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なんでもかんでもすぐ薬に頼るのは・・・

先日のNHKの「クローズアップ現代」にて、

『多剤服用』のリスク」というテーマで、

多くの種類の薬を服用するとそれが害になるリスクが高まる・・・

という話をやっていました。

ヘタするとそれが認知症の発症にもつながるという。

 

これは高齢者だけに限った話ではなく、

若い人でも気をつけなければいけないことだという。

実は私の亡父は薬大好き人間、というかなにか不調があるとすぐに医者に薬を要求する人間だったので、

多剤服用という状況に陥る高齢者の心理はよくわかる気がします。

 

もちろん私は薬についての知識はないので専門的な話は書けませんが、

今回はこの問題について書いておきます。

亡父の「おくすり手帳」が出てきたので見てみると・・・

NHKの番組内容については

こちらを見ていただくとして、

NHKクローズアップ現代 たくさんの薬は害になる!? ~“多剤服用”の深刻なリスク~

とりあえず私の亡父のことについて書いてみます。

 

亡父は亡くなる直前にはまさに病気のデパートみたいな状態になってしまったくらいで、

多くの不調を抱えながら晩年を過ごしたのですが、

からだの不調をおぼえるとすぐに医者にかかって薬をもらおうと考える人でした。

 

今回の記事を書くためにさがしてみたら、亡父の「おくすり手帳」がみつかりました。

亡くなる4~5年ほど前のものでしたが、

これが凄い。

内科だの循環器科だのいろんな医者にかかっていて、それぞれからたくさんの薬が処方されていました。

ある時期に処方されていたものをここに挙げてみると、

 

・プラザキサカプセル(血栓を予防する薬)

・ワイパックス錠(不安を和らげる薬)

・パリエット錠(胃酸の分泌を抑える薬)

・ニューロタン錠(血圧を下げる薬)

・ノルバスク錠(狭心症の発作を予防する薬 血圧を下げる薬)

・アーチスト錠(血管を広げる薬 心臓の負担を減らす薬)

・ダイアート錠(むくみをとる薬 尿酸を増加させる薬)

・ラシックス錠(むくみをとる薬 血圧を下げる薬)

・アルダクトン錠(むくみをとり血圧を下げる薬 尿量を増やす薬)

・ユベラソフトカプセル(コレステロールを下げる薬 血行を良くする薬)

・ムコスタ錠(胃の粘膜を保護する薬 胃炎の症状を改善する薬)

・ガスコン錠(胃や腸内のガスを抜く薬)

・マグミット錠(胃酸を抑える薬 便通を良くする薬)

・ナウゼリン錠(胃腸の働きを整える薬 胸やけや嘔気を止める薬)

・アルロイドG内用液(胃の粘膜を保護する薬)

・マイスリー錠(熟睡できるようにする薬 寝つきをよくする薬)

・インテバンクリーム(炎症・痛みを抑える外用薬)

・モーラステープL (痛みや炎症を抑える外用薬)

 

・・・といった感じ。

ほかに便秘の時に飲むアローゼン顆粒、

気分が沈むといってジェイゾロフト錠(意欲低下を改善する薬)などをもらったりしていました。

さらに皮膚科からも塗る薬が4種類。

もうなにがなんだかさっぱり。

 

ちなみにそのころの母の薬も凄い。

・ブロプレス錠(血圧を下げる薬)

・アムロジン錠(狭心症の発作を予防する薬)

・デパス錠(熟睡できるようにする薬)

・ガスター錠(胃炎の症状を改善する薬)

・S・M配合散(胃の働きを改善する薬)

・ラックビー微粒(腸の働きを助ける薬)

・パンクレアチン「日医工」(消化を助ける薬)

・マグミット錠(胃酸を抑える薬 便通を良くする薬)

 

このほかに脳神経外科から認知症の薬として

・アリセプト

・メマリー

・リバスタッチパッチ

などをもらっていました。よくこれだけ飲んでたな、と感心するばかり。

ちょっと調子が悪いとすぐに薬を要求した父

私の父は若いころから、母が「具合が悪い」と言っても全然気にしないのに

自分が体調を崩すと大騒ぎする人で、

ちょっと調子が悪いとすぐに病院に行き、

医者に「薬くれ」と要求する人でした。

母の認知症初期は父がめんどうをみていたため、

父は精神科や脳神経外科に行って

「認知症を治す薬くれ」「新薬?すぐにくれ」と

とにかく薬でなんとかしようとした。

だから母も薬まみれに。

 

こういう患者が多いから「多剤服用」が問題になるんでしょうね。

のちに私が父と母のめんどうをみるようになって、

通院にも私が連れて行って医者とも私が話すようになったときに、

こんなに薬いるの?これとこれって同じ薬じゃないの?という話をしたり、

あるいは施設に入ったりするタイミングで

薬を減らすことに成功。

現在特養にいる母は便通を良くする薬しか飲んでませんが元気だし、

最晩年の父も血圧の薬と血液サラサラの薬と便秘の薬しか飲んでませんでしたが、

胃腸薬をやめたからといって消化器系の調子が急に悪くなったりといったことはなかった。

 

