昨年、遠出したときに先進的なセルフシステムを使いまくってるパチ屋にたまたま入り、そのときに感じたことを記事にしました。
私はパチ屋でほかの客と喋ったりとかはほとんどしないししたくもない(話しかけられればもちろん話すけど)のですが、店員さんとはふつうに喋りたいほう。それが楽しいと感じられる店員さんもいるし、出玉的に有益な情報が得られることもありえますしね。その機会が減らされるセルフ化は、あまり行き過ぎるのは良くないのでは・・ということを書きました。
で、そのときはたまたま入った店だったから良かったのですが、さきごろなじみのホールのひとつが景品カウンターをセルフ化。出玉が記録されたカードを読ませる→希望する景品内容をタッチパネルで入力する→景品が出る、というだけのことで、慣れてしまえばどうということはない・・というのはわかっていても、私はやっぱりあんまり好きじゃないなあ~と。そのへんをあらためて書いておきます。
カンタンだが、面倒くさいなあという気もしなくもないし、それに・・・
件のホールが導入したのは景品交換のセルフシステムだけで、そのほかは変更なし。先述のように出玉が記録された会員カードもしくはワンデーカードを機械に読ませ、タッチパネルの指示に従って希望する景品内容を入力(たとえば4パチの貯玉から大景品を2個だけもらいたいとかいう場合はそれを入力する)。
すると特殊景品がニョキニョキっと出てくるので、それを取って個数を確認、レシートと一緒にして買取所へ・・という流れ。
まあ別に難しくはない。このときはシステム導入直後ということで、店員さん一人がカウンターにベタ付きでお客のフォローをしていましたが、大部分の人はフォローされずともだいたいうまくいくでしょう。
しかし慣れないと思わぬミスをするかも。玉が何千個だから景品は大が何個で中が何個、とかいうことを把握せずに交換する人も多いから、景品をひとつくらいとり忘れ、数を確認せずに買取所へ→買取所で「レシートと違うから交換できません」とかいう事態になったりする可能性も(ないかな?)。レシート取り忘れたりとかもありそう。
それに、しょっちゅうパチンコしてて勝手を知ってる人ならいいとしても、パチンコ初心者がひとりでやるのはおそらく難しいだろうし、お年寄りもタッチパネルはわかりにくそうな。字が小さくて読めないというお年寄りもいるかも。
実はこのへんがけっこう問題なんじゃないのかな、という気がしてます。初心者にはただでさえわかりにくいパチ屋の景品交換システムが、ますますハードルの高い、得体のしれないものに感じられてしまい、パチ屋で遊んでみよう、という気になってくれる人が減ったりしないのか。
ご年配も「あの店は景品交換が面倒くさいから嫌だなあ・・」ってならないのかな。店員さんの側は「わかんなかったら呼んでください」って言うでしょうが、「手間をかけさせては申し訳ない」と思ってわざわざ呼んで訊くっていうのを躊躇するご年配の心理を考えると、それはそれで不親切だと思うんですよね。
そのようにして、客離れがより深刻になる・・・なんてことにならないのかな。だって客にとっての直接的なメリットが感じられないもん。これまで店員さんがやってくれてたものをこれからはやらなければならなくなったんだからそれも当然。ますますサービス悪くなったよね、とか思われたりしない?
いわゆるパーソナルシステム、各台計数機みたいなのは客側にもすごくメリットがありましたよね。パチンコの玉をジャラジャラやらなくていいし、連チャンしてるときに店員さんを呼んでドル箱もらったりしなくていい。店員さん側ももちろんラクになる。しかし景品交換のセルフ化には店側の手間を省く効果はあっても客側はただ単に面倒くさくなるだけ、と感じます。
もちろん、店側の手間が省かれたことによって人件費が削減され、それが出玉として還元されるんなら客側にもメリットがある、と言えるんでしょうが、そうはならないんだろうなあ。
パチ屋がますます面白くない場所に
それから、私などは景品カウンターで「今度こんな景品が入ったんですけどどうですか?」とかなじみの店員さんに言われると、「じゃあひとつもらっていこうか」ってなるんですけど、そういう売り上げもだいぶ減ることになるのでは。
なにか気になる景品が置いてあったとしても、タッチパネルの入力のしかたがわからなかったりしたら、まず間違いなく「面倒くさいからいいや」ってなる。だってそもそもあってもなくてもどちらでも差し支えない程度のものしかパチ屋ではもらってませんでしたからね。なじみの店員さんが勧めてくれたり、「お願いします!」って頼んでくれるからこそ「じゃあ」ってなるわけで、そうでなければわざわざおカネかけて一般景品をもらったりしない。スーパーとかで買った方が安いし。
ついこないだもジャグラーお守りとかジャグラーのタオルとかを景品でもらい(買い)ましたが、それだってなじみの店員さんが「ジャグラーグッズ入れたんでぜひ見てください!」って言うから買ったのであって、そうでなければ絶対に買わなかった。
一般景品についてはあからさまに軽視してるようにみえるホールもあるし、そんなのより貸玉の金額の方が大事・・なんでしょうが、客の立場からすれば売上うんぬんよりも、そんなんでは楽しくないってことが問題になるんじゃないか。
景品交換がセルフで「勝手に打って勝手に帰ってくださ~い」というのよりは、帰り際に店員さんに出玉についての文句(もしくは称賛)のひとつでもたれることができるホールの方が(店員さんには迷惑なことであっても)客としては楽しいし、「新しい景品入りました」「へえ~、どんなの?」っていう会話が生まれる場所のほうが、アミューズメント施設としては絶対に楽しい場所でしょう。
ただでさえひたすらムカつく仕様の、退屈なゲーム性の台しか置いてないのに、それではますますパチ屋は面白くない場所になっていくのでは。
パチ屋が面白くない場所になった、っていうのは仕方がないところもあるとは承知していますけどね。以前のように射幸性を煽る広告だのイベントだのができないし、台の出玉性能も抑えられてしまっている。面白いことやろうとしても規制のおかげでなにもできないでしょう。
そんななかではセルフ化による経費節減や効率化で生き残りを図りたい、ってなるんでしょうが、少なくとも景品交換のセルフ化はやめてほしいなあ。件のホールは「便利になりました!」みたいな感じでリニューアルを宣伝していましたが、私は「めんどくせえよ!」としか思えないし、胸張って言うことじゃない気が。だって、これまで店員さんの仕事だったものを客にやらせて、店側がラクになる、っていう以上のメリットが見えませんからね。「お客様にはお手数をおかけしますが、そのぶん出玉還元します!」があるべき姿勢なのでは? ガソリンスタンドとかならセルフのほうが安い場合がほとんどだと思うんですけど、それを考えるならパチ屋もセルフ化するんならセルフでない店よりも出玉が良くならなきゃおかしいはず!