日頃ひたすらパチ屋に通って日銭を稼ぐ生活をしている私であっても、年に1~2回くらい、地元を出て遠出して済まさなければならない用事ができます。
そういうときには知らないパチ屋にフラッっと入って地元で打てない台を擦ってみたりすることもあります。
しかし最近は、どこのホールに入っても置いてある台はほとんど同じですねえ。その傾向は今に始まったことではないとしても、最近はそれがさらに顕著になってきている。売上が期待できる人気台に特化するあまり、どこへ行っても同じ台ばかり。それじゃあ出玉でまさる大手の店が勝つに決まっている。
先日は我が家からクルマで1時間ほどのところに設置台数1,200台超の巨大ホールができ、連休中はスゴイ人出になったようでした。それだけのデカいホールであればちょっとした「羽根モノコーナー」とか「役物抽選機コーナー」とかがあったりしないのか、と思って調べてみたのですがそんな台は1台もなかった。ただただ「人気の北斗!エヴァ!地域最大級!大量設置してます!」っていうだけ。どこにでもある台をただいっぱい置いただけで、その店ならではの特色というものはなにも見えてこない。まあ別に羽根モノがないホールはつまらないホールだ、と決めつけるわけではありませんがそれだけデカい店なら、あまり動かないけどマニアックなファンが好む台もちゃんと揃えておくとか、そういう懐の深さみたいなものが欲しい気がしますねえ。経営者や店長がぱちんこ好きな人間じゃないんだろうなあ。カネが欲しいだけならもっと儲かる商売がほかにいくらでもあるだろうに。
そんなホールばかりが生き残るからぱちんこは斜陽になった。そういう意味で、ほかに置いてないマニアックな台を、たとえ儲けにつながらなくても設置してくれてるホールをみると嬉しくなるし応援したくなる。私が巡回しているホールのひとつはいつも凄まじいボッタクリ釘で営業していますが、数人の固定客がたま~に触るだけのトキオだのの羽根モノを長いこと外さずに設置し続けている。そういうところをみれば「釘が多少ヒドクてもまあしょうがないよね」という気にもなるわけです。
しかし遊技機の規則の問題や、新規参入が難しい業界の構造的な問題もあり、そういったマニアックな台じたいがあまり出てこないし、そんな台を大事に設置してくれる台もほとんどないのが現実。すると私も遠出したからって知らないホールに入ってみようという気など起きなくなる。
そこを救ってくれるのが、レトロ台をプレイできる「ゲームセンター」という存在。寒川町の「スパイダー」さんや、惜しくも閉業した秦野の「ニューオオネ」さんや横浜桜木町の「ノスタルジア」さんなど、神奈川県下のスロットゲームセンターに伺ったときのことをこれまでに何度か記事にしましたが、今回は東京・神田に今年1月にオープンした「センター」さんへ行ってきました! そのときのことを記事にしておきましょう。
かつて通い詰めた思い出の地
いつかも書きましたが、東京・神田は2004年~2007年ころまでのあいだ、今は亡きパチンコ店「あたりや神田店」に行くために通い詰めた地。
当時はサラリーマンだったしメインとしていたのは新宿歌舞伎町でしたから頻度的にはそれほどしょっちゅう行ったわけではありませんでしたが、「あたりや神田店」は今となってはまさに幻の「ベガスロ」(オーイズミが出したテーブル型スロットマシン。「リニアフラッシュ」は名機!)が打てたり、夜には抽選で甘釘台が当たったり、毎月5日のイベントデーには目ん玉飛び出るくらいガバ開き釘の台がたくさん用意されてスロットにも全6のシマなどがあったりで、「今日はどんな面白いことをやってくれるんだろう」という楽しみを提供してくれる素晴らしいホールでした。
まあ抽選で甘釘台や高設定をくれるとかいうホールは当時ほかにもいっぱいあったわけで、そのこと自体はべつに特筆すべきことでもなんでもない。しかし私としてはやはりほかのホールにはない「ベガスロ」が打てるっていうのが魅力的だったし、ベガスロが不人気でいつだったか撤去されたあとも、個人的に大好きだったパチンコ「CR花満開極」(演出スキップ機能搭載。今の台にこそつけてほしい機能ですねえ)や「CRベルサイユのばらGX」(確変ループデジパチ最高傑作のひとつ!)を地下のバラエティにずっと設置してくれてて、私にとっては「特別な店」になったのです。こういうホールこそが通う価値のあるホールだと思っていたし、ベガスロやベルばらでどれだけ負けようとも気にならなかった。
「CR新世紀エヴァンゲリオン セカンドインパクト」の甘釘台をつかんで5万発くらい出たり、別の日には逆に1,800回くらいハマったり、夜の抽選で「CRウルトラセブン」の甘釘をつかんだものの当然のようになにも当たらずに終わったり、「スーパーお父さん」の6を打たせてもらったり、幻の「パロット」を体験したり・・・といった思い出をくれた「あたりや」があった神田。その神田に懐かしい名機たちを打たせてくれるゲームセンターがオープンしたという。そりゃあ行かなきゃあ気が済まない。若かりしころを懐かしむ気持ちと、名機が打てるというドキドキな気持ちを感じながら電車に揺られて神田へ向かいます。
→プレステ2で巣ごもり生活を凌ぐ!:その②「CR新世紀エヴァンゲリオン セカンドインパクト」編!
