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11月15日のNHK「うたコン」をみた

NHK「うたコン」の感想記事ですが、この前ふりは放映前に書いています。

 

11月15日は、作詞家・星野哲郎の命日だそうです。

星野哲郎というと、私は「島津亜矢、水前寺清子の師匠」というくらいの

イメージしかなく、ここでくわしく語るほど知らないのですが、

調べてみると、ああ、この曲もそうなの!?という、

カッコいい歌詞の名曲をたくさん輩出しているんですね。

先週の記事で紹介した島津亜矢の「感謝状~母へのメッセージ~」もそうだし、

大月みやこの「女の港」、美空ひばりの「みだれ髪」など。

美川憲一の「お金をちょうだい」なんて、現代の軽薄シンガーソングライターたちには

絶対に書けない歌詞だし、瀬川瑛子の「長崎の夜はむらさき」とか、もう

曲名からしてカッコいいですね。

今回の「うたコン」、その星野哲郎の特集もあるようです。

出演予定者は、市川由紀乃,岩佐美咲,川野夏美,工藤あやの,小林幸子,五月みどり,高橋優,デュークエイセス,鳥羽一郎,西田あい,乃木坂46,May J.,森山愛子,美川憲一,三山ひろし。

全員、着物での出演

今回の曲目は以下の通りでした。

「京のにわか雨」・・・・・市川由紀乃

「京都慕情」・・・・・・・May J.

「舞妓はん」・・・・・・・三山ひろし

「京都の恋」・・・・・・・森山愛子

「女ひとり」・・・・・・・デューク・エイセス

「ゲイシャ・ワルツ」・・・川野夏美&西田あい&工藤あやの&岩佐美咲

「一週間に十日来い」・・・五月みどり

「三味線ブギウギ」・・・・市川&森山&工藤&西田&川野&岩佐

「兄弟船」・・・・・・・・鳥羽一郎

「お金をちょうだい」・・・美川憲一

「雪椿」・・・・・・・・・小林幸子

「明日はきっといい日になる」・・・高橋優

「サヨナラの意味」・・・・乃木坂46

「北海夫婦唄」・・・・・・鳥羽一郎

 

