昭和から平成初期頃までのぱちんこホールは、開店時間など決まった時間に店員さんがマイクでお客を煽るパフォーマンスを実施していましたね。お客が大当たりを引いたりしたときもいちいちマイクで実況してくれて、自分の台の連チャンがアナウンスされると喜びもひとしおでした。あれがないっていうのも今のパチ屋がつまらない原因のひとつでしょう。
私が大学生から社会人1年目くらいまでのあいだに通っていた今は亡きホールも猛烈にウルサイ(褒め言葉)マイクパフォーマンスが展開されていた。マイクをにぎる店員さんたちはみんなヤクザみたいなカオと髪型をしたオッサンでしたが、みんながかわりばんこにやるもんだから、通っているほうは「ああ、今日は○○さんか。この人は何言ってるかわかんないんだよなあ。でもカッコいい」とか、「この人はアドリブを入れてお客を笑かそうとしてるよね」みたいな個性をおぼえちゃったりして、それを聞くことじたいが楽しみのひとつになっていました。
そのマイクパフォーマンスでよくつかわれていたフレーズに、
「日頃鍛えたその黄金の腕ぇ!黄金の指先をもちましてぇ!粘って粘って頑張って、粘って粘って頑張って!しっかりとがっちりとぉ!ジャンジャンバリバリぃ!お取りくださいませお出しくださいませぇ!」
みたいなのがありました。
これは全国ほぼ共通でつかわれていたフレーズですけど、パチンコという遊技の本来あるべき姿を言い表した言葉じゃないか。「日頃鍛えた黄金の腕」で技術介入を駆使しつつ、コツコツと「粘って粘って頑張って」勝利に近づいていくことを目指す。この時代以前のパチンコはまさに「遊技」だった。この本質を忘れた現在のパチンコは「遊技」ではなくまさに純然たる「ギャンブル」になり下がった感があります。
メーカーは技術介入要素を徹底的に排除した台をつくり、ホールは技術介入を駆使しようとする客を追い出し、プレイヤーは自分の腕を「黄金」にみがく努力を必要とされなくなり、コツコツと「粘って粘って頑張」るのではなく一撃必殺・一攫千金だけを追求するようになった。
だからパチンコは斜陽になった・・・っていうのは何度も言ってますからここでしつこく言いませんが、ともかくパチンコは本来、止め打ちなど技術介入を精いっぱい頑張りながら、小さなことをコツコツ積み上げて勝利を目指す遊技だったはずで、私も稼働としてはそれが理想のスタイルだと思ってるし、それが可能であればセコセコと天井ハイエナなどしない。しかしヒドイ釘の台しかない現在の状況では、なにも考えずに粘って粘って頑張っていたら破産あるのみなのは明白だし、止め打ちすんなとか寝言をぬかすクソホールばっかりが生き残っちゃってますからねえ。
ともかくやっぱり理想の稼働っていうのは、よく回る甘釘台をみつけてそれで徹底的に粘る、というスタイル。でもここ数年を振り返ると、「甘釘台で粘って粘って頑張ったぜ!」っていうのってほんと数えるくらいしかないんですよねえ。それだけホールの状況がどんどん厳しくなっているというのと、私自身ここ数年は遊タイム狙いばかりしていて釘をきちんとみるということをしてなかったから、っていうのもあるかも。
そんななか先日久しぶりにそこそこ回る台で「粘って粘って頑張って」きたのでそのときのことを。
「P戦国乙女6~暁の関ケ原~」の甘デジ!