前日は所用のために都内某所に宿泊したので、「センター」さんの開店の10時には余裕で間に合います。早く着きすぎたため近くの喫茶店で高いコーヒーを飲んで時間をつぶし、いよいよ10時。
「昔のパチ屋」と同じ空気を提供する、というコンセプトが泣かせる!
5分前くらいに往ったらすでに開店してました。「いらっしゃいませぇ、いらっしゃいませぇ」という昭和・平成初期のパチ屋を彷彿とさせるマイクパフォーマンスがすでにアツく展開されている。そしてバックに流れるBGMは「TRUTH」とか「西部警察」(?)とかの、いかに当時のパチ屋で使われていたような懐かしい曲(遊技中は中森明菜や森高千里や工藤静香の当時の曲が流れてた)。そのサウンドをバックに、入り口に立ってくれている店員さんに初めての来店であることを告げ、遊技システムの説明を受け、1日打ち放題の料金4,000円を支払い、遊技中に首にかけておく無制限チケットを購入。
「そういう」コンセプトの店であることは前もって学習していましたが、その徹底ぶりはなかなかスゴイ。何言ってるかよく聞き取れないマイクパフォーマンスといい、懐かしいBGMといい、台間、通路の絶妙な狭さといい、背徳的な妖しい雰囲気を発散する裏物コーナーといい、私が若かりし頃に夢中で通った90年代~2000年代初頭のパチ屋そのもの。
そうではないところがあるとすれば、店員さんがみんな親切であるっていうところだけか。グランドオープンから間もないということもあって初めて来る客も多いようで、入り口付近には常に店員さんがいて丁寧に遊技システムを説明し、笑顔で対応してくれる。このへんは昭和のパチ屋にはあり得ないことですね。昭和時代当時は私もガキだったってのもありますが、パチ屋ってのは汚いオッサンが目を血走らせてギャンブルに興じる鉄火場であり、そこを仕切っているのもパンチパーマの怖いオッサンたち、っていう認識でしたから。
メダルレスで遊技させる、まさに「ゲームセンター」なスロゲーセンもあるなか(それが悪いというつもりはない)、どこまでも昔のパチ屋の再現にこだわり、サンドでメダルを貸し出し、いちいちメダル補給をし、客が出したメダルは計数してレシートも出すという姿勢が素晴らしい。「当店のルール」には(換金不可のゲーセンなのに)「当店がプロとみなした方の入場をお断りする場合もあります」とか書いてあったりするところにも強いこだわりが現れてますねえ。
昭和さながらのマイクを聴きながら、さあ~なにを打とうか・・・と店内を一周。この日は平日で、開店の時点でお客は数人だけ。ほとんど選び放題。悩むなあ~。いちおう宿はもう1泊とってあるので、今日は目いっぱい打って、明日も夕方くらいまでは打つつもりでいましたが、限られた時間でなにを打てばいちばん楽しめるか・・・・。
かつてケツの毛までむしり取られた、衝撃告知台の最高傑作をチョイス!