母は、施設に入ったタイミングで抗認知症薬をいっさい中止。

すると、怒りっぽくてイライラして癇癪を起こすような精神状態が徐々に改善、

本来の穏やかな感じに戻った・・ということもあります。

まあ、これはいま振り返ってみると・・という話で、ほんとうに服薬をやめたから改善したのかどうかは検証できませんけど。

抗認知症薬を飲み始めてから怒りっぽくなったのは完全に間違いなかったです。

 

私からすると、父と母の薬がどんどん増えたのは、

薬をのむ→副作用が出る→副作用なのか病気なのかわからない→その症状を抑えるためにまた別の薬をもらう・・

という無限ループに陥っているから・・というようにみえました。

たとえば、副作用として「めまい」が出たら、めまいの改善のための薬をまたもらう、みたいな感じ。

そんなことしてれば無限に薬が増えますよね。

すぐに薬を出す医者

しかし、私の父が多剤服用状態になったのは父自身が無知だったからいけないんだ・・

とは言い切れない。

 

いつだったか私が健康診断に行ったとき、

なにか不調はないかと訊かれたので

「夜寝てる時に足がつって目が覚める」と答えたんですよ。

中年以上ならだれでも経験することみたいですが、

私の場合は時期によっては毎晩のように起こる。けっこうつらい。

 

すると医師は「冷えないようにして」とだけ言い、

「薬もあるけど・・・」と言うわけです。

私は、「いやいやいや、薬は飲みたくない。それより予防のための対策をもっと詳しく教えてくれよ・・・」

と思い、もっと根掘り葉掘り、原因と対策を訊こうとしたのですが、

医者は「ああ、めんどくせえ患者だ」と感じているのが一目瞭然の表情と態度。

そんなにつらいんなら薬飲めよ・・といった感じ。

 

ほかにも、血圧が高めだったので

「これ以上上がったら薬を飲んでもらうことになる」って言われました。

いやいやいやいや、飲むかどうかはオレが決めることだから。飲んでもらうことになる、ってどんだけエラそうなんだよ・・・

と反感をおぼえつつ、

薬は飲みたくないから生活の改善で努力するよ・・と答えましたが、

すでに完全に病気という状態になってるんならともかく、

ちょっと血圧が高めっていうくらいですぐ薬を出そうとする(高血圧を放っておくとどれだけ怖いことになるかはもちろん承知しているけれども)、

そういう医者が多いことにも「多剤服用」が問題になる原因があるんだろうな、と。

 

私の場合、もうすでに痛くて仕方がないという状況ではないかぎり、

薬を飲む前になにか自分でできる予防や対策をとりたい、と考え、

薬を飲むことを回避する方法はないのか、と訊くことが多いのですが、

そういった患者に対して真摯に対応してくれる医者は意外に少ない。

薬を出して終わらそうとする。

そのほうがラクだし儲かるからでしょう。

そして、服薬した結果治ったのか、副作用が出なかったのかなどを検証したりしない。

だから私の父や母のように、ヤメても目に見える影響は全然なかったような、いや逆にヤメたら体調がよくなっちゃったような薬を高齢者がたくさん飲み続けるようなことになっちゃうわけだ。

 

まあ、医者から出された薬を自分の判断でヤメたりするのは危険なことですからダメですけど、

すでに重大な病気でもないかぎり、

医者に「薬飲め」と言われて

「ハイ飲みます」と素直に答えなくてもいいんじゃないか、と思うのですよ。

 

「生活改善でなんとかならないものでしょうか」

「どんな副作用が出るんでしょうか」

「飲んだら体調がよくなったからもうヤメてもいいすか?」

「飲んだら調子が悪くなったからヤメてもいいすか?」

「これこれこういった症状が出たんですけどこれは副作用ですか?」

「ほんとうにこの薬必要ですか?」

 

くらいのことは医者に尋ね、よく理解して納得したうえで薬を飲むべきでは。

いろいろ訊かれてめんどうくさがるような医者(ほんとうに存在する)

は信用できないのでほかの医者に世話になったほうがいいと私は思っています。

 

患者がもっと主体的に医療を受け、

医者はなるべく薬を増やさない方向で医療を施すようにしてくれれば、

私の父のときのように

父「つらいから薬ください」

医者「ハイわかりました」

となることなく、

多剤服用に陥ってしまう高齢者も減るんじゃないのかな・・・

 

といったことを、NHK「クローズアップ現代」をみて考えました。

この問題についてはもっと勉強してまた書きたいと思います。

 

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