コロナ以前には特定日や新台入替時にきちんとメリハリのある甘釘を投入していたものの、コロナ以降はボッタクリホールとなってしまったA店。
そのA店が前触れなく新聞折込チラシを入れた日。う~ん、あまり期待できないがいちおう見に行ってみるか・・・となったのです。
しかしわざわざあさイチから並んで、なんていう気にはならず、昼くらいに出勤。パチスロはまだあまり回ってないから後回し。パチンコは導入されたばかりのスマパチやいまだ人気のエヴァなどはすでに埋まっていて釘をみることができない。ということでバラエティコーナーの空き台の釘が変わってないかをチェックしますと、「P戦国乙女6~暁の関ケ原~」の甘デジの釘が少し変化している気が。
↑貼ったPVはライトミドルのもの。甘デジは通常時の実質大当たり確率1/99.9。大当たり後は基本25回の時短がつき、そこで実質1/51.5の大当たりを引ければ時短71回+残保留4個の時短「天下分け目の関ケ原ラッシュ」に突入します。ラッシュ継続率は約77%。右打ち中は50%が10ラウンド(約900個前後獲得)となるので、そっちに偏ってくれればなかなかの出玉となることも。
遊タイムもいちおうついていますが、1/99.9の甘デジなのに天井遊タイムは大当たり後777回消化後に突入、となっていて、狙い目といえるところまでハマっている台をみつけること自体が少ないし、天井到達がまれな割には恩恵が少ないし、狙う機会はあまりないですね。
ライトミドルも含めればけっこう打っている台ですが、何度か書いたように私はこのシリーズあんまり好きじゃない。キャラクターのいで立ちは絶妙に下品であまりかわいくないし、たくさん入ってる曲も同じようなのばっかりで、それを聴いて気持ちが盛り上がるようなものがない。
まあコンテンツに魅力がなくても勝てればそれでいいんだと考えれば、甘釘なのであれば打たなくてはならない。ということでとりあえずどれくらい回るか試してみよう。
技術介入要素は少ないが、だからといって漫然と打ちっぱなしではいけない。それはこの台にかぎらずどんな台でも同じ
すると最初の貯玉250個でなんと30回も回っちゃった。
まあこういうのはたいがいはただの上振れで、それがずっと続くなんてことはほぼありえないわけですけど、こうなってはしばらく様子を見なくてはならない。続行していきますと157回、投資1,500個のところで最初の大当たり。しかし時短25回は駆け抜け。
ちなみにこの台、釘調整にもよりますが技術介入要素はあんまりない。大当たり中のオーバー入賞を狙うのはなかなか難しいし、右打ち中も電チューのベロに引っかからなかった玉は(釘がまともなら)下の1個返しのポケットにほぼ入っていくので打ちっぱなしでもそれほど減らない。
最近はこういう台多いですね。止め打ちとか姑息なことして勝とうとか考えるんじゃねえよ、パチンコは打ちっぱなしでボケっとマンガ眺めて運試しするギャンブルなんだよ、テキトーに打っておとなしく負けて帰れや、という業界の姿勢がよくあらわれている。だから客がこねえんだよ。
しかしそういう台だからといって業界の思惑どおりに漫然とテキトー打ちをしてはいけない。どんな台を打つのであれ、「なんとかしてより多くの玉を獲得する方法はないか」「なんとかして少しでも無駄玉を減らす方法はないか」と考えながら打つのがパチンコで勝ちに近づくために、そして少しでも楽しく打つために必要なことです。現在出てくる台はそういう考えをプレイヤーがもたないように技術介入要素を排し、一撃必殺の性能を高めて「パチンコはしょせん運ゲー」という意識を植え付けようとしているものばかり。そこに騙されてはいけません。どれだけ荒波の台であろうと、勝ちに近づくためには「回る台を打つ」「少しでも獲得個数を多くする」「無駄玉を極限まで減らす」ということしかないのです。
この台の場合、大当たり中はラウンド間のインターバルが短くないため、ラウンド間での止め打ちはかなり有効となります。オーバー入賞を狙うのはなかなか難しいけれど、たまにふつうにオーバー入賞することもあるのでちょうど11個入るくらいのタイミングで止める、くらいで打つのがいいかも。
それから大当たり開始時の「右打ちしてVを狙って!」というとき。アタッカーがひらくタイミングをきちんと見計らって打たないと無駄玉が増えます。しかし打ち始めるのが遅すぎると、1ラウンド目は10個入賞するまでではなく規定回数(?)パカパカするだけで終わりなので、10カウント入賞するまえに終わってしまうことがあります。なので女の子に「右打ち」と言われる直前くらいのタイミングで打ち出すくらいがいいと思いますが、打ち出しが遅れると大損するので、あまり考えず早めに打ち出しておくのがいいでしょう。
時短中は電チューのベロのタイミングを狙うのはなかなか難儀で、止め打ちしてると時間効率が落ちるというのもあり、基本的には先読みやリーチ発生のときだけ止めればいいかな。止め打ちしてもベロ周辺の釘によっては玉がベロに向かわずに右側に逸れてしまうのが多くてイライラする。ただし初当たり後の時短25回(「決戦の刻」)のあいだはラッシュの時よりも消化が遅いので注意が必要ですね。保留を消化したら打ち出して保留満タンに、というのを繰り返すのがベター。
そんなふうにして打ち進めますと2回目の初当たりが。貯玉500個と9,500個を追加投資したところで当たり。「きゅいんアタック」を選択したら17回転目にキュインしてくれて、それで都合3連。
よしよし。この時点で回転力はまだまだ落ちてきてない。さすがに30回はキープできてないけど。もちろん続行しますと、144回転目にまた当たって、今度は「乙女アタック」を選択。「われはオウガイ」とか言われたときの絶望感が大嫌い。われはオウガイわれはオウガイうるせえよ、たまには違うこと言え!とか思って見ていたら、終了間際そのオウガイに負けたあと復活して(斬りあったときにいつも出るカットインが出なかったけど、それってアツいのかな?)勝利。またまたラッシュ突入!