今回は高橋優以外は全員着物で出演。

若手女性歌手の着物姿がいっぺんにみられて満足。

とくに、工藤あやのの着物姿ははじめてみたので、

そのかわいらしさにオッサンはイチコロ(恥ずかしい死語)に。

今回はもうそれだけ書けばいいや・・とも思いましたが、

そういうわけにもいかないので、まじめにレビューしていきます。

五月みどりの若さを羨望する

五月みどりが、もう50年以上前の曲「一週間に十日来い」を歌いました。

歌唱自体は、もちろん若いころと同じ、というわけにはいきませんでしたが、

その若さ、元気さに、「ああ、うらやましい」と腹の底から思いました。

というのは、私の母と五月みどりはほぼ同年代。

老人保健施設で意味不明のことをつぶやきながら座っているだけの

自分の母を思うと、この差はいったいどこからうまれるんだろう・・・と、

悲しい気持ちになると同時に、羨む気持ちが沸き上がりました。

「お金をちょうだい」は名曲

前ふりに書いた「お金をちょうだい」を、美川憲一が歌ってくれました。

番組でも美川が言っていたように、曲名はあまりにもストレートで、

「えっ?」と思ってしまうんですけど、

恋愛を経験したことのある大人ならいろいろと考えさせられる歌詞、

ダークで切ないメロディは、間違いなく名曲と言えますね。

「柳ケ瀬ブルース」なんかも、若いころはその良さがわかりませんでしたが、

中年になってから聴くとそのカッコよさにしびれます。


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「別れるまえに お金をちょうだい」・・・

どうやら別れ話をしている男女の、女性目線での歌ですが、

男女がどういう関係なのかとかはよくわかりません。

ただ、2番で、「昔のあなたは貧乏で・・」と言っているので、

ひょっとして男が成功して金持ちになって、すっかり冷たい人間に変わってしまった、

という状況なのかもしれない。

で、女性は別れを決意して「お金をちょうだい」と言っているわけですが、

おそらくほんとうはお金など欲しくないんだろうな、

男に対して、「清らかな愛情に満ちていた」ころに戻ってほしい、

そしてやりなおしたい、という未練があるんだろうな、

そういうふうに素直に言えなくなってしまったのはなんでなんだろうな・・とか、

とてもとても複雑なこころの動きを想像しながら聴くわけです。

いわゆる「応援ソング」が苦手

私は、「お金をちょうだい」のように、

年齢を重ねれば重ねるほど必ず経験する、恋愛や別れのつらさ、

こういったものを表現する曲に共感をおぼえるのです。

 

人生は絶望だらけ、理不尽なことだらけ。

どんなに熱烈な恋愛もいつかは冷めるし、

どんなに頑張って名声を得ようがお金持ちになろうが、

どうせいつかはヨボヨボに老いて、そして死んでしまうんだから。

そして、自分が死んだところで、しばらくの間惜しまれたあとは、

自分の子孫は自分のことなど忘れ、

世の中はまったく差し支えなく動いていく。これほど虚しいことがあるでしょうか。

そういったことをうたう曲が、私は好きなのです。

 

人生とは徹底的に、完璧に虚しいものだ、ということを、

完膚なきまでに思い知らせてくれる曲を聴いて、

ああ、哀しいのは自分だけじゃないんだ、みんな同じなんだ、

ということを感じてこそ、甘えてる場合じゃない、少しがんばってみようか、

という気になるんですよ。

つらいことを正面から歌っている曲こそが、応援ソングになり得る、と私は思っています。

 

今回、高橋優が「明日はきっといい日になる」という曲をやりました。

この曲のメロディ自体はそんなに悪くはないと思いますが、

このひたすら前向きな歌詞と曲調は、私にとってはとてつもなく居心地が悪い。

身も心も疲れ切っているときにこういう曲をきいて、

ああ、元気が出る!という人もいるんでしょうが、

私は逆にイライラしてしまう。

 

なんか、自分が独り身の寂しさを痛感しているときに

(まれにこういう気持ちになることもあります)、

友達(私にはほとんどいませんが)から、

子どもや奥さんと一緒に笑顔で映っている写真のはいった年賀状をもらった。

というときに抱く気持ち、といったらわかりやすいでしょうか。

まあ、私の場合は自分の意志で独り身なわけで、ここでムカつくのは理不尽なんですけど。

乃木坂46に1曲やらせるなら・・・

乃木坂46の曲はあいかわらずの超絶退屈な曲で

(しかも、振付も歌唱もあまり練習が必要ないっぽい、というか、

リハーサルを一生懸命に重ねたんだろうな、という感じは微塵もない)、

なにも言うことはないんですが、彼女たちに1曲の尺をとるなら、

工藤あやのの曲をやってほしかったな~と。

新曲はまだ出ないようですが、

今年のシングル「故郷さん、あいたいよ」に、新録のカバー曲をカップリング、

さらにミュージックビデオ収録のDVDがついた特別盤が出ています。

不覚にも私もこの記事を書くまで知らず、

さっそく注文しました。DVDは1曲だけ収録のようなので

あまりお得感はないですが、カバー曲はぜひチェックしておきたい。


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岩佐美咲も今回は「その他大勢」で終わってしまいましたが、

まあ、大御所がたくさんいたことだし、まだまだしょうがないでしょう。

来週は「歌謡チャリティコンサート」

次回は「うたコン」はお休み。年2回、恐ろしいクオリティ

(まあ、カネをとるんだから、クオリティが高いのは当たり前なんだけれども)

をみせつけてくれる、「歌謡チャリティコンサート」です。

今回は静岡での開催、春風亭昇太師匠が司会を務めたようです。

楽しみですね。

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