と考えるとやはり、打ったことのない台よりも昔大好きで打ってた台を懐かしんでおきたい。ということで選んだのは、地下に設置されていたパイオニアの完全告知Aタイプ「兜」の、「チェリー前兆Ver」。
このたたずまいがなんとも言えませんなあ。シンプルかつカッコいい下パネル、リール窓上の「There is no regret of a piece!!」という文言。「軟弱なスロッターは触るな」という空気を発散しまくっている。そして、告知は完全先告知、発生するのはレバーオン時のみ、という徹底的に潔いゲーム性。リーチ目だの復活だのそんなのいらねえんだよ、レバーオンだけにすべてを込めろ!告知だけに震えろ!という姿勢がステキすぎる。萌え系のマンガとのタイアップばかりの現代のパチスロにはあり得ない格調高さ。頼むからパイオニアはこれを(余計な機能をつけずこのままに)リメイクしてほしい。
この台は2001年から2002年ころ、サラリーマン時代に神奈川県の大船の駅前にあったホール(名前は忘れた)で、凄まじく連チャンする裏物に狂って打ちまくった思い出があります。めちゃめちゃ負けたんですけど、まさに「負けたとしても一片の悔いなし!」という気持ちで打ってました。それくらいこの台の殺人的衝撃告知とクールなBGMにはシビレた。どれだけハマろうともあの告知とボーナス中のBGMを体験しさえすればそんなことはすべて忘れた。
その「兜」に、何年ぶりかわからないくらい久しぶりに対峙。コインサンドの貸出ボタンを押してコインを借り(毎回違う枚数が出てきた。いつも約40枚チョイ?)、コインを投入。そしてレバーオン。投入音もスタート音もストップ音ももれなくカッコいい。そしてリールの白7は枠内に止めると妖しく光り、その光がスゥッと消えるさまも魅力的。こんなになにからなにまでカッコいい台は空前絶後。
「チェリー前兆Ver」っていうのがどんなゲーム性なのかわかりませんでしたが、文字どおり前兆に突入したらチェリーが頻発するってことなのか・・とか考えながら打ち進めます。チェリーはふつうに頻繁に落ちる。この頻度が不自然に上がったらアツいのかな
・・・すると504G目。20回貸玉ボタンを押したから投資は1,000枚近く、というところで最初の殺人告知が!デデデデレデデデデデデーンデーンデン!!!とくにチェリーが頻発したわけでもない気がしましたがいきなり当たってビックリ。この告知は何度体験してもケツが浮く。この瞬間がこの台のすべて、っていうくらい、それ以外にはなにもない台ですが、それでも告知そのものが圧倒的に魅力的だからどれだけ打っても飽きない。
これがBIG。BIG中のリプレイハズシは逆押しするだけでラクチン。ここは全神経をカッコよすぎるBGMに集中するところ。
ビッグは赤7でも白7でも揃えられ、それぞれ違うファンファーレが発生します!ファンファーレも小役ゲーム中およびJAC中のBGMも、すべてが心を揺さぶられる哀愁のメロディでシビレる!
至高のBIG中BGMを堪能して満足。しかし連チャンは2連で終わり。いやいやもうちょっと楽しみたいなあ、ということで続行。
すると211GでまたBIG。そこから
75 BIG
7 BIG
18 BIG
36 BIG
27 BIG
と数珠繋ぎに連チャン!しかもすべてBIGでコインはすごいスピードで増加!これこれ、これが4号機の裏物!
ドル箱2箱になったところで連チャンは終わり。106Gほどまで回し、ほかに打ちたい台もいっぱいあるし、ということでヤメ。流したのは2,124枚!レシートは記念にどうぞ、とくれました。
ハズシを駆使すれば1ビッグで400枚くらいが当たり前という4号機Aタイプの出玉感は今となってはスゴイ。
それにしてもこの地下の裏物コーナー、魅力的な台が多いなあ。ブルーラグーン、ツインサーファー、赤光の剣など、打ちたい台がありすぎる。「南国育ち バタフライVer」は4,173Gハマリで当たらず閉店という記録があるらしい(写真が掲示されてた)けど、この実戦の翌日には一撃で数千枚、いやおそらく万枚くらい出ててビックリ。さすがにわざわざ遠くから来てそこまでハマるのもなあという気がするのでこの日は見送りました。
さて、この時点で時間はまだ昼くらい。次に打つ台を熟慮のうえ確保してから、いったん退店して駅前のバーガーキングでやたらと高いハンバーガーを腹に詰め込んでエネルギーを補給。
長くなってきたので続きはまた次の記事で。