本ページのリンクには広告が含まれています 認知症の進行をふりかえってみる

認知症の周辺症状がいきなり始まった①~睡眠障害~

私の母の認知症の進行を振り返る記事の続きです。

前の記事→認知症の母が通所介護(デイサービス)に行っていた頃の話では、

デイサービスに通っていたころのことを、

ああ、あのときはまだまだ元気だったな~と思いつつ書いたんですが、

あるとき父が倒れ、そこから入退院を繰り返すようになります。

それまで、母の認知症の症状は、

記憶障害と、ちょっと怒りっぽくなってきた、くらいで済んでいたのに、

ここから突然、問題行動が多発するようになりました。

突然「周辺症状」が発症してきた

認知症の症状は、大きく分けて以下のふたつに分けられる、といわれています。

 

「中核症状」・・・脳の細胞が壊れることによって起こる症状。

記憶障害、見当識障害(いま自分がどこにいるかとか、いまどういう状況なのかなどがわからない)、

など。認知症になればだれでも必ず現れる。

 

「周辺症状」・・・環境や心理状態によって、患者ごとに異なる、「行動・心理症状」。

徘徊や帰宅願望、幻覚、昼夜逆転、弄便、妄想、暴力や暴言などですね。

 

それまで、精神科の医師から、「進行がとてもゆっくり」と言われていたのに、

いきなりこういった症状があらわれ、

かたや入院していても家にいてもいろいろ手がかかるようになった父もいるのに、

それまで以上に母に振り回されるようになり、私も手一杯になりました。

それまで週に2回行かせていたデイサービスを徐々に増やすことになります。

夜中に何度も起きて、「帰る」と言い出す

いろんなことがいっぺんに始まったので何から書いていいかわからないんですが、

いつも同じ部屋で寝ていた父が入院していなくなったせいか、

夜に寝なくなりました。

とりあえず布団には入ってくれるのですが、

すぐにガサガサ起きて、

「ああ、朝ごはんの支度しなきゃ」

「(犬の)にごはんをあげなきゃ」

「玄関の鍵しめたっけ」とか言い出す。

最初はこのように、意味が通ったことをいってガサガサやっていたものの、

だんだんよくわからないことを言い出しました。

いちばん多かったのが「帰らなきゃ」というもの。

 

「どこへ帰るの?ここがおうちだよ!」

と言っても納得せず、

「おかあさんのところへ帰らなきゃ」とか言います。

母の母、つまり私の祖母はもうとっくに亡くなっていて、

そこに行かれたら困るわけですが、本人は「帰る」と言ってきかない。

しょうがないので、「そうだね。じゃあ、一緒に帰ろう」と言って、

夜中の寒い中を一緒に外に歩きに出て、

本人が「帰る」ということを忘れたころに帰ってくる・・ということも

何度かやりましたが、これが毎晩のように起こるものだからこっちもイライラしてくる。

「いいから寝ろよ!」と近所に聴こえる声で怒鳴ったことも何度もありましたし、

もうどうしようもなくて、元気なころに母がたまに飲んでいたマイスリー(睡眠薬)をのませて、

異常なせん妄が始まってしまって、逆にたいへんなことになったりもしました。

 

これはほんとうに大変でした。私の寝る時間がない。

昼間、母がデイサービスに行っている間は、勤めに行ってないといっても、

やることは山ほどあって寝ている暇などない。夜寝ないと死んでしまいます。

母の場合、大声でわめいたり暴れたりということはなかったので

その点は助かりましたが、もうほんとうに死にたくなりました。

 

いろいろ試して、

同じ布団で一緒に寝てあげると、少し落ち着くようだということがわかり、

それをしばらく続けると寝るようになりましたが、この睡眠障害は断続的に出ました。

 

睡眠障害でいちばん困ったのが、私が眠っている間に、ひとりで家から出ていこうとすることでした。

ドアをあけると音が鳴るようにしたり、

靴を隠しておいたり(そうすると裸足で出て行ってしまう)

しましたが、気がつくといなくてすんでのところで捕まえる、

ということが何度もありました。

 

で、こういう行動がだんだんエスカレートしてきて、

徘徊で警察のお世話になる事件が起きます。

運よくみつけることができたんですけど、

紙一重の差であやうく野垂れ死にさせるところでした。

次回の記事で、徘徊について、

そして警察の手をかりたときのことについて書いていきます。

認知症の周辺症状の話②~徘徊が始まった~

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