特別養護老人ホーム(特養)にいる母のところへは、
週に2回くらいのペースで様子を見に行っています。
自宅から特養までは車で10分ほど。
車での移動が基本な田舎の感覚ではものすごく近所であり、
しかも私はまともな仕事をしてないわけで、
行こうと思えば毎日でも会いに行くことは可能なわけなんですけど、
行けるか行けないか、という問題ではなく、
これ以上しょっちゅう会いに行くのは
難しいというか気が重いというか・・・・。
今回はどうでもいいような雑感の記事なので、
あまり役に立たないと思いますけど、
認知症のお年寄りの家族を施設に預けている方には、
共感していただけるところもあるのではないかと。
認知症が急激に進行した時期は、それを目の当りにするのが嫌だった
私の母は特養へ入居する前、1年以上の間「老健」(老人保健施設)
に入所していました。
そのころは急速に認知症が進行していたころで、
私の手に負えなくなって施設に入所したのです。
施設で生活するのが嫌だったんでしょう、
老健にいたころは介助を拒否したりとか、
ティッシュを食べちゃったりとか、
部屋の壁に便を塗りたくってみたりとか、
いわゆる周辺症状が、自宅にいたときよりもひどくなりました。
老健の職員さんからは
「ストレスも原因のひとつなので、できるだけ面会に来てほしい」
と言われ、私もなるべく多く行くようにしていた
(それでも週に2回くらいでしたけど)のですが、
この頃は面会に行くのがしんどかった。
会うたびに認知機能が低下してきているのを実感する。
この間まではできていたことが、もうできなくなっている、ということに気が付いてしまう。
そして、職員さんからは、これこれこういう行動異常があった、ということを毎回のように報告される。
これが辛かったのです。
一時期はほんとうに面会に行くのが嫌で嫌で仕方がなかった。
しかし、家族が会いに行くことによって本人のストレスが軽減される、
という部分もあるのは間違いないことのようだし、
面会の間隔が開いてしまって久しぶりに会うと
その変わりっぷりにますますガッカリ度が増大するので、
とにかく週に2回は会いに行く、と決めていました。
症状が落ち着いた今は
で、特養に入居してすでに1年半以上経ったいま。
すでに歩けなくなり、歩くどころか動きもほとんどなくなり、
自分から言葉を発することもほとんどなくなり、
来るところまで来たか・・・という感じに。
職員さんに「なにか変わったことはありましたか」
と訊いても、とくに変わりなくお元気ですよ、という答えをもらうことが多い状況です。
とくに変わりない、という点では老健にいたころよりも
安心して会いに行けるようになりましたが、
この状態の母に会うと私は
「ついにここまできちゃったか・・・」
という哀しみと、
「いつかこうなることが(薄々)わかっていながら、どうして元気なうちにもっとやさしくしてやれなかったのか」
という後悔しか沸き上がってこないのです。
自宅で介護していたころはちゃんと歩けて、コミュニケーションもそこそこできていたのに、
その不穏さにイライラして、怒ってばかりでした。
いま、なあんにもできなくなった母を見るとほんとうに哀れに思って、
できるだけのことをしてやりたい、と思うんですけど、
だったら本人が理解できるうちになぜやらなかったんだ・・・
という後悔で胸が苦しくなります。
いろいろ働きかけてもすべて徒労、という絶望感ばかり。でも・・・
面会のときは、お菓子をいっしょに食べたりとか、
ちょっと施設の庭に出て見たりとか、
いろいろくだらないことを話しかけたりとか、
テレビをいっしょに観たりとかするんですけどね、
なにをやっても反応がほとんどないので、
私がひとりで空回りしているという気しかしません。
本人がどう感じているかはわかりませんが、
少なくとも会いに来ている側の気持ちとしては
無駄な努力をしている気持ちでいっぱいになります。
なにか反応を示してくれれば喜んで毎日会いに行きたくなるというものですけど、
こうなると面会も気が重い。
でも、会って嬉しいことも一応ある。
いつも反応が薄いのはお同じなんですけど、
機嫌がいい時と悪い時の差が激しく、
機嫌がいい時は赤ちゃんのような笑顔を伴って意味不明ながらもぶつぶつ喋ってくれます。
この機嫌がいいとき、元気なときに当たると、
私も嬉しくなっていい気分で帰ることができるのですが、
機嫌が悪く元気がなかったりするとこちらも気分が沈みます。
なので、どうすれば気分が良くなってくれるのか、
笑顔で話してくれるのか・・・ということを試行錯誤するわけですけど、
それがわかれば苦労しない・・・という話。
施設の人は、家族の方が会いに来るだけで機嫌が良くなってますよ、
と言ってくれるので、
たとえ会話ができなくても顔を合わせるだけでいいんだ、
と思うことにしています。
今回はどうでもいい話でした。
たまには、「なんだかわからないけど認知症が劇的改善!」とかいう記事を書いてみたいものです。