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「あおり運転」の厳罰化。無謀な運転者は減るか?

6月30日から改正道路交通法が施行に。いわゆる「あおり運転」の厳罰化が盛り込まれていることが話題です。

↑アメコミ調のポスターはなかなかストレートでわかりやすくていいんじゃないでしょうか。わけのわかんない芸人とかを使うよりはこっちのほうが断然いい。

警察庁のサイトにある説明によると、「あおり運転」とは

他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うこと

であり、今後は取り締まりの対象となり最大で懲役3年の刑に処せられる。

そのうえ、

また、妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられることとなりました。
さらに、妨害運転をした者は運転免許を取り消されることとなりました。

なんと、違反行為が「あおり運転」と認定されればイッパツで免許取り消し。これはかなり思い切った改正ですね。

飲酒運転のほうは、2007年の厳罰化により飲酒による事故はだいぶ減ったという話で、今回のあおり運転厳罰化もおそらく一定の効果は出るんでしょう。

私は道路行政に詳しくもないし自動車についてよく知っているわけでもないですが、クルマが生活必需品という土地に住んでいることもあり、交通事情に関しての問題には関心がありこのブログではたびたび記事にしています。

前に→「怒れる運転者」ロード・レイジ問題 や →「危険運転」のニュースをみて思うこと の記事などでも書きましたが、またこの問題について思うことを書いておきます。

狂人を罰することができるようになるのはイイことだと思うが・・・

今回の法改正にともない、テレビのワイドショーでは「こんなもんは殺人未遂だろ」と言いたくなるような悪質な運転の映像がたくさん流されていましたね。

これまではこういった行為そのものではせいぜい「暴行罪」などでの摘発で終わっていましたが、これからは「妨害運転罪」ということで最大で懲役5年に処すことができる。

私自身はなんでもかんでも厳罰化という安易な流れには反対なのですが、なかなか画期的な法改正といえるでしょう。これまでは厳罰どころか摘発することもできなかったわけですからね。しかし、実際にどのように適用するのか、難しい部分はものすごく多いんじゃないでしょうか。

なにしろどのような状況が適用されるのかがけっこうあいまいだし、双方の主張が食い違うケースがほとんどになって、ドライブレコーダーが完備されている状況でないかぎり難しいんじゃないでしょうか。っていうか、認定されれば刑事罰を受けるとともにイッパツ免許取り消しにもなっちゃうという超絶重い処分を与えるわけだから、そう簡単にホイホイ適用されたらたまったものじゃないし、「めったに適用されない」っていうくらいの慎重な運用がされるべきなんだろうと思います。

宮﨑とか石橋とかみたいなエクストリームでレアな凶悪人間を、事故になっていなくても摘発して交通社会から一定期間追放できるというのと、それなりの抑止効果はあるだろうということで期待はしていますが、あいまいな規定と、どのように立証するのか、という点で、警察がきちんと仕事してくれるのかが気になるところではあります。

自動車メーカーはもっとカネを使えよ

個人的に勝手な意見を言わせてもらうなら、自動車メーカーが本気になってくれさえすれば、法改正よりももっと劇的にあおり運転とあおり運転が原因の事故を減らすことができるのでは?・・・と思っています。

各メーカーが手放しで運転できるクルマとかをすでに作っていますが、→日産自動車の新型スカイライン「プロパイロット2.0」は凄いのか? そんなすごい技術があるんなら、いつも自慢しているお得意のAIを活用すれば「あおり運転をしようと思っても不可能」なクルマだってつくれるのでは?

少なくとも車間距離不保持でのあおりと追突事故は減らすことができるでしょう。速度に見合わないくらい車間距離が少なくなったら減速するようにすればいいだけでしょ。

それから、ドライブレコーダーが全車に装備されているのが当たり前となればかなりの抑止力になるはずなので、これも自動車メーカーは自分のカネで標準装備したらどうか。日産みたいな死に体の会社はともかく、儲かってるメーカーはそれくらいやるのが社会的使命じゃないの。

 

まあ、これだけアクセルとブレーキの踏み間違いが問題視されていても「対策はユーザーが自分のカネでやってください」と言い、老若男女問わずいつか誰かが絶対に踏み間違いを起こすのが明白な機構であるオートマ車をそのまま売り続ける業界ですから、儲けにつながらない安全対策にカネは使いたくないんでしょうね。何兆円も利益を出しつつ安全対策のカネは出し惜しみし、「スマートシティ」などといったどうでもいいようなことにカネをつぎ込んでるメーカーのしらじらしいCMをみていると吐き気がしてきます。自社の製品で人が死んでると思えば、安全対策以上に優先するものはひとつもないと思うんですけどね。

マスコミは広告料で支配されちゃってるから自動車メーカーになにも言えない。だから「メーカーがもっと努力すりゃあもっと事故が減るだろ」という声が上がってこないのが恐ろしい。

それはともかく、一定の割合で宮﨑や石橋みたいなアタマのおかしい人がいるのは避けられないので、自動車メーカーはなんでもユーザーの責任にしないで、もっとやることやってほしいものです。

行政はもっと教育にカネを使えよ

しかし最も問題だと思うのは、結局はドライバー自身の意識が低いことなんじゃないですかね。

運転していると、1日に数回は必ず後ろにぴったりくっついて走るバカに遭遇する。これはもう100%。

しかしこれは、おそらく本人も「車間をつめて走っている」「あおっている」という意識がないままやってることが多いんだろうと思うんですよね。つまり、適正な車間距離というものを知らなかったり、安全意識が低かったり、経験が浅かったり。

そのへんを啓発することにもっとおカネを手間をかけたらどうでしょうか。

意識せずに車間距離をつめて危険な運転をしている人は、私に言わせれば全ドライバーの3割くらいはいるんじゃないかと。とにかくくっついて走らないと気が済まない。どんだけ精神的に幼いんだよ・・・としか言いようがないんですけど、だから追突事故が起こるし、「あおられたからあおり返した」という事件もいっぱい起こる。即効性はないけど、そういうドライバーを減らすことのほうが、厳罰化よりも必要なのでは。

 

自転車のあおり運転問題もそうですね。子供のときに小学校の校庭で「安全教室」みたいなのを受けましたが、思い返してみるとそこでは、自転車は交通弱者というスタンスで教えられていて、「自動車からどのように身を守るか」ということは教えられても、「自転車がこれこれこいうことをすると自動車や歩行者にどういう危険を与えるか」という視点はあまりなかった気がします。

いまの子どもにどのような交通教育がされているのか知りませんが、子どものときから「自転車は気軽に乗るものではない」という教育を施し、できれば運転免許制にするとか、自転車にもナンバープレートをつけたほうがいいんでしょう。

厳罰化したところで、人間そのものが変わらなければ誰も見ていないところで危険な運転をするバカはいなくならないので、結局は教育を地道にやるのが必要なのではないかと思っています。

 

危険運転をする人間が交通社会から駆逐され、かなしい事故が減ってくれることを祈ります。

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