されている・・はずのものですが、

この「物忘れ改善薬」はどうなんでしょうか。

 

ここに紹介した物忘れ改善薬は、いずれも「中高年の物忘れの改善」をうたっていまして、

認知症の治療には使えないそうです。

脳が委縮していたり脳血管の障害などがあれば意味がない、ということでしょうか。

 

で、この3つともが、主成分として「オンジ」という生薬を配合しているそうです。

「オンジ」とは

「オンジ(遠志)」とは、イトヒメハギ(糸姫萩)という植物の根を乾燥させた生薬。

そこから抽出した「オンジエキス」が、各製品には使われています。

精神の安定や去痰、利尿、消腫に効果がある・・・とのことで、

神経系に作用する生薬みたいですね。

 

医薬品として認められているからには、それなりの効果があることが

実証されているんでしょうが、物忘れへの効果って、いったいどうやってはかるんですかね?

各社のHPでは、そのメカニズムの説明とか、「昔からそう言われている」

みたいな話しか書かれてなくて、どうやってその効果を測定したのかには言及がなかった。

 

まあ、効果がどうなのかは別として、これはどうなの?と気になるところがいくつかあります。

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認知症には効かない

あくまでも、脳の機能の活性化を促す薬であって、

アルツハイマー型認知症による脳の萎縮など、

認知症の進行を抑えたり防止したりする薬ではないということを、

消費者がきちんと理解していないといろいろ困ったことになるのでは、

というのがまずひとつ。

 

私の母をみた経験から言うと、

認知症の初期ってやっぱりただの物忘れっぽい出来事が多く起こるんですよね。

 

たとえば火にかけていた鍋をそのまま忘れるとかいうのは、

私でも稀にあることで、火災のリスクを別にすれば、それ自体はどうということはない。

この段階で、認知症の初期症状なのか、ただの物忘れなのかは判断が難しい。

 

ここで、「アっ、忘れてた!!」となれば正常だが、

「私はそんなことしてない」って否定して、自分がやったことを思い出せないとか、

「オマエがやったんだろ」とか言って人のせいにしたりとかすれば、

かなり認知症の初期症状であることが濃厚になると思うんですけど、

なにが異常でなにが正常か、その知識がないと、

「物忘れするからアレデル飲むか・・」ですませてしまい、

病院で診てもらうのが遅れ、認知症の発見が遅れる場合があるのではないか。

なんでも薬に頼る姿勢は良くないと思う

「病気としての物忘れ」には効かず、

「加齢による(病気ではない)物忘れ」に有効、ということらしいです。

 

それなら、病気でもないのに高いカネを出して薬に頼るのはどうなの?

というのがもうひとつ気になる点。

 

加齢による物忘れなら、誰でもふつうにあることであって、病気でも何でもなく、

日常生活には差しさわりのないことがほとんどでしょう。

 

人の名前が出てこなければ、正直に「失礼ですがお名前はなんと仰いましたか・・・?」と訊き、

「すみません、トシだとなかなか出てこないんですよ・・」でいいじゃないか。

それで憤慨するような相手なら付き合わないほうがよい。

日常生活に差しさわりがあるならそれはもう病気であることがほとんどだと思う

(歩いていていきなりいまどこにいるのか忘れるとか、車の操作自体を忘れるとか)

ので、薬ではなく病院へ行くべきなのです。

 

若い人だって、メモしたり付箋を貼ったり張り紙をしたりタイマーをかけたり、

忘れないための努力をいろいろするわけで、

ちょっと忘れるくらいですぐ薬、というのは、

1日や2日お通じがないくらいで便秘薬を使うとか、

1日眠れないくらいで睡眠薬を使うとかいうのと同じだと思うんですよね。

 

私の亡父は薬大好き人間で、なにかというとすぐ薬、

新薬が出たとなればそれを医者に要求していました。

その結果、晩年には十種類くらいの薬を毎日飲んでいました。

で、副作用が出ると、その苦しみを抑えるためにまた別の薬を使おうとするわけです。

そういう姿をみた経験からいって、すぐ薬に頼るはすごく危険だな、と思うのです。

苦痛があるんなら話は別ですが、病気でもない、生活に差しさわりのない普通の物忘れなら、

月に何千円も使って薬を買うのはどうなのかな、という気がするんですよね。

 

「忘れちゃった~ハハハ・・」で済ませる(病気でないならそれで済むことがほとんど)

おおらかさと、「忘れないようになにか対策をしよう」と頭を使って考える、

というのが、まず必要なことではないでしょうか。

 

たとえば中高年サラリーマンが、物忘れによって取引先との約束をすっぽかした。

そこで、上司が「忘れないように対策を打て!」と言った時に、

対策が「ワスノン飲みはじめました。薬代は経費で落としていいすか?」だったら、

バカそのものなわけですよね。

忘れるのは人間だから当たり前、中高年はなおさら。

そこで、それをどのように仕事や生活に障りがないように頭をひねるか、

そういう頭を使う機会を、物忘れ改善薬は奪うことにならないか。

 

その「対策」を打つことすらできなくなった、もしくはそれで済まなくなったときは

もう病気ということですから、

そのときは病院へ行くべきであり、

そう考えると、今回紹介した「物忘れ改善薬」は、

あくまでも個人的な意見を言うなら、その存在意義は・・あるのかな?というのが正直なところです。

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