年末には大掃除などをして、不用なものをたくさん処分した、という方も多かったことでしょう。
そんな不用品の処分、捨てるのはもったいないから売って少しでもおカネになれば、とメルカリ等のフリマアプリを活用する、ってのはいまや高齢者でもやってる、まさに生活に根ざしたものになりましたね。
メルカリを中心としていわゆるフリマアプリについてはこれまでに何度か記事にしましたが、いずれも安定してそこそこ多くの方が見に来てくれてます。私と同じ疑問をもつ方はそれだけ多いっていうのと同時に、そこに挙げたような、なにかおかしい出品者などがそれだけ多いってことのあらわれなんでしょう。ニーズがあるんならこのシリーズ、もっと書いていこうと思った次第。
→メルカリ:値下げ交渉に応じてホイホイ値下げする人はなんなの
→メルカリ:購入者に「挨拶してから買え」って言う出品者はいったいなんなのか
不用品を処分したかったり欲しいものを買ったり、その利用目的は人それぞれでしょうが、どうせ使うなら気分よく使いたいもの。取引して気分を害されるような人は相手にしたくないのは当然。
とはいうものの残念ながら、自分が出品者の場合は売る相手を選ぶことは基本的にできない。「買う前にコメントしろ」とか「○○さん専用」とかいうのは公式のルールに反することだし、「神経質な方はご遠慮ください」(この文言を見るともう買う気が失せる)とかタワケたことを言っても意味ないってのも前に書いたとおり。
しかし自分が購入者の場合は、誰からモノを買うか、を選ぶことができます。気分よく買い物をし、価格に見合った満足を手に入れるために、「この人から買ったら危険かも」「この人から買ったら嫌な気分になるかも」という出品者を見分ける術を身に着けるっていうのは重要なことです。
それで上記のような記事に「避けるべき出品者」の類型を挙げたわけですが、ほかにも注目すべきポイントはいくつかあります。今回は「商品画像」から読み取れることについて書いておきましょう。
例外はあるが、出品者の信頼度は画像(と商品説明)の量に比例する場合が多い
メルカリの場合は1商品に商品画像を10枚までつけることができるようになっていますね。
しかしこれが1枚とか2枚しかない出品者がけっこう多い。もちろんたとえば紙っペラ1枚だけとかいうモノであれば裏と表の画像があれば充分でしょうから、いつでも写真を10枚用意するべき、って言うつもりはありませんが、モノというものは三次元で存在しているものなのだから、一方だけからの画像では不足する場合のほうが多いはず。
たとえば本などという小さなものであっても、表紙だけ見せられてもちょっと困りますよね。新品ならともかく、出品されているのは大部分が中古ですから、小口(背の反対側。ページをめくるときにさわる部分)がどれだけ汚れているのかとか、書き込みがあったりするのかとか、長年にわたって重版を重ねているようなものならいったいいつの版なのか。古い版ならそれだけ経年してるってことだし、最近の版ならけっこう新しいんだな、とわかるわけで、そのへんの情報もないと、提示された値段に見合ったものなのかどうかが判断できない。
本くらいのちょっとしたものならともかく、もっと高価なものであればなおさら。私が気が向いたときにたま~に触るギター、機会があればあたらしいものが欲しいと思ってるんですけど、そういうものは写真が10枚では足らない、それどころかやっぱり実物をみないと怖くて買えないわけです。そもそもそういうものはネットで買うべきじゃないですね。
タダみたいな値段で譲ってもらうんなら別として、自分が買う立場であればそういう細かいことが多少なりとも気になるはずなのです。
しかし、ネットでの相場価格をはるかに超えるバカみたいな価格をつけておきながら商品画像は1枚、そして商品説明には「中古品なので神経質な方はご遠慮ください」っていうだけの出品者がめちゃめちゃ多い。
そういう出品者が多いから不自然には見えないところが難しいのですが、写真が少ない出品者はとにかく警戒するべきです。もう購入を2,000回ちかく経験しましたが経験上も理屈上も、その出品者が信用するに足るかどうかは、商品画像の量および商品説明文の量と質に比例すると思ってます。
誠実に対応しようという気がないからテキトーになる
画像が少ない・説明文が少ないということからまず垣間見えるのは、出品という作業が面倒くさい、できるだけ手間をかけずにカネを得たい、という心理であり、買う側の立場に立って考えてないっていうことなんじゃないかと。
いいところも悪いところもできるだけ全部見てもらって、言葉をつくして説明することによって納得づくで買ってもらおうという気がない、そんなの面倒くさい、そういう面倒くさいことを要求する「神経質な人」は買うな、という不誠実な人間である可能性が高まるということです。
その商品に対する知識がない出品者なのかもしれないが、それならなおさら画像や説明が少ないのは危険
