認知症の母が特別養護老人ホーム(以下「特養」)に入居して1か月以上経ちました。
それまでは介護老人保健施設(以下、「老健」)に長きにわたって(1年半ほど)
いたので、環境の変化によってなにが起こるか・・・と不安いっぱいでしたが・・
今回は特養での生活について、現時点で思うことを書いていきます。
特養入居を待っている方、考えている方の参考になれば幸いです。
老健に入ったときは異常な行動を連発
老健に入る前から徘徊などの周辺症状が頻発していたのですが、
老健入所後はそれがさらにひどくなり、
ティッシュとかぬいぐるみとかを食べちゃったり、
便を部屋の壁に塗りたくったり、介助を嫌がって大声を出したりといった行動がありました。
そういうことがあったので、老健から特養への環境の変化によるストレスがあれば
どんな恐ろしいことが起こるかわからない・・という不安、恐怖を
(特養へ入居→初日に転んで骨折、なんてこともけっこうあるらしい)
抱きつつ、この1か月ほどを過ごしましたが、
いちおう、いまのところ何事もなく過ごしているようです。
しかし・・・それで安心、かというと、そうでもない。
老健と特養では施設の性格が異なる
いままでいた老健は本来、「在宅の生活に復帰することを目指す」施設であるので、
身体機能を改善するためのリハビリなどをやってくれる(ていうか、それが目的)で、
看護師さんが常駐しています。基本的には3か月とかいう期間限定で、
自宅へ戻るなり特養へ入るなりして、いつかは出ることが前提。
しかし特養は、「終の棲家」。つまり、生活する場所、言うなれば「家」と同じ。
だから、リハビリなどはやってくれませんし、看護師さんも常にいるわけではない。
医療面の専門的ケアが常に必要な人は入居できません。
「家」なので、老健のように手厚い見守りをしてくれるわけではなく、
言い方は悪いけれど老健と比べればどうしても
「放っておかれてる」ように感じることがあります。
寝たきりへまっしぐら・・・?
以前と変わらず面会には週に2回ほど行っています。
しかし、行くとほとんど必ずと言っていいくらい、ベッドに横になっている。
そして、介護職員の姿はいつも見えない。
老健とは違うんだから、ということはわかっていつつも、
老健での手厚い見守り体制を長いことみてきただけに、
「寝かせておけばとりあえず目を離しても安心」
ということで「寝かされてる」という印象を拭い去れません。
それが不満、文句を言いたい、ということではもちろんないです。
手厚い見守りはできない、ということは承知で入居させているわけで、
起きている状態で目を離して転倒して骨折、なんてことになるよりは、
まだ寝かせておいてもらったほうがいい。お年寄りは転倒=死、みたいなものですからね。
しかし、現時点では私につかまってちょっとずつ歩いてみたり、
トイレで壁につかまって立ってみたりとかいうことができているのに、
このままず~っと寝ていてはそれすらもできなくなり、
完全に寝たきりになる日も近いのではないか・・という心配があります。
寝たきりになるのは嫌、でも歩いて転倒されるのは絶対に避けなければならない、
ということで、認知症というのは進んでいくほどに八方ふさがりになるものだな、
とあらためてやりきれない気持ちになります。
静かな環境で過ごせる
とはいえ、特養に入ってよかったな、ということもあります。
なによりも、とても静かで落ち着いた環境で生活できること。
老健の認知症患者フロアは30人くらいのお年寄りがいました。
基本的にみんな寝かさずに起こされていて、しかも介護職員や看護師の人数も多くて、
フロアはいつもガヤガヤしている印象でした。
しかし、特養は10人くらいが1ユニットで生活していて、
基本的にみんな個室で過ごしているため、とにかく静か。
個室は自分の部屋ですから、家具などを持ち込んでもいいし、
テレビやラジオなども勝手に流してよい。
私も、折り畳みの机や椅子を持ち込んでお茶飲んだりして
母と一緒の時間を過ごしますが、老健ではそんな気持ちにはならなかった。
健康でさえあれば問題ない環境ですけど、
心配なのは体調が変化したときですね。
老健は看護師さんが常駐してたので、
ちょっとしたことでもすぐに気が付いて手を打ってくれましたが、
特養ではそこまではできないでしょう。
大病になれば退所しなければならない状況もあり得るわけで、
今まで以上に本人の健康については心配が増えた感じです。
大病と言えば、先日、アルツハイマーとは別に、
脳の病気が発覚しまして、その治療をするところです。
それについても別の記事で書いていきます。
私自身がまだよく理解できてないので、よく勉強してから。