先日、NHKでニュースをみていたら、
「テレノイド」とよばれるアンドロイドを使った、
要介護の高齢者向けのサービスの話をやっていました。
けっこう前から話題になっていたらしいんですが、
恥ずかしながら私はこの「テレノイド」は全然知らなくて、興味深く見たんですけど、
どうもよく耳にする「介護ロボット」とは別物らしい。
今回はこれについて思ったことを書いていきます。
介護の手間を省くためのマシンではない
いわゆる介護ロボットと言うと、現時点ではヒト型ロボットではなく、
移動や排泄や入浴の介助の負担を軽減するための機械、という感じだと思います。
この「テレノイド」はそうではなく、被介護者のメンタルな部分に働きかけ、
孤独の解消や情緒の安定を狙い、結果として介護者の負担を軽減するものです。
いわゆるロボットのように、人工知能などで自動的に会話をするのではなく、
オペレーターがいて、パソコンを通じて遠隔で会話などをします。
インターネットを介して操作するので海外からでも操作できるそうです。
なので、遠隔地にいる家族がオペレーターとなって会話をするシーンなども想定しています。
お年寄りは外見を気にしないらしい
とりあえずビジュアルは不気味、と誰もが思うでしょう。私もそう思いました。
「犬神家の一族」の佐清(スケキヨ)を思い浮かべたのは私だけではないはず。
しかし、この姿であることに意味があるんだそうです。
年齢・性別が不明な姿なため、オペレーターが代わって声が違ったりしても違和感がない。
さらに、テレノイドと会話する人のポジティブな想像力を引き出し、
脳の活性化も狙える、ということのようです。
そして、なぜかお年寄りは外見をあまり気にしないらしいのです。
上に貼った動画でも、お年寄りが嬉しそうに抱きしめて話をしていますね。
母のいる老健のお年寄りたちは・・
私の母が入っている老人保健施設の認知症のお年寄りたち。
お正月に、私は小学生の甥たちと一緒に面会に行ったんですけど、
子どもが行くとお年寄りたちはものすごく興味を示します。
低学年の甥は「なんでみんな僕をみてるの?」と言っていましたが、
とにかく話かけたくてしょうがないという感じの人もいました。
ある人は、ふだん私が「こんにちは。元気ですか?」とか声をかけても
ムッツリとした表情でうなずくくらいなのに、
私が甥をみせて「私の甥です」と言うと、
「ま~かわいいこと!何年生?」とか、笑顔で言うわけです。
介護職員や面会の家族などとは話をしない人でも、
子ども、もしくは犬などの動物とか「かわいい」対象なら
喜んで話したり構ったりするというシーンはよくありますから、
人間と直接話すよりもテレノイドを介したほうがお年寄りが明るく話したりする、
というのはそれと同じようなものなのかな、と感じました。
プレッシャーを感じずに前向きな気持ちでコミュニケーションがとれる、ということでしょう。
個人で買える日がくればいいけど
被介護者の家族が自宅のパソコンでテレノイドを操作しながら
遠い施設にいる被介護者の様子をみたり会話ができる、
という使い方は、私もぜひやってみたいと思っています。
研究用テレノイドの購入価格が100万円って書いてありましたので、
なかなか個人で持てるようにはならないでしょうが、
研究開発がすすんだり施設に普及したりして価格が下がってくれることを祈っています。
それと、有料オペレーターサービスなどもやっているようですが、
爆発的に普及したら、在宅でオペレーターのバイトとかが生まれますかね。
前もってお年寄りがどんな人か情報を貰っておいて、
施設から依頼のあった時間、テレノイドとして話をする仕事とか。
パソコンをもっていればできるわけですからね。
ソフトバンクの「Pepper」を何度かさわったことがあるんですけど、
カワイイけど会話はやっぱりつまんないんですよね。そもそも通じないし。
そこへいくとこのテレノイドは、話す相手は人間なので、
認知症の方や高齢者が使う以外にもいろいろ使えそうな気がします。
コミュニケーションの新しいかたちとして、介護の世界に
革命を起こすべく普及してほしいなと思いました!