たまに、ブログ読者の方からメールをいただくことがあります。
ブログのコメント欄は私にとってはほぼマイナス要素しかないのでとっぱらってしまいましたが、
メールをいただくのは非常に励みになります。
返信できない方もいらっしゃったので、この場にてお礼を申し上げます
そういった方の中には私の認知症の母の調子を気遣ってくださる方もいて
たいへん恐縮しています。
で、ここのところ母のことを記事にしてなかった(記事にしないということは何事もないということなのでそれでいいんですけど)し、
このあたりでちょっと母の近況を書いておこう、と。
私にとっては、記事の日付と内容をみて
「ああ、この時期にはこんな感じだったんだ・・・」と振り返る材料になりますし、
いま認知症の家族をおもちの読者の方には、「症状がすすめばいずれこうなる」という参考にもなるかな、と思いますので。
久々に孫と対面したものの・・・
お盆期間中に私の兄の家族が
母の入っている特養を訪れました。
私と違ってサラリーマン。会社的にはそれなりの立場にいて忙しいらしく、
そのうえ家が遠いため、やはり母に会いに来るの盆と正月くらいになりますね。
で、小学生の孫もいっしょに来て、
久しぶりに孫の顔をみてどんな反応をするか・・・
と興味深くみていたのです。
最近の数年間、夏休みに孫に会った時、どんな反応をしていたか思い出してみると・・
3年くらい前の夏休みにはまだ自宅にいて、まったくきちんとできないけれど孫のために料理をしようとしたり、布団を敷いてやろうとしたり、いろいろやっていました。でも、孫の名前は思い出すことができなかった。間違いたくないという気持ちが働くのか、名前を呼ばずにうまくやろうとしていました。
2年くらい前の夏は老健に入っていて、ウロウロ動き回っていたころ。コミュニケーションが困難になってきて、孫に会ってももう名前は出てきませんでした。でも、嬉しそうな表情をしていて、孫だとは認識していたかな?
昨年の夏はすでに特養で過ごしていました。孫を見てもおそらく孫だとは認識してなかったでしょう。でも、孫の顔を触ってみたりとか、じっと見つめたりとか、興味のある素振りはあったような。
で、要介護5で迎えた今年はどうだったかというと、
孫が来たからってとくに変わった反応はありませんでした。
私と接するときと同じ。
「○○さん!!」と名前を呼びかければ反応していちおう相手の目を見る、
そしてたま~に意味不明なことを発語する。
これと同じ反応を孫にもしていました。
ああ~。元気だったころには、
孫が来る数日前から猛烈に働いて孫たちを迎える準備をし、
すさまじく豪華で手の込んだ料理をつくったりしていたのに。
ついに孫の顔をみても興味を示さなくなってしまったか・・・
と悲しくなりましたが、
特養の職員さんには「嬉しそうな表情してますね」と言われました。
まあ、気をつかってそう言ってくれたんでしょうが、
そう言われてみればそうなのかな、と言えなくもない微妙な笑顔を浮かべていました。
子どもが来ると急に元気になるお年寄りたち
そういえば、母が老健の認知症患者専用フロアにいたころ、
まだ低学年だった孫が面会に来ると、
周囲にいるお年寄りたち(老健は昼間は広い1フロアに20人くらいが座って過ごしていた)が
わさわさと寄ってきていろいろ話しかけに来ましたね。
ふだんはボーっとしてて話をしてるとこなんてみたことないような人が
「かわいいねえ~」とか言ってきて、とにかく嬉しそうでした。
「この人こんなに元気だったんだ・・・」と驚くようなことも。
昨今は保育所と老人ホームが一体化した
いわゆる「幼老複合施設」というのが少しづつ増えているらしいです。
宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」にもそんな感じの施設が登場しましたね。
私が母のいた老健でみた、子どもを迎えたときのお年寄りたちの喜びようを思い出すと、
「幼老複合施設」は少なくともお年寄にとってはその活力をとりもどすために有効でしょうね。
子どもにとってもお年寄りと触れ合うことはいい経験になるでしょう。
まあ、子どもと認知症のお年寄りたちをほったらかしにしておくことはできないと思うので、
運営するほうは大変でしょうが、
子どもと触れ合うことがお年寄りに対していい影響を与えることは間違いなさそう。
そう考えると、
(私は独り者のまま終わりそうなので)孫をみせてやることができなかった、
というのは、やっぱり亡父や母に対して
申し訳ないことをしたのかなあ~という気持ちになってきます。
するとものすごく気持ちが沈んでくるので、
孫をみせてやることだけが親孝行ではない・・・と思うことにしてるんですけど。
一生懸命コミュニケーションをはかる孫を
ボ~っと眺めるだけの母をみながら、
そんなことを考えました。
今回はこのへんで。