ここ最近のパチンコ稼働は「遊タイム狙い」ばっかりで、どこのホールも遊タイム機はガッチガチにシメるし、そのうえ台自体がつまらないから精神的につらい・・というのを何度も書いています。
まあ一般目線でいえば、「遊んでるだけのくせに何言ってやがる」「嫌なら打たなきゃあいいじゃねえか」という話で、そう言われれば言い返せないんですけど、釘がシメられることはホールも商売だから仕方がないとしても、「つまらない台しかない」ていうのは、私のみならず多くのパチンカーが感じていることで、パチンコの客離れの要因のひとつになっていることは間違いないと思うんですよね。
では今のパチンコ台がつまらない理由はなにか・・・を考えてみると、ひとつは「銀玉の動きにハラハラして一喜一憂する」というパチンコ本来の楽しみが置き去りになっていること。
そのかわりに主流になったのが、「液晶と役物の演出で魅せる」ということ。そこがカッコよかったり笑えたりすれば、銀玉の動きの楽しみが少なくても私も受け入れられます。往年の名機「ダービー物語」はリーチを眺めて「そこで止まれ!」と祈るだけで楽しかったし、「綱取物語」はノコッタリーチさえ見られればそれでよかった。海物語は言わずもがなの楽しさだし、最近で言えば「火曜サスペンス劇場」とか「冬ソナ」なんかは液晶演出だけで充分イケたし、「リング 呪いの七日間」は手が落ちるというだけで楽しんで打てる。
しかし今のデジパチの大部分は、ほとんどすべてが同じ問題をもっていて、そのせいで全部が同じようにつまらなくなっている。
それはやっぱり、プレイヤーをひたすらイラつかせるだけの「煽り演出」がヒドイという問題。多くのプレイヤーがウンザリしているのに、なぜか業界側はそれをシカトし続けている。最近はようやく、演出モードでそれをコントロールする機能がついた台が出てきたりしていますが・・・。
先読み・リーチ煽りに疲労困憊。
ここのところ打っている台のなかで、現在のデジパチの「毎ゲーム煽らなきゃ死んじゃう病」という宿痾の深刻さを顕著に感じるのは、藤商事の「とある魔術の禁書目録」。
遊タイムを狙うから仕方なく打っていますけど、これはヒドイ。先読みも疑似連もこれでもかっていうくらい多くしつこく、ウザい。そのうえさらに、期待度★4ツ半の激アツ(?)リーチにようやく発展して、どう聞いても確定音としか思えない音が何度もギュギャギャギャ~ンって鳴っても、最後にボタンを押すと結局スカなんだもんなあ。
いや、確定演出以外の演出でスカることがあるのは当たり前としても、その発生頻度や信頼度のバランスがとにかくヒドイ。これまではたまたま偏っただけと思っていましたが、どうやらそうではないらしい。結局「幻想殺しデバイス予告」が出ないと期待できない台なんだな。
これではなにが起ころうとも当たる気がしませんよ。「シンプルモード」にしようともまったく関係ない。
で、ようやく当たったとしても、ST中の煽りがまたウザい。「一発告知」のモードにしたとしても、結局「当たるかもよ~発展するかもよ~」という煽りが随所で発生するのでとにかくムカつく。「一発告知」なら、ST冒頭の30回転みたいに当たらない限りなにも起こらない、っていうふうにしたほうがいいのに。私はいつも「パト告知」で消化していますが、これにしたってリーチするかどうかの煽りがしょっちゅう発生する。「チラ、チラ」で先読み→女の子がしゃべる→リーチしそうになる→結局リーチしない・・これをもっと少なくしてくれればなあ。なにも前兆なしでいきなりキュインでいいのに。それでもこの「パト告知」モードが一番マシ。ほかはひたすらムカつくだけ。
この台が人気なのはただ単に「100%ST突入」っていうのがウケてるだけで、それ以外の部分が支持されているとはとても思えないんですけど、まあとにかく嫌い。甘釘や天井に近い台でないかぎり触りたくない。
これを打つと、やはり今のデジパチの問題点は「煽りがウザい」という点なんだとわかる。リーチしてからアツさを演出するんならともかく、その数回転前から先読みで煽り、当該回転ではリーチするかどうかを煽り、リーチしたらしたでスーパーへの発展を煽り、スーパーリーチ中は信頼度のあがる上級演出の発生を煽る。バカなんじゃないの。煽られても「どうせスカなんだろ。めんどくせえなあ」という気しかしないから打っててひたすら疲れる。どこが「遊技」なんだよ。
おそらくこれは開発側が頭おかしいのではなく(パチンコ知ってる人ならこんな台はつくらないと思いますけどね)、「こうしないとプレイヤーが退屈してヤメちゃう」と思ってるからこうなるんだろうな、と。
