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「怒れる運転者」ロード・レイジ問題

今年6月に起こった、東名高速でワゴン車にトラックが追突して

2人がお亡くなりになった事故を機に、

無謀な煽り運転や、「怒れる運転者」(いわゆるロード・レイジ)

についてさかんに話題にされています。

ようやく問題視されるときが来た

オラオラ遅えぞこの野郎、みたいな感じで後ろにビッタリくっついて煽ったり、

狭い道で追い越しをかけたり、

複数車線の道で幅寄せをしてみたり

とかいうアホで無謀な運転者がいるのは今にはじまったことではない。

 

以前の記事→

高齢ドライバーの交通事故について思うこと

高齢ドライバーの交通事故報道の偏向に惑わされないで!

で、高齢者の運転の危険よりも若いドライバーの未熟で無謀な運転のそれのほうが

よほど重大な事故につながるので問題だ・・・

ということを書いたことがありますが、

私としては、ようやくこれが問題視されるようになったのを機に、

今回のような事件(事故ではない)をなくすためにも、

無謀な運転をする「だけ」で摘発できるような

法整備を急ぐべきだと思っています。

スティーブン・スピルバーグの「激突!」をみなおしてみた

この類の事件をきいて、

スティーブン・スピルバーグ監督の映画「激突!」(「Duel」)を

想起する人は少なくなかったでしょう。

私もこれを思い出してレンタルDVDでみなおしてみました。

amazon.co.jp 激突!スペシャル・エディション [DVD]
デニス・ウィーバーが演ずるセールスマンがハイウェイで前をのろのろ運転する

トレーラーを追い抜きます(追い抜く前にビッタリ後ろにくっついたりとかしてるので、

セールスマンのほうも悪いんじゃ・・という気もします)。

するとトレーラーはスピードをあげて追い抜きかえし、前に出て急に減速したりとか

嫌がらせをはじめます。

前に出ると減速、追い抜こうとすると進路妨害する。

ちょうど対向車が来ているタイミングで窓から手を出して

「先に行け」というサインを出したりとか、とにかく悪質です。

やっと追い抜くと今度は後ろから猛烈に煽る(それどころか実際にぶつけてくる)。

 

なんどか止まってやりすごしても、必ず戻ってきちゃう。

後ろから踏切に押し込もうとしたり、通報しようとして電話ボックスに入ると

そこへ突っ込んできたりして、どんどんエスカレート。

もう嫌がらせというよりも殺す気満々。

トレーラーが不利なクネクネした坂道に逃げ込んでやっとまいた・・・

と思ったらオーバーヒートしちゃって・・・

というところで恐怖は絶頂に。

東名の事件の被害者も、この映画のような死の恐怖を味わったんだろうな・・

と、恐怖とともに怒りがこみあげてきます。

ヘタなホラー映画よりも「こういうことありそう」

という意味でものすごく怖い映画でした。

見終わった後の絶望感、疲労感が凄い。名作ですね。

 

映画では最後にはセールスマンが捨て身の反撃に出るのですが、

東名の事件では残念なことに被害者が亡くなり、

加害者というか犯人はいまごろ留置場で弁当食って

マンガでも読みながら気楽に寝そべっていることでしょう。

なんという理不尽でしょうか。

無謀運転「だけ」で罰することのできる法整備を

映画の中で、セールスマンは途中逃げ込んだカフェの中で

「警察を呼ぼうか・・しかし奴がしらばっくれたらそれで終わりだ」

と考えたりしています。

この時点では明確な殺意が感じ取れてないのでこう考えていたわけですが、

このくだりは、無謀な運転をする、というだけでは

重い罪に問うことができない現時点での法律の限界を

あらわしていると思います。

 

煽ったり幅寄せしたり進路妨害した「だけ」では、

違反にはなるかもしれないけれども

それ以上の罪に問うのは難しい。

それが直接的に事故につながったときだけ罪になる。

今回の東名事故は、死亡事故の直接の原因は嫌がらせをした本人の行為ではなく

トラック運転手が追突したことであるので、

危険な運転でムリヤリ追い越し車線に停車させるという、

どう考えても殺人未遂だろ・・という行為が

ただの「過失運転致死罪」にしか問えないということになっている。

 

運転していると、私の住んでいるような田舎であっても、

とにかく危険な運転をする人間は必ずいます。

問題なのは、どこからが「危険」なのかという認識が

人によってずれまくっているところ。

 

たとえば車間距離。

私に言わせれば、世の中に「適正な車間距離」というものを知っていて

きちんと守っている人というのは全ドライバーの1割もいないんじゃないか、

というくらい、誰も彼もみんな車間をつめて走りたがる。

参考→JAF MATE 車間距離のはかり方

(参考動画では車間距離を「2秒」と言っていますがそれでは近すぎると思います。「3秒」が妥当でしょう)

 

全ドライバーが車間距離をきちんと守れば、

交通事故は3割くらいは減るんじゃないでしょうか。

とにかく、車間をつめて煽るような運転を、事故にならなくても「危険運転罪」として、

刑事事件として扱えるようにしてほしい。

 

みんな基本的に忙しくて時間がない、

というのもあるでしょうが、

車間距離などを守らないというのは結局本人の想像力の問題で、

「もしいま前の車が急に止まったら・・・」

とかいうことが想像できないからなのではないかと。

狭い路地でものすごいスピードを出したりする人間も同様で、

みえないところから急に人が飛び出したら・・・とかいうことが想像できない。

後ろから煽られたりしたら相手がどう感じるか想像できない。

警察は危険運転を取り締まれ

そういう想像力の欠如した人間は、

どんなに取り締まりをしてもどんな時代でもどんなところでも必ずいるので、

それに遭遇してしまったら、まずはもうとにかくできるだけ安全な場所に車をとめる

しかないでしょうね。そして通報する。

できればドライブレコーダーを装備し、

殺人未遂で告訴できるように準備できればいいですね。

 

「激突!」映画のなかでは最初のほうではセールスマンが

トレーラーに応戦する構えをみせるんですけど、

これはやってはいけないでしょうね。とにかく停止して通報するべきです。

それも高速道路上ではなかなか難しいわけですが・・・。

 

ともかく、警察はすでにNシステムやオービスでドライバーの行動を監視しているんですから、

もう一歩すすめて車間距離不保持や進路妨害などを

監視するシステムをつくり、

危険運転をするドライバーのデータを蓄積して

そういうドライバーに警告を発したり免許停止などの処分をくだせるようにするべきでは。

AIを駆使すれば、なにが危険でなにが危険でないか判断させるのは可能でしょう

(ほんとうはそんな盗撮をされるのは嫌ですけど、監視は今に始まったことではないのでそれを言ってもしょうがない。)

で、安全運転のドライバーには減税し、危険な運転をしているドライバーには増税するとか。

 

「車間距離不保持」で検挙された件数は2016年で7625件ということです。

「あおり運転」など車間距離違反、16年の摘発7625件

たったそれだけ?

真剣に取り締まれば100倍は検挙できるはず。

誰でも加害者になりうる

実は私も、後ろにぴったりくっついて走るバカなドライバーに遭遇すると、

急ブレーキ踏んで嫌がらせしてやろうかと思うことはあるのです。

 

しかし万が一の時の結果の重大さが頭をかすめるので思いとどまるわけですが、

このように誰でも「怒れる運転者」になる可能性はあるので、

「俺は大丈夫」とか思わずに真剣に考えるべき問題だな、と感じています。

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