前に→メルカリ:「神経質な方はご遠慮ください」ってなんなの の記事でも書きましたが、たとえば音楽CDなんかであっても、マニアやコレクターが気にすることはたくさんあり、それを写真1枚で伝えることは不可能です。もちろんフリマアプリは素人が使うものという前提にたてばマニアやコレクターの要求にすべて応える必要はありませんが、マニアでない普通の人でも「盤面の傷はどうなのか」とか、「歌詞カードはついてるのか」とか、その程度のことは気になる方も多いはずで、そういったことは画像や説明で明示したほうが親切なのは間違いないでしょう。そのへんが気になる方はコメントで訊いてくれ、ってのは不親切。
訊かれそうなことは前もって書いておくほうが早いし面倒くさくないと思うんだけどなあ。それをやらないってことはやっぱり面倒くさいと思っているか、もしくは他人がなにを気にするのか、出品者側はどこに注意を払うべきかわからない人である可能性もあります。つまりその商品についてよく知らない。
これはフリマアプリの性質上ある程度は仕方がないことだとしても、自分がわからないならなおさら「詳細は画像で判断してください」として、より詳しい画像を用意したりするのが誠実な対応というものでしょう。それに、たとえ商品知識がないとしても、汚れてるのかきれいなのかくらいはわかるはずで、汚れているならそこを写真にとって「ここが汚れてます」っていうふうに明らかにするのが当然だし、相手に満足してもらいたいと思っているなら自然にできることのはず。それをやらないってのはやっぱり、相手のことなどなにも考えてないということで、そういう出品者から買うのは危険。
都合の悪い部分を隠している場合もある
あと、私が実際に被害を受けた例を挙げると、CDの出品で表側しか写真がなかった出品者。こいつはアブねえなあ~と思いつつ価格は安かったもんだから買ったら、本来あるはずの裏ジャケットがなかったりとか。
もしくは表側だけが写真に撮られていたDVD。「新品未開封です」と言うから買ってみたら、裏側には「見本盤」という印字が。そんなことは一言も説明になかったのに(見本盤は正規品と内容は同じですがあくまでもプロモーション用の非売品で売り買いは禁じられている。言わないで売るのは詐欺と同じ)。
巧妙に写真を撮影してレンタル使用済み品であることを隠して売りつけてきたりとか。市販のOPP袋でキレイに包装して、開封済みの品を「新品未開封」と偽って売ってた野郎もいた。
このへんにはすべてもれなく悪い評価をつけて、それ以上は面倒くさいので返品などは求めずに終わらせましたが、中には知識不足ゆえに悪気なくそういうことをしている人もいるとしても、画像がもっとくわしくたくさんあったならガッカリな取引にならなかった場合がほとんどなわけです。
まあ騙された私がバカだったわけで、そういう経験を積みながら「いかにしてヒドイ出品者を避けるか」っていう術を身に着けていった結果、やはり「写真が少ない」「商品説明文が短い」出品者は、信用できる出品者である可能性は低くなる傾向にあるというのがわかってきた次第。
と言っても、なかには例外もあって、画像が少ないからと言って危険、と決めつけられない場合もありますね。画像はなくても必要十分な情報を説明文できちんと補完してくれる人もいる。そういうこともあるので、「この人大丈夫だろうか」と思ったら、その人のほかの出品物の画像や説明文もチェックしてみるのがいいでしょう。それと評価の一覧も組み合わせて見て、さらにいわゆる「プロフ」もみれば、地雷出品者を避ける精度を上げることができます。「プロフ」におかしなマイルールを異常に長く書いてる人にかぎって画像や商品説明文が少ない傾向にあります。そういう出品者は避けたほうが無難です。「プロフ」が短い、でも画像と商品説明文が多い、そういう人のほうが比較的安全です。
テキトー&詐欺出品者を駆逐して、安心して利用できる場所になってくれれば・・
と、メルカリをはじめとしたフリマアプリで気を付けるべきことを書いてみましたが、最近はAmazonなんかのBtoCが基本のECサイトのほうが逆に危険だったりもしますね。Amazonは最近ほんとヒドイ。無在庫転売や隣の大陸の詐欺出品者ばかり。Amazon直販の品を買っても安心できない。なにかトラブルがあって問合せしようとしても電話番号もないし、電話をよこせと要求して話をしたりチャットで話をしたりしても相手は中国人で話が通じないとか、そんなのばっかり。マジでゴミみたいな対応しかしない。「安けりゃそれでいいんだろ」「文句があるんですか?じゃあ返品してくださ~い」だけでいいと思ってるんだろうなあ。とりあえず日本法人の社長は日本育ちの日本人にしてくれないものか。
それに比べるとメルカリなんかは割と不正に対して公式が(間に合ってない部分はあるにせよ)一生懸命対応しているという印象です。問い合わせにはちゃんと日本語が話せる人が対応してくれるし、その意味でもメルカリのような日本国内発のプラットフォーマーが天下をとってくれることを期待しているのです。
だからぜひともメルカリ等の企業にはもっと伸びてもらいたい。そのためにはやっぱり、詐欺的出品者やテキトー出品者が減ってくれて、いろいろ考えずとも安心して取引できるような場所になってもらわないといけない。買うほうの側が賢くなれば、そういう出品者が生きていけなくなる場所になっていくと思うので、たとえ安かろうと信用できなさそうな出品者からは買わない!というふうに気をつけたいものです。