つまり開発側は、「液晶でウルサク煽られないと退屈」という(今どきはパチンコライターとかでもこういう程度の低いことを平気で言いますよね)子供みたいなプレイヤーばかりだと思っているということか。いやいやいや、みんなこういう台にウンザリしてますよ。幼稚な演出にウンザリしたプレイヤーはパチンコやめちゃって、「煽られないと退屈」っていうプレイヤーだけしかいなくなってるから、遊技人口がどんどん減ってるのに。
デジパチの煽りは「リーチそのもの」だけで充分
そこを踏まえて往年のデジパチ名機を思い出してみると、煽り演出はほんとうに少なかった。先読みだの保留変化だの疑似連だのはデジパチの長い歴史の中でだんだんに生まれてきたものだから当たり前ですけど、煽りが少なかったことでいざ煽られたときはほんとうにアツかったし、1日粘ったとしてもそれほど疲労を感じないものが多かった。
私が社会人になりたてのころに打ちまくった「ダービー物語」。ひたすら図柄が回転するだけ。たまにリーチ。それだけの何が面白えんだよ・・というのは間違い。それ「だけ」だから面白かったし、中毒性があった。だって、煽られてイライラ、ということはありえないから。言うなればリーチそのものが煽りであり、その煽りが発生したときにはすでに「当たるかも」というアツい状況になっているから。「ムダに煽られた」という怒りが生まれるはずもない。
↑右図柄が何週もしてから当たることもあれば、速攻でビタ止まりすることもあったり。信頼度を上げ下げする演出はない(いちおうアツい図柄とアツくない図柄はあったけど、それほど大きな差はなかったし、ちょうどいいアクセントだった)から、リーチすればいつでも「当たれ~!」とアツくなれた。それだけでいいのに、っていうかそれが一番アツいのに。
そのうえ、大当りラウンド中はVゾーンへの連続入賞によって保留連の確率が上がるシステムになっていたから、大当り中は「銀玉の動き」に集中し、エキサイトできた。そこが名機たるところでしたね。それが問題になって撤去になっちゃいましたが・・・
「リーチ煽り」ももっとうまい方法があるはず
もう少しあとの時代のデジパチを思い返してみましょう。個人的にいままで打ったデジパチで五指に入るくらい打ち込んだ、「CR新世紀エヴァンゲリオン セカンドインパクト」。
これ、ごくたまにプレステでプレイしてみるんですけど、そうするとその煽りの少なさ、プレイ中の心の安らかさは今の台とは雲泥の差・・と感心しちゃう。大当り確率はいわゆるMAX機と同じなのに。
この台は確変中にストーリーリーチが発生したら確変大当り確定。いまの台でそういうリーチが存在するなら、そのタイトルがボワンボワンって出てきてその文字が完成すればリーチ発展で当たり・・・っとかいう煽りがしょっちゅう発生するんでしょうが、この台の場合はそこが実に上手かったなあ、と感じます。大当たりまでの過程、もしくは激アツリーチに発展するまでにおいて、「煽られる」という感じは全然なかった。
まず、リーチすること自体を煽るっていうのは少なかった。ステップアップ系演出はたまにガセがあったものの、多くは「リーチよ」とか言われてリーチ確定。ガセであってもあっという間に消えるから「煽られた」という印象はまったくないし、ガセでリツコで消えたと思ったらステップをすっ飛ばしてシンジが現れて激アツ・・・っていうのもあったりで、目が離せなかった。
「リーチよ」って言われてリーチ。そしてエヴァンゲリオン発進。
おお~。いいとこに発展して。できれば初号機がいいなあ~とか思ってると・・・「第10の使徒」って出て失禁。煽られることなくいきなりそこへ行くから失禁できるわけです。確変中なら確確、時短中でも当確。
じつにあっさりと超激アツリーチに発展。
この一連の流れのなかで、「煽り」と感じるような演出はまったくないし、仮にストーリーリーチではなくほかのリーチでハズレだったとしても、「ムダに煽られた」という印象を受けることはない。その頻度が少ないですからね、「またかよ」「めんどくせえんだよ」と感じることはない。だから1日打ってもウンザリすることはない。
「とある魔術」のST中も、「突発告知」は煽りゼロでなにか起こればそれで当たり確定ならたぶん楽しめたし、「パト告知」も女の子がしゃべったら少なくともリーチ確定にしてくれればストレスが少なかったはず。通常時もなんとかゾーンだの役物が動いたりだのはもっと頻度を少なくして確定演出にすればよかった。
ともかく「リーチするための煽り」はもうやめてほしいし、やるんならもうちょっと上手くやってほしいなあ・・と思っています。時間稼ぎのために煽り演出を増やすのは愚策。出玉スピードを下げればいい。
とどのつまり、「演出はあれもこれも、とにかく多彩にしよう」という発想はもうやめて、「いらないものを省く」ことでアツさを演出するほうへシフトしてほしい。これまでに何度も書いてきたし、多くのパチンコファンが思っていることなはずなんですけど・・・。