ひさしぶりに大相撲の話題を。
先日終わった大相撲初場所は幕尻の徳勝龍がまさかの幕内最高優勝。
まあ、これが「まさかの」と思われること自体がほんとうはおかしいんですけどね。
幕内力士なんてみんなオバケみたいに強い人たちなんだから、横綱がいつも13勝だの14勝だのというのが不自然(貴乃花のようにその不自然をガチで実現しちゃう天才も稀には出現するけれども)なのであって、八百長が完全に排除されているなら幕内力士の誰が優勝するかはいつもまったく予想がつかない・・・というのが実は当たり前の姿のはず。
そういった意味では初場所は見ごたえのある内容でしたね。
この盛り上がりをみていると、ちょっと負けたからといってすぐに逃げるカスみたいな横綱は大相撲に必要ない、ということがはっきりしてしまったなあ・・という気がします。はやく辞めちまえよ。奴らに払ってやってる給料はファンが払ってるカネも原資になってるんですよ?国技館に行ったファンは「カネ返せ」と騒いでもいいはずだ。
それはそうと、初場所後は非常に残念なことが起こってしまいました。職場放棄・逃亡横綱なんかどうでもいいとして、そっちはもう角界の大損失といえるでしょう。
それは、大関・豪栄道の引退。
鳴り物入りで角界入りしたが・・・不運が多かった
豪栄道は埼玉栄高で高校横綱となり、2005年に大相撲入り。
2014年名古屋場所後に大関に昇進。2016年秋場所には全勝優勝、大関在位は33場所で歴代10位。
こうして書くだけだと順風満帆の輝かしい成績のように思えますが、とくに大関昇進後はケガが多く苦しい土俵が続きましたね。
そういうわけで大関昇進後の成績はふるわなかった。
しかし彼が凄かったのは、
負ければ(ほんとうはケガの影響なのに)「弱いから負けた」と言い、
ケガのことを訊かれれば
(アバラが折れてるのに)「虫刺されです」としか言わない、
その「泣きごとを言わない」「言い訳しない」という信念を貫き通した、というところ。
このへんは、負ければ「実はどこそこを傷めていた」とか言い訳しまくり、挙句の果てには審判に「子供でも分かる相撲」と文句を言ったり物言いを要求したりしたカス横綱とは雲泥の差ですね。
豪栄道のような男の中の男たちが命がけで勝負に挑む姿にファンはシビれカネを払うのであって、横綱が安全相撲で勝って「横綱の責任を果たしてます」とドヤ顔してるような大相撲など一銭の価値もない、ということが、モンゴル横綱たちや横審にはどうしても理解できないらしい。
それはともかく、豪栄道の引退報道をみるにつけ、豪栄道の男らしさ潔さがカッコよすぎて、白鵬や鶴竜のみっともなさが浮き彫りにされちゃってるなあ・・という思いが強くなっていきます。
白鵬の情けなさ加減が浮き彫りに
会見もカッコよかった。
豪栄道は「大関から落ちたらやめる」というのは数年前から決めていたらしい。だから12日目に負け越した時点で引退を決意。しかし彼の師匠である境川親方は「引退を口にしたら対戦相手に失礼」と言い、発表は3日後になったとのこと。
このあたりが、さすがは義理と人情の「男・境川」だなあ・・・と。
どこぞの横綱は、テレビの情報番組で軽口のように「今年引退する」と漏らしていたそうです。
私はその番組を見てないのでわかりませんが報道によれば、ふだんは見せないトレーニングの様子を見せて、「どっちみち今年終わるんだから見せてもいいじゃん。今年引退するんだから、俺」と言ったとか。
これは男・境川の論理からすれば論外ですよね。このうえなく恥ずかしい。
これは対戦相手どころか、後援者にもファンにも失礼でしょう。
今年中に引退するつもりとしてもそれは言わなくてもいいことだし、言ったとしても「だから死ぬ気で最後までやり遂げます」というのならまだしも、「どうせ引退するんだから」というやる気ゼロの発言。なめてんの?
彼が今後どれだけ土俵に上がるのか知りませんが、国技館にカネを払って見に行くお客さんは、「どうせもう引退」といういいかげんな姿勢でいる横綱のゆる~いテキトー相撲を見せられることになるのですよ。
親方になるために必須の日本への帰化も成ったいま、彼の頭の中にはもう「オリンピックで土俵入り」というエゴしかないのでしょう。そんな力士のとる相撲にカネを払う価値がありますかね。
横審や理事長は、テレビ番組で軽率な発言をした白鵬を呼びつけ「バカなの?」と詰問し、「やめるならすぐにやめろよ、やる気ないんだろ?」と迫るべきだった。
それをやらないからここまで増長しちゃったんだから。こんな野郎がオリンピックで土俵入りなんて恥そのもの。絶対にやらせてはいけない。
潔く辞めずに、もがき通すのも男
豪栄道は「決めていたことだから」と言って大関陥落でスパッとやめました。
それも潔くて、まさに「大和魂」を貫いてみせた・・として称賛されるべきだと思いますが、大関から陥落しても再起を目指してもがき続け、またふたたび這い上がってきている男の中の男がいますね。
照ノ富士。
大関まで上り詰め、私も「こりゃあ間違いなくすぐに横綱」と確信するほどの強さをみせていたもののケガや内臓疾患で序二段まで転落。
しかしそこから復活を遂げ、初場所は十両優勝。来場所の幕内復帰はなさそうですが、間違いなく戻ってきそうな勢いでした。
初場所の照ノ富士の相撲はいくつか見ましたが、ここまで頑張ってきたその努力は想像を絶するものがあっただろうなあ・・と感動。
大関までいった男が序二段まで落ちるという屈辱にまみれながらもあきらめなかった。豪栄道のように潔くやめるのも男なら、必死でしがみつき、もがくのをやめないのも男だなあ・・・と。
だから、白鵬や鶴竜のようにちょっと負けたからってすぐに逃げる横綱をみていると、「情けないなあ」と心から思っちゃうのです。前に稀勢の里が4連敗の末に休場した時「最後まで出るべきだった。男を下げた」と批判したのも同じ気持ちからです。
それはともかく、もし照ノ富士が大関に復帰、いや横綱にまでなったらまさに前人未到の偉業ですね。それも現実にありそうな感じです。ぜひともその偉業を成し遂げ、「モンゴル力士は白鵬みたいにすぐ逃げたり言い訳したりする野郎ばかりじゃないぜ」と見せつけてほしいものです。
・・といったようなことを、豪栄道の引退に思いました。
彼や境川親方や照ノ富士のような素晴らしい男の中の男がいればこそ、大相撲には存在価値がある。そこを理解する大相撲ファンがひとりでも増えてほしいものです。