それが9連チャンまで伸びてくれて4,780個獲得。とうぶんのあいだ現金投資の心配から解放され一安心。当然そのまま続行!
最後に爆連してくれて快勝!
しかしその後3連続で単発を喰らい、獲得した出玉の大部分を飲まれます。オウガイにやられっぱなし。珍しく「ぼくはコタロウ」とか言われて期待したもののそれも負け。この「乙女アタック」、やっぱり面白くないなあ。もうちょっとなんとかならなかったんだろうか。
回転力はだいぶ落ち着いてきて、トータルでは250個あたり22回~23回くらいといったところに。あんまり大したことないなあ。とはいってもアケられたことは明白であり、チラシ投函日にはこういうことをする、というのがわかっただけでも収穫というもの。もう少し粘ってみるか・・・
すると5連、5連、2連とラッシュに入ってくれて少しずつ出玉が回復。さらに15連、7,510個という甘デジとしては破格の爆連をかまして・・・!
最後の3連チャンは10ラウンドが引けずたったの540個で終わったものの、出玉は12,540個まで達し、このへんで目が疲れてきたのでヤメ。中年パチンカーにはこれくらいが限界。疲れて集中力が落ちると無駄玉が増えますからね。無理はしなくてもよい。
まあまあの結果となって満足。さっきこのシリーズ嫌いと言いましたが、カスタムを活用すれば演出の発生頻度が低くなり信頼度もアップさせられるところは悪くない。「先読み期待度UP」でも先読みがしょっちゅうスカるのはイマイチだけど、萌えカットインはUPにしとけば発生すればほぼ当たり(?ハズレたことない。当確ではないのかな?ラッシュ中は10ラウンド確定?)だし、そこだけは気に入ってます。曲も悪くないのもいくつかはある。33曲目に解放される「好き」はなかなかいい曲。サウンドトラックCDも出てるのか。でも高いなあ。
HEIWA キュイン萌~る パチンコ戦国乙女6 暁の関ヶ原 オリジナルサウンドトラック
ちなみに次の日も据え置きを狙いに行きまして、幸運にも据え置きっぽくよく回って1日粘ってプラス 10,041個。23連という連チャンをしてくれました。3日目はさすがにシメられていましたが、「粘って粘って頑張って」上々の結果を残せてよかった。これが理想の展開。仮に引けずに負けていたとしてもそれも理想の展開です。回る台を打てた、というだけでいいのです。ていうか「回れば勝ち」という思考にたどりつけるかどうかがパチンコで勝ち組になれるかどうかの分かれ道です。そして回る台でできるかぎりの技術介入を駆使し「粘って粘って頑張って」勝利を目指す。
その意味で、回る台なんかない(回らないのはある程度仕方ないがボリすぎのホールばかり)、でも技術介入も禁止、などというクソみたいなホールには行かない、というのが大事です。シメるんなら止め打ちくらい自由にさせろ。止め打ちすんなっていうならそのぶん釘を少しはアケろ。その程度のことをしないってことは、楽しませる気も勝たせる気もないってことなんだから。そんなホールにカネを落として生き永らえさせるのは業界にとっても害でしかなく、それはつまり我々プレイヤーにとっても利